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文民統制の真相<3>米中枢テロ後 (東京新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo41/msg/187.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 8 月 24 日 20:38:17: 2nLReFHhGZ7P6
 

(回答先: 文民統制の真相<2>米軍支援を復興と強弁 (東京新聞) 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 8 月 24 日 20:34:41)

http://www.tokyo-np.co.jp/feature/sakimori/news/070821.html

制服組が政治家誘導

 二〇〇一年九月十一日の米中枢同時テロ直後、小泉純一郎首相の指示は極めて短かった。

 「無駄な時間を使わないように」

 対米支援を早急に打ち出したい強い意思が込められていた。

 古川貞二郎内閣官房副長官は内閣法制局に連絡し、自衛隊の海外派遣をめぐる法的問題を論議する会議に幹部を出席させるよう迫った。省庁や内閣官房が法案を作成し、法制局のチェックを受ける通常の手法では時間がかかるからだ。

 同月十五日午後、法制局次長に加え副長官補、外務省、防衛庁の幹部らがひそかに官邸の古川副長官室に集まった。

 「周辺事態法を適用すればいい」との声も出たが、派遣先に想定されるアフガニスタンやパキスタンを「日本周辺」とするには無理がある。会議は新法づくりに傾いた。

 官房長官だった福田康夫氏は「十七日に新法をつくる案が出てきた。公明党にも話を始めた」と振り返る。テロ発生からわずか七日目のことだ。

 外務省も動いていた。野上義二外務次官は十二日、省幹部に新法の原案づくりを指示。数日後、米国では柳井俊二駐米大使が米国務省でアーミテージ国務副長官と会談して、自衛隊派遣を求める公電を日本に送った。

 外務省の動きが、官邸のテロ特措法制定を呼び込んだと外務省OBは振り返る。

 「米国による対テロ作戦を支援する」という国内外の世論を追い風にした政治家や官僚たち。その裏側で、自衛隊は独自の動きを見せていた。

 陸上自衛隊の頭脳とも言える陸上幕僚監部の佐官たちは、制服を背広に着替え、ひそかに政治家詣でを繰り返していたのだ。陸自部隊のアフガニスタン派遣を求める自民党内の声に対し、派遣を思いとどまるよう説くことが目的だった。

 「武器使用基準が厳しすぎて、自衛隊は自分の身さえ守れない」。そんな話が永田町で広まるのに、時間はかからなかった。陸自派遣は見合わされ、海上自衛隊によるインド洋での洋上補給にとどまることになった。

 制服組が防衛庁(省)の背広組を飛び越えて、直接政治家に接触することはシビリアンコントロール(文民統制)の観点からタブーとされ、防衛省幹部は「絶対に許せない」と問題視する。

 ただ、制服組の行動は、海外活動に必要な条件整備を棚上げして、「日本の独自判断による海外派遣」を加速しようとする流れに無理があることを示している。

 当時の政府関係者は、制服組のロビー活動が政治決定を左右したとの見方を強く否定する。「世界貿易センターが崩れ落ちた衝撃が、それほど大きかったということだ」。福田氏は、こう回顧する。

 今年一月、欧州を歴訪した安倍晋三首相は北大西洋条約機構(NATO)理事会で、アフガニスタン問題などの解決に向け、「自衛隊の海外活動をためらわない」とスピーチした。

 しかし、防衛省にアフガン派遣を検討する動きは一切、みられない。陸自幹部はいう。「アフガンは内陸部にあるので補給に無理がある。治安も悪化している。派遣はまず、あり得ない」

 制服組が文民を誘導する「逆のシビリアンコントロール」。軍事常識を欠いているとの自覚からか、政治サイドは不思議なほど、耳を傾けるという。(肩書はいずれも当時)


制服組インタビュー インド洋派遣時の海上幕僚長 石川亨氏(62)

洋上補給6年 『哨戒』検討を

 「専守防衛の流れが変わった」と話す石川亨氏


 ――二〇〇一年の米中枢同時テロの直後、在日米海軍司令官と対応策を協議したのか。

 「在日米海軍司令官は深夜の電話で『海からのテロが怖い』と言った。当時、横須賀基地には空母キティホークが停泊していた。虎の子の空母がテロ攻撃を受けたら、大変なことになる。海上自衛隊で横須賀基地や佐世保基地の警戒・監視を強めた」

 ――その後、避難のため出航したキティホークを海自護衛艦二隻が護衛して、集団的自衛権の行使と報道され、首相官邸が激怒した。海自の独走だったのか。

 「海自に米艦艇を警護する権限はない。防衛庁で議論して、防衛庁設置法の『調査・研究』を根拠に出航させることにした。もちろん長官や事務次官も承知していた。官邸が激怒した理由はいろいろ推測できるが、追及しないことにした」

 ――誤解を生むような行動をとる必要はなかったのでは。

 「米国との信頼関係の問題だ。米国が攻撃された。日本が何もしないではすまされない。日米関係は対等といわれるが、実際には日本は米国なしでは生きていけない」

 ――〇一年十月にテロ特措法がスピード成立し、インド洋での洋上補給が始まった。海自が政府に提案したのか。

 「防衛庁で支援策を考え、官邸に示した。現行憲法下で一番適当なのが洋上補給だった」

 ――イージス護衛艦の派遣では自民党から反対があった。

 「マスコミに責任がある。イージス派遣をあたかも攻撃にいくかのように報道した。高い防空能力はいち早く、危険を察知して退避するのに役に立つ。説明は難しいものだ」

 ――現地では米軍との連携はうまくいったのか。

 「最初から情報交換はスムーズだった。インド洋で指揮を執る米海軍第五艦隊司令官から『そばにいてくれるだけでうれしい』と感謝された」

 ――この活動を続けるべきなのか。

 「洋上補給が始まって六年がたつ。緊急事態だったから無償で燃料を提供した。この活動が未来永劫(えいごう)でよいのか疑問はある。他国の艦艇のように哨戒活動にあたることも検討すべきではないか」

 ――テロ特措法の延長問題は臨時国会の焦点になる。

 「米中枢同時テロ以降、日本の専守防衛の流れが変わってきている。国際社会で応分の責任を果たさなければならない」

<記者の一言>

 インド洋での活動は特措法という日切れ法を、四度も延長するに値するのか。防衛省は活動の詳細を伏せたまま、延長が必要と主張する。“大本営発表”をうのみにはできない。

編集委員 半田滋

2007年8月21日

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