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(回答先: 座間に米陸軍の司令部【本体機能移転に警戒感】(東京新聞) 投稿者 クマのプーさん 日時 2007 年 12 月 26 日 00:13:44)
【米軍再編 】
基地のこと考えよう 米陸軍第1軍団 上
2007年09月19日
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000150709190001
マクドーマン第1軍団司令部広報室長
米陸軍第1軍団の司令部=米ワシントン州のフォートルイス基地で
イチローがいるマリナーズの本拠地・シアトルの郊外に、米陸軍フォートルイス基地はある。ここに第1軍団の司令部が置かれている。
背の高い針葉樹林に囲まれたゲートで第1軍団広報の車に乗って約10分、れんが造りの3階建ての建物が見えてきた。玄関には「米国の軍団」と書かれた紋章があり、建物に入ると、歴代司令官の写真が出迎えた。
第1軍団は、米陸軍の主要4軍団の一つ。第1次世界大戦中の1918年に創設された。第2次世界大戦では、旧日本軍と交戦、終戦後は占領・統治のため、日本に駐留した。81年、標高4392メートルのレーニア山を望む今の場所に司令部は移った。
担当する地域は、地球の半分にあたるアジア・太平洋地域。西はインド、東はアラスカ、南はオーストラリア、ニュージーランドに及ぶ。
司令部は、有事には現役約2万人、予備役約2万人の実戦部隊を指揮するとされ、その要員は約500人。このうち約300人がいずれ、キャンプ座間に司令部要員として移るとみられている。
「第1軍団は最も数多くの勲章をもらった歴史のある軍団です。米国の戦闘指揮司令部では、最大の規模を誇ります」
広報室長のマクドーマン中佐は、そう言って胸を張った。
■
01年9月11日、米国民を震撼(しんかん)させた同時多発テロをきっかけに、フォートルイス基地は、米陸軍の出撃拠点になった。
第1軍団の兵士たちも担当地域外のイラクやアフガニスタンに派遣され、軍団配下の部隊も含め、計約6万4千人の兵士たちが、この基地から戦闘地域に送られた。装甲車両ストライカーで機動的に動く部隊の兵士は戻り始めているが、現在も約1万1千人が主にイラクに駐留しているという。
現地に向かう前、兵士たちはこの基地で訓練を受ける。基地内には67カ所ある射撃場や射爆場のほか、イラクの街並みを再現した訓練場などがあった。
そのなかに、コンピューターで作戦シミュレーションができる戦闘指揮訓練センターがあった。
ここで行われている訓練のほとんどは、イラク、アフガニスタンでの戦いを想定したものだ。マイク・ペッパーズ所長は「指揮官から下士官まで、それぞれに合った訓練ができる陸軍最大規模の施設」と説明した。
センターは七つの施設で構成されていた。その一つが、米政府が2年前、27億円を投じて造った大規模部隊の作戦指揮訓練システムの施設だ。コンピューターに入力されたイラクの地形データなどを使って作戦シミュレーションができる。データは米兵士が持ち帰った情報で常に更新されている。ゲームセンターにあるカーレースのような装置もあった。
体育館のような任務遂行支援訓練施設内には、テントが張られていた。幹部たちはこのなかで、ずらりと並んだパソコンの画面を見ながら、作戦指揮の訓練をしていた。
「現代の米陸軍の指揮統制は、すべてデジタルで行われています」。訓練責任者は言った。
再編に伴い、この戦闘指揮訓練センターと同様の機能を持つとみられる施設が、相模原市にある相模総合補給廠(しょう)内に、米国の予算で建設される予定だ。
ペッパーズ所長は「日本に置く施設では、日米が共同で訓練をする。ここでしているような訓練すべてが出来るとは思わないが、同じように最高レベルの施設になるでしょう」と言った。
◇
在日米軍の再編で、米本土にある第1軍団の前方司令部がキャンプ座間に置かれる。「基地の恒久化につながる」などとして座間市は反対姿勢を貫いているが、準備は着々と進んでいる。第1軍団の素顔を見るため、シアトル郊外にあるフォートルイス基地を訪ねた。
(渡辺丘)
基地のこと考えよう 米陸軍第1軍団 中
2007年09月21日
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000150709210001
陸自の実射訓練を視察する第1軍団のキャンベル副司令官(左)=米ワシントン州のヤキマ演習場で
乾いた空気、照りつける太陽、赤茶けた地平線が続く広大なアメリカの荒野で、日本から持ち込まれた戦車は前進しながら砲弾を発射し、上空の対戦車ヘリコプターはロケット弾を連射した。
米陸軍フォートルイス基地から南東約200キロにあるヤキマ演習場。陸上自衛隊西部方面隊などに所属する約340人が今月6〜15日、日本国内ではできない最大射程での実射訓練を行った。
「火器の性能をフルに使える環境をいただいた」。同隊第8特科連隊第3大隊の小野真嗣大隊長は米軍に感謝した。
しかし、米軍の協力は、場所の提供にとどまらない。今年で16回を数えた訓練のため、フォートルイス基地からは、第1軍団の実戦部隊で最新の多連装ロケットシステムを持つ第17砲兵旅団など約100人が派遣され、演習の助言、車両やヘリへの給油、下草の消火、水や食料の提供など裏方役を務めた。
