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(回答先: 続・イラク派遣の実像<3>空輸の実態 米兵の『タクシー』に(東京新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 8 月 25 日 13:22:19)
http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakimori/news/070329.html
クウェート空軍最大のアリ・アルサレム基地。
滑走路の端に航空機シェルターが四棟並ぶ。いずれも破壊されているのは一九九一年の湾岸戦争で、基地を占領していたイラク軍を米軍がピンポイント爆撃した痕跡だ。
天井に穴が開いたシェルターの前が航空自衛隊の駐機場。ブルーグレーのC130輸送機三機が置かれている。整備士の星野淳三曹(34)は「粉のような砂が入り込むので出発ぎりぎりまでエアコンを回さない。整備中の機内は七〇度にもなる」と話す。
シェルター近くには格納庫が一棟。過酷な環境から機体と隊員を守るため空自が建設した。その施設を米軍が使う。
二〇〇五年は真夏の六月と八月に合計四回、四日間から八日間にわたり、グレーに塗られた米軍のC130輸送機が入った。防衛省の担当者は「返してもらえばまた使えるのだから格納庫使用は無償」という。
この年は空自から二回、C130用の部品が米軍に提供され、逆に米軍からは七回、部品提供を受けたほか、機内のトイレを清掃する機器の貸し出しを四回受けた。
空自の“借り”で大きいのは、年間百四十キロリットルにもなる航空燃料だ。航空幕僚監部装備課調整班長の井上浩秀一佐(45)は「派遣人員は約二百人。米軍から航空燃料の提供を受けるのでこの人数で収まっている。何でも自前となれば要員が増え、空自の負担が増す」という。
日米間の貸借を可能にしているのは、日米物品役務相互提供協定(ACSA)だ。借りた物を同じ物で返すが、現金決済も認められている。
かつて日米間では、ハワイで行う環太平洋合同演習(リムパック)に限り、防衛事務次官通達で米軍への燃料提供を認めていた。その後、日米連携が強化され、一九九六年の日米安保共同宣言に合わせて、ACSAが締結された。
最初は日米共同訓練と国連平和維持活動(PKO)に限定されていたが、二回の改定を経て、周辺事態や日本有事、さらにはテロ特措法、イラク特措法といった自衛隊海外活動の根拠法にまで適用範囲が拡大された。
イラク派遣でACSAは早速適用され、陸上自衛隊がクウェートの米陸軍キャンプで宿泊や食事の提供を受け、空自のC130輸送機でイラク入りした後もアリ(旧タリル)で同じ支援を受けた。
実例をみると、イラク派遣は米軍との一体化なくして成り立たないことが分かる。空自によるイラク空輸の中身が米兵主体となる理由は、この辺りにもありそうだ。
アリ・アルサレム基地には韓国軍もいる。空自は「ACSAがないから格納庫や部品は提供していない」というが、防衛省の担当者は「イラク特措法に『物品の譲渡および無償貸し付け』の項目があり、韓国軍にも提供できる」と説明する。
同基地には格納庫のほか、宿舎、厚生棟など百二十三億円を投じた空自の建物が並ぶ。別の担当者は「自衛隊はいずれ撤収するから建物はすべて仮設物とみなされる。国有財産とはいえず“占領”には当たらない」という。
他国の基地の中に自衛隊が基地をつくり、あらゆる国の軍隊と連携する枠組みは既に確立されている。昨年十二月にあった自衛隊海外活動の本来任務化という自衛隊法改正は、実態に法律が追いついたにすぎない。
2007年3月29日
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