★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK29 > 1227.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
2007年01月21日
塩野七生が語る安保闘争
60年の安保条約改定反対闘争は一般国民をも巻き込んだ戦後の一大政治闘争であった。しかしこの政治闘争が70年代の学園紛争を最後に日本から消え去って久しい。
その一方で、小泉政権下で急速に進められた日米軍事同盟の深化は安倍政権において無条件に引き継がれ、米国の「テロとの戦い」に呼応した米軍再編への協力という100%違憲な政策が無気力に進められている。
安保改定反対やベトナム戦争反対の当時よりもはるかに深刻な事態が猛烈な勢いで進んでいるにもかかわらず、なぜかつてのような国民運動が起こらないのか。そんな疑問に、作家塩野七生(ななみ)が1月20日の産経新聞で少しばかり答えてくれた。
塩野七生はローマ史やマキャベリズムに造詣の深い歴史小説家である。司馬遼太郎の女版のごとくその作品は保守政治家や経営者などに好んで読まれているらしい。05年には紫綬褒章ももらっているくらいだから立派な体制派作家である。
その塩野が1月20日の産経新聞連載「私の肖像画」で自らの安保闘争参加の経験を次のように書いている。彼女が安保闘争に参加していたということ、しかも安保条約の何たるかも知らずにデモに参加したという正直な告白だけでも興味深いのであるが、次の記述はもっと面白い。全学連のデモ隊が首相官邸に岸首相を封じ込めた時のことをこう回想しているのである。
「・・・全学連の指導者が本気なら、一番先頭的な大学のデモ隊をそこへやるべきでしょう。ところが選ばれたのはもっとも穏健的といわれた慶応と学習院の学生ですよ。この偽善。私が左翼を信用しなくなったのはこの時からです・・・テレビや新聞の報道では、首相官邸の門が偶然開いて中になだれ込んだデモ隊と警官隊がもみ合いになった事になっていますがそれは事実と違う。私はこの目で目撃しているんです。向こうが本気で官邸を防衛しようとしたら、デモ隊を侵入させずにすんだ。ところが向こうはわざと門を開いてデモ隊をひき込んだのです。(罠だったと)そう思います。ところがマスコミは知ってか知らずか、その経過をまったく報道しませんでした・・・」
なぜ安保闘争のような国民的政治闘争が今の日本に起こらないのか。それについては多くの人が多くの事を語っている。しかし少なくともこの塩野の言葉に一つの真実がある。一般市民が一度は参加しようとしたほどの反戦運動への素朴な願いを、過激な活動家やイデオロギーを振りかざす革命気取りの連中が潰してしまったのだ。自らは国家権力の前に踊らされていたのもかかわらず。そしてマスコミが権力者側についてこの実態から国民の目を塞いだのだ。
彼らの罪は大きい。この誤りを再びおかしてはならない。国家権力にとって過激な政治活動家を取り締まるのは赤子の手をひねるようなものだ。国家権力が恐れるのは一般大衆の覚醒であり、蜂起である。その一般大衆の反戦のうねりを政治家が、活動家が殺してしまったのだ。マスコミが妨げたのだ。国家権力に立ち向かうはずの政治活動家やマスコミが、結果的には国家権力を利し、国家権力の最強の敵である一般大衆の力を殺いでしまったのである。この構図は今の日本にそっくりあてはまる。こんどこそ間違いを繰り返してはいけない。
いよいよ憲法改正が現実のものとなってきた。この動きを阻止できるのは既存の護憲政党や護憲政治家では決してない。一般国民の素朴な反戦の気持ちだ。憲法改正を阻止できるのは、護憲政党が叫ぶ国民投票法案の成立阻止などでは決してない。選挙で護憲政党の議席数を増やすことでは決してない。国民投票にNOの一票を投じる国民一人一人の「戦争はしたくない」という自発的な意思を広げていくことだ。それのみが政府の間違った方向を正せるのだ。
いつの日か改憲案が国民投票の形で現実に国民に突きつけられる時が来る。その時に日本に再び「政治の季節」が訪れる。おそらく戦後の政治史のなかで最後の政治運動が起きる時である。しかしそれを恐れることはない。拒否の一票を投じればいいだけである。既存の護憲政治家や活動家、政党、労働組合が主導する政治運動にしては決してならない。安保闘争の二の舞を演じてはならない。それでは到底勝つことは出来ない。憲法を守ることは出来ない。
憲法は、平和を願う一般市民の一人一人の心が引き起こす国民運動によってのみ守ることが出来るのだ。その国民の動きに政治家や政党がついてくるようにしなければならない。その結果として国民投票における過半数の国民の拒否を確保するのだ。すべてをここに集中する運動をしなくてはならないのだ。そのときこそ日本に市民革命が起きる時だ。
どのようにして国民の反戦の願いを糾合し一つの国民運動のうねりにまとめていけるか。これこそが残された唯一、最大の課題である。憲法を守りたいと考える人たちのなすべきことはその答えを考えることである。見つけてそれを実行に移すことである。決して共産、社民の議席を増やすことではない。第三勢力をつくることでもない。政権交代は日本の政治を変えるという意味で是非とも早急に行われなければならないと思うが、憲法改正阻止とは何の関係もない。
平和を願う人々が考えることはただ一つ、国民投票で国民一人一人が改憲に反対票を自発的に投じる、そういう国民意識の覚醒をどう実現するかということである。このことはいくら強調してもしすぎることはない。
The Last and Biggest political issue of Japan is whether Mr. Abe can achieve his ambition to abolish the Article 9 of Japan’s Peace Constitution in His Tenure
Anpo Toso, or the national movement of anti-US Japan Security Treaty , is the biggest political event in Japan’s post war history. As a matter of fact then Prime Minister Kishi, who gave birth to the current US Japan Security Treaty in 1960, is a grandfather of Mr. Abe and Mr. Abe told the episode that he parroted the call of “ Anpo Hantai”, or “ We are against US Japan Security Treaty”, without knowing the meaning of it in front of his grandfather because these words were so frequently heard all over Japan at that time.
Now Mr. Abe becomes Prime Minister and he declared to amend the Article 9 so that Japan can fully cooperate militarily with US.
In fact the issue of amending the Article 9 has been the long standing argument not only in Japanese post war politics but also among Japanese people themselves.
One of the reasons why Anpo Toso failed in 1960 despite the fact that so many Japanese people were against strengthening US Japan military alliance is that group of people who lead the movement, i.e. college students, labor unions and political parties, were so ideological and the public departed from that movement. It is so easy for the government to crack down such political group which lost the support of the public.
Japanese people will be facing soon with the last political choice when Mr. Abe will put the amendment draft of Article 9 in front of the public.The Japanese Constitution stipulates that majority affirmative votes are needed in the national referendum in order to amend the Article 9.
Indeed it is not the politicians but the people of Japanese who finally decide whether the Article 9 will be abolished or kept. Let's see whether the heart of peace loving Japanese people is strong and genuine enough to resisit the expected Japanese Government's strong intervention in the mind of individuals.
http://www.amakiblog.com/archives/2007/01/21/#000219
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK29掲示板
フォローアップ: