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憲法第36条では、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」と規定している。
一方、刑法第9条では、刑罰の種類を「死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。」と規定している。
このことから、刑法の規定が憲法に違反していないと考えるならば、死刑は「残虐な刑罰」にはあたらないことになる。
ここで思考実験をしてみる。私が犯罪を犯し、判決が下された。判決は、2つの刑罰のうち、自分で受ける刑罰を決めよ、というものだ。
1つの刑罰は「麻酔なしの片腕切断」。もう1つの刑罰は「死刑」。
私は迷わず麻酔なしの片腕切断を選ぶだろう。それは何故か。説明するまでもないだろう。だれでもたとえ麻酔なしの片腕切断であっても、殺されるよりは生きていたいからである。
殺される「死の恐怖」が「麻酔なしの片腕切断」よりもはるかに恐ろしいからだ。この点で死刑は受刑者に堪え難い恐怖心を生じさせる刑罰だ。これ以上はない恐怖心を与える刑罰という意味で死刑は最も残虐な刑罰ということができる。
一方、麻酔なしの片腕切断は現在の刑法では禁止されている。憲法が禁じている「残虐な刑罰」にあたるからだろう。
だとすると矛盾が生じてくる。受刑者がみずから進んで憲法の禁じている「残虐な刑罰」の方を選択するという行動をとる。刑法で規定されている死刑は、麻酔なしの片腕切断より「残虐な刑罰ではない」とされているにもかかわらずである。
このようなおかしな逆転が生ずるのは刑法の規定が憲法に違反し、憲法の禁じる「残虐な刑罰」に死刑を含めていないからだ。
考えてみてほしい。殺されるという刑罰が、憲法で禁じている「残虐な刑罰」にはあたらない刑罰なのかを。