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空耳板からのharuさんへのレスも含んだ投稿です。
下記のものを読みました。
私の議論へのスタンス【現代の若者には、多くの事が正しく伝承されておりません。】
http://www.asyura2.com/07/idletalk22/msg/408.html
投稿者 haru 日時 2007 年 2 月 07 日 18:43:12: tQR1Zy22P.JHM
文章が長いので、もしかしたら私の解釈に間違いがあるかもしれませんが、音楽史を通して文化のサイクルについて少しだけ書きます。haruさんがテーマになさっている(?)日本の伝統文化とは何かということについて、少しだけヒントになればと思います。
音楽史を見た場合、洋の東西を問わず、その歴史にはよく似た現象が見られます。サイクル現象とも言われるものです。それは外部からの新音楽の輸入の時期、成長期、最盛期、衰退期。そしてその国(または民族)固有の音楽は衰退期の頃、生まれるというものです(まさに春夏秋冬。人間の一生と同じ)。
日本の音楽の場合は、大雑把に言って;
1.縄文時代のサイクル
2.弥生時代のサイクル
3.仏教文化の影響を受けた音楽のサイクル
4.西洋キリスト教の影響を受けた音楽のサイクル
1.の場合は、インドネシア語やカンボジア語の流入に伴って、日本民謡の祖型の形成期
2.の場合は、稲作技術を持った揚子江江南からビルマ系言語に伴って、その後は漢民族や朝鮮民族の音楽の流入に伴って、日本民謡の形成期(和楽の形成)
3.の場合は、新羅、百済からの楽人や味摩之の来日、雅楽寮(音楽学校)などによって外来文化の学習の時期が最盛期となるが、10世紀の唐の滅亡によって遣唐使が廃止され、外来文化も衰退の時期を迎える。しかしこの後、催馬楽、今様、平曲、1400年ごろ「花伝書」などのいわゆる日本固有の伝統邦楽の形成期を迎える。そして江戸時代になって、これらの伝統邦楽は開花する。
4.の場合は、西洋文化の輸入の時期となり、1−3までのサイクルを経ながら、またいつか日本固有の文化へ移行する時期がくるのではないかと言われている。
西洋音楽については割愛しますが、それも同じようなサイクルを描いているという風に現在の研究ではなっています(現在の日本は欧米文化の最盛期? だとするとこれから衰退期に向かうでしょう)。
以上の音楽文化についての現象から、一般文化については、ごく大雑把に言って、以下のようなことがいえるのではないかと思います(文化人類学的考え方ですが)。
1.文化は時空を超えて伝播するものであり、世界中の民族文化は多かれ少なかれ他民族文化との混合文化である。
2.天皇家が日本文化の伝統を作ったのではない。
田楽、猿楽、狂言などの民衆文化が河原乞食によって伝えられていたのを、京都の公家あたりが召抱え、パトロンになって、宴などで楽しんでいるうちに、いわゆる「専売特許」のような形で、「自分の家だけで芸を独占する」というようなことが行われ、それが能、歌舞伎、茶道、華道の家元制度の形成へとつながっていった(書くと長くなるので簡単に)。彼らにとってはピラミッド型の搾取形態である「家元制度」存続のためにも、天皇、公家などの「ご用達」であることが必要不可欠であった。なぜならそれこそが彼ら家元の権威の証であるのだから。
3.本当にパワーのある民族文化というものは、時空を超えて、民衆から民衆へと伝播していくものである(西アフリカの伝統文化=音楽文化の力強さについては、以前も書いたことがあります)
「日本の音を聴く」「西洋音楽の歴史」「日本音楽史」などなどの文献と私の勉強より(雑談板ですので)