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(アッテンボローの雑記帳)
http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2007/08/post_a5ea.html
元自衛である佐藤正久参議院議員が、憲法では認められていないばかりか現政権ですら中々踏み込めないでいる集団的自衛権の具体的行使に繋がる「駆けつけ警護」をイラク駐留中に計画していたとJNNの報道番組に対して答えていることについて、多くの心あるブロガーが批判・弾劾の記事を掲載し、その声は日増しに大きくなりつつある。ここで問題になっているのは佐藤議員が文民統制を無視する傾向を持ち、それを承知で自衛隊の上層部がイラク派遣部隊の指揮官に任命したこと。更に帰国の際には国際法で禁じられている軍服着用で飛行機に搭乗したかったと発言するなど憲法も国際法も無視して民間人を危険に曝す人間である事を百も承知で参議院比例代表区から立候補させ、国公法で禁止されている公務員の職権を利用した政治活動であるにも拘わらず現職自衛官約24万人の組織票をもって当選させたことである。
注意しなければならないのは、佐藤正久という一自衛官の問題として捉えたり、軍人は功を焦って独走する危険を持っているという軍人・軍隊のみの問題として小さく捉えてはならないと言うことである。佐藤のような危険人物を昇進させ、イラク派遣部隊の指揮官に任命した人事その物に日帝支配階級の政治意図を見て取らなければならない。同時にその様な人物を公認候補とし、今日いけしゃあしゃあと「駆けつけ警護」があたかも正しいことであり、その事のためならば裁判で罪に問われても「堂々と争う」と嘯かせている自民党の本音、侵略戦争に直接荷担したいという願望を徹底的に批判する必要がある。
戦争は人間の意志を超越した天変地異のような現象であろうか? 小さな偶発的事件が積み重なってこじれた結果として弾み車のように拡大していくものであろうか? 実は断じて違う物である。プロシアの軍人クラウゼヴィッツが「戦争論」の中で見事に喝破しているように「戦争とは異なる手段をもちいた政治の継続である」のだ。戦争に繋がるそれ以前の政治がどの様に行われているかによって、戦争がどの様にして発生し、どの様な性格を持っているかが規定されるのだ。
では、日帝の政治意図とはどの様なものであるのか。参院選では安部自民党政権が大敗北を喫したために一時頓挫しているが、安倍政権は改憲を参院選挙の重要課題として取り上げた。現行憲法を改悪し、九条を削除もしくは大幅に改悪することを通じて「集団的自衛権」を容認させ、米帝と一体となってアジア各国への侵略戦争に全面的に打って出ようというものである。勿論既に日本は米軍に対する後方支援・軍需物資の輸送や補給という形態を取って現実の参戦国となっている。だが改憲を自民党に要求している日本経団連の様に最前線で軍事力を行使し実戦を戦える軍隊として侵略戦争を行うことが狙いなのである。佐藤発言はこのように日帝の階級意志・政治意図から必然的に現れた出来事なのだ。
単に小ブル平和主義的に「戦争反対」を言うのみでは日帝の全力を傾注した戦争国家作りとの対決に敗北することは目に見えている。何故なら小ブル的平和主義は、自分だけは危険な目に遭いたくないという傾向を色濃く持っているからである。戦前のように戦争に反対することはおろか疑問を呈しただけで「非国民」として国家権力の直接の弾圧と周囲の白眼視・迫害に晒された時に徹底して反戦を貫けるものが殆どおらず、大部分は転向して侵略戦争翼賛・戦争協力へと転落するのである。
経済侵略によって形作られた海外における権益を確保し、市場と資源の略奪を必要としているからこそ、日帝は米帝と共に侵略戦争への道をひた走ろうとしているのだ。アフガニスタンに対する侵略はロシアの勢力圏を避ける形でカスピ海沿岸の地下資源を輸送するパイプラインの建設のために必要だったし、イラクに対して広範な世論の反対を無視して侵略戦争に踏み切ったのは、イラクが石油代金の決算をドルからユーロに切り替えようとしていたことによってドルが基軸通貨から転落し、米帝の決定的没落に拍車をかけることに対する取り戻しとして行われたのだ。日帝は独仏をはじめとする欧州帝国主義との関係よりも、米英帝国主義と政治的・経済的・軍事的に密接に関わっている。だからこそドル暴落によって対米債務が紙くずになることや米帝の市場から排除されることよりもイラク侵略戦争に荷担する道を選択したのだ。
佐藤正久はその様な日帝によって思想教育され、その侵略思想を公然と体現することによって昇進し、イラク派遣部隊の指揮官となり、数々の政治発言を評価されたからこそ自民党公認として参院議員になったのだ。佐藤発言を一個人の問題としてとどめてはならない。日帝安倍政権の本音が佐藤の口を借りて飛び出したのだと言うことを徹底的に追及する必用がある。佐藤を議員辞職に追い込み、その勢いで安倍内閣退陣、自公連立政権打倒、解散総選挙を目指して闘おう。
佐藤正久参議院議員の過去の言動についてはとむ丸さんの記事が詳しいので紹介します。
「人生いろいろ、自衛官もいろいろ?」
http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-155.html
「“誇り”でだまされてはいけない」
http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-341.html
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