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http://www.janjan.jp/government/0704/0704163881/1.php
改憲に道を開く「国民投票法案」の参議院での審議が16日から始まった。憲法記念日の5月3日までに成立しそうな雲行きだ。
テレビ番組のキャスターが「60年安保の時代だったら、今ごろ国会はデモ隊に取り囲まれて大変なことになってますよ」などと、したり顔でコメントするのを耳にする。
1960年5月から7月にかけて、改定安保条約に反対する市民や学生数万人が連日国会を取り囲んだ。6月15日には国会に突入しようとした学生と機動隊が衝突、東大生の樺美智子さんが死亡した。
改定安保条約は参院の議決がないまま6月19日に自然成立したが、岸内閣は責任を取り総辞職している。
それから半世紀近くが経つ。当時と変わらず居丈高にそびえ立つ国会議事堂の前で「国民投票法案」の成立阻止を訴えて座り込みやハンストを続けている人たちがいる。60年安保で国会を包囲していた闘士などで作る「9条改憲阻止の会」だ。メンバーの中には構内に突入した猛者もいる。
3月20日から始めてこれまでにのべ200人が参加した。署名は500人近く、カンパは約20万円集まった。
筆者が取材に訪れたのは、間断なく雨が打ちつけ冬のように寒い日だった。メンバーはビニール合羽を身にまとったり、傘をさしたりしているが、雨は体までしみ込み体温を奪っている。
署名台の机には当時サン然と輝いていた「全学連」の旗が掛けられていた。日に焼け色あせた旗は、半世紀の歳月を感じさせた。
通りがかりの男性(40代)が署名台の上に置かれた数種類のビラに手を伸ばしていた。男性は「国民投票法案は問題があり過ぎる。投票率に最低ラインを設けなかったことで、有権者の20%しか賛成していなくても改憲できる。『アメリカが押し付けた』が今度は『少数者が押し付けた』になる」と憤りを隠さない。
取材を進めていると、国会包囲・突入時、前全学連委員長だった塩川喜信さん(72歳)が応援に駆けつけて来た。
塩川さんも法案に投票率の最低ラインが設定されていないことを問題にする。「少数でも改憲できる。右のほうが強ければ何でもありになっちゃう。遠い将来、核武装や徴兵制まで可能にしかねない」と憂う。
47年前に包囲した国会前で座り込み・ハンストを始めて間もなく1ヶ月が経つ。かつては敵対した“代々木”も、後の世代の“三派系”(※)も激励に訪れている、という。改憲阻止は路線や世代を越えた戦いとなりつつある。
岸信介首相(当時)を辞職に追い込んだ彼らが今、孫の安倍晋三首相が目論む改憲を阻止しようと戦う。歴史の因縁というしかない。
◇ ◇ ◇
※代々木とは、日本共産党系(本部が代々木にある)、三派とはいわゆる反代々木の新左翼セクト(共産同、中核派、社青同解放派)を指す(編集部)。
(田中龍作)
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