訓練を現地で指揮した陸自第8師団(熊本市)の宮本一路副師団長は「我々が深夜までやれば、米軍も深夜まで付き合ってくれる。頭が下がる思いです」と言った。
■
キャンプ座間に置かれていた米陸軍第9軍団司令部が第1軍団司令部に吸収された95年以降、第1軍団と陸自は毎年日米で1回ずつ、司令部要員がコンピューターを使った「日米共同方面隊指揮所演習」をしてきた。
ヤキマでの実射訓練も含め、訓練の調整をするという理由で、96年からは第1軍団司令部に陸自幹部が韓国やオーストラリアの軍幹部と並んで常駐する。
第1軍団のマクードマン広報室長は「大切なのは、信頼のある国同士が情報を分かち合うこと。米国にとって日本は大切な友国だ」という。陸自幹部の一人も「お互いが毎日顔を合わせ、話し合うことで信頼関係が生まれる」と話す。
米軍再編で第1軍団の前方司令部が置かれる予定のキャンプ座間には、12年度末までに、陸自内でテロへの対処や海外派遣の初動対応にあたる中央即応集団司令部が、埼玉県と東京都にまたがる朝霞駐屯地から移転する。防衛省は08年度予算の概算要求に庁舎や宿舎の整備費など約15億円の関連予算を盛り込んだ。
日米の軍事関係者の間では、この「同居」こそが両国連携の象徴とされている。両司令部による基地の共同使用が実現すれば、「日米一体化」がさらに進むとみられているからだ。
■
14日、ヤキマ演習場で行われた陸自の射撃訓練を、第1軍団副司令官のドナルド・キャンベル准将が視察した。
訓練終了後、若い陸自隊員一人ひとりに声をかけ、陸自幹部と会食した。ヘリで帰途につこうとする副司令官に、キャンプ座間への前方司令部設置について尋ねた。
「前方司令部がキャンプ座間に置かれると、両国の協力関係はより強化されるだろう」。副司令官は、そう答えた。
(渡辺丘)
基地のこと考えよう 米陸軍第1軍団 下
2007年09月22日
http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000150709220002
約3千人の死者を出した同時多発テロから6年目の「9・11」。フォートルイス基地の地元、レイクウッドの市役所前には、星条旗を掲げて「自由の行進」をする700人以上の市民がいた。
来賓で招かれた第1軍団司令官のチャールズ・ジャコビー中将は、市民に向かって言った。
「あの日から私たちの日常は変わった。90万人が陸軍に入隊し、70万人が再入隊した。兵士たちに敬意を払ってくれてありがとう」
フォートルイス基地周辺は、現役軍人とその家族約8万人、退役軍人約13万人が暮らす「軍の街」だ。この街の最大の関心事は、「イラク」をおいて他はない。
人口約6万人のレイクウッド市では、基地出身の兵士がイラクで戦死すると、市長か、予備役軍人幹部を兼任する市議が必ず葬儀に参列する。
クラウディア・トーマス市長(76)は「軍隊は家族の一員のようなものよ」と言った。
地元紙・ニューストリビューンの1面でも、死亡兵士の顔写真と人となりが必ず紹介される。
デービッド・ジーク編集長は言った。
「一番熱いニュースはイラクだよ。普通の読者は、生身の人間が戦争で死んでいることに関心がある。日本にできる前方司令部だって?実戦部隊と違って、司令部は『顔』がないから、ピンとこないよ」
基地のゲート近くに「自由の橋」と呼ばれる高架橋がある。イラク戦争の開始直前ごろから、この橋の上で、兵士を支援する市民が星条旗を振り始めるようになった。
9月11日も、兵士の車が通り過ぎるたび、「ありがとう」と手を振る男女がいた。その横で、イラク戦争反対派とみられる男性が「同時多発テロは米国のやらせだ」というメッセージを書いた看板を掲げていたが、ここでは少数に過ぎない。
イラクで孫を失ったキャシー・ロングストレスさん(64)も今もときどき、自由の橋で星条旗を振る。「孫はもういない。だけど、ほかにも犠牲を強いられている兵士や家族がたくさんいるから。応援しないと……」
でも、わだかまりはある。イラク戦争が正しかったのかどうか、「その答えはまだ見つかっていないの」と言った。
レイクウッド市とその周辺で、キャンプ座間に第1軍団前方司令部ができることを知る人にほとんど出会わなかった。市長さえよく知らない。兵士の住宅など軍需に依存し、「大きな部隊の移転情報には、いつも注意を払っている」と言うピアス郡建設業協会元会長のリック・ブルナーさんも「聞いたことないよ」と首を振った。
春までイラクにいた現役の兵士(21)でさえ、「前方司令部の話なんて聞いたことがない。まあ、司令部は雲の上の存在だからね」と言った。
しかし、米軍関係者は、日本への前方司令部設置は重要な意味があると指摘する。
87〜89年に第1軍団司令官だったビル・ハリソン氏は「前方司令部は、司令部本体がいつ来てもいいように準備するための組織。極東の脅威に立ち向かうためには、当然の動きだ。イラクが落ち着けば、いずれ司令部は座間に移るのではないか」と予言した。
そして、続けた。
「極東アジアは今、政治的にも、経済的にも不安定になっている。日本が果たす軍事的な役割への期待は大きい。どこまでやるのか。それは日本が決めることだ」
(渡辺丘)
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