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(回答先: なにゆゑに田中角榮は總理大臣と成つたのか。サクラメンテの怪會談と云ふ謎 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2007 年 1 月 31 日 00:51:59)
立花氏は「田中角栄の金権批判」によって論壇デビュした。「田中角栄氏の業績見直し」は氏のジャーナリストとしての立脚点を大きく損ないかねないがゆえに、深刻な心的外傷を氏の内部に形成したであろうと想像される。いわばその意趣返しとも思えるのが下記の本である。「政治と情念」(立花隆、文春文庫、2005年8月、434頁)。立花氏は田中角栄ファミリのどす黒い情念を書いているつもりなのだろう。しかし、読み手には、立花氏自身の恨みのこもった情念とトラウマがそのまま書き連ねてあるのがこの本であるように思えてくる。読み進むのが嫌になるほどの田中ファミリへの悪罵の羅列である。
以下はロッキード事件の顛末(370−374頁)部分抜粋:
―ロッキード事件でさかんに流されるのがアメリカの謀略説ですが。
立花 この木村弁護人の本もそうだし、真紀子もよく唱える説ですがアメリカ謀略論を唱える人が皆依拠しているのが田原総一郎の「アメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄(1976年7月号、中央公論)」という論文です。これまた内容的には噴飯ものなんですが多少もっともらしい所があるため、田中信者はみんなあれを信じてしまっている。要するに、角栄が、中東、アフリカ、オーストラリア、ロシアなどを飛び回って独自の資源外交を展開し、自前のエネルギ源を入手しようとしたのが、日本のエネルギ市場を握るアメリカ石油メジャの怒りを買い、メジャの手先であるキッシンジャが謀略を仕組んだという話になってくるわけです。
あれが謀略だとする話の根拠としてすぐ出てくるのがロッキード事件を最初に暴いたチャーチ委員会に資料が実は郵便物の誤配で届いたという話です。そんなバカな話はありっこないからこれは謀略に違いないというわけです。だけど、むしろ謀略だとしたらそんなおかしな手を使うはずがないじゃありませんか。謀略機関が資料を相手に掴ませる手はいくらでもあります。大体、もし本当にチャーチ委員会にそんなものが誤配で届けられたとしたら誤配と気付いて、そもそも中を見ないで返送するだろうし、偶々開封したとしても同じでしょう。中を見てから誤配ときづいたのにこれ幸いとガメて資料として利用してしまうなんてことがアメリカ上院の調査委員会で起こるわけないでしょう。
そもそもあの謀略説がよって立つ郵便物の誤配事件というのは存在しなかったんです。それがなぜかくも安易に信じられてしまったのかというと、あのロッキード事件の衝撃的な第一報にそう書かかれていたからです。
(中略)
しかし、この「謀略説」ずっと後になって、チャーチ委員会に直接取材して書かれた。徳本栄一郎/ティム・シャロック(角栄の犯罪、25年目の新事実(文芸春秋、2001年8月号)で全くの事実無根である事が疑問の余地なく示されています。
取材者:「何故、ロッキード社の秘密資料がチャーチ委員下記に送りつけられたのか。一体誰がしかけたのか?」
委員会:「一体、何の話だ。我々の資料は真相を究明するためにロッキード社から正規の手順で入手した物だ。田中を追い落とす陰謀など無かったと断言できる」
取材者:「しかし、今でも日本では、田中が独自の資源外交を展開する事でアメリカを怒らせ、その結果、スキャンダルを流されて葬られたとする説が有力です。政府から、「田中を狙え」といった要請はなかったのか?」
委員会:「冗談ではない。上院の委員会は時の政権とは別物の独立した存在だ。私たちに「田中を葬れ」などと命令した人物は一人も居ない。全くありえないことだ」
角栄が資源外交に力を入れたことは事実です。そもそもあの程度の、成果のほども分からぬ資源外交で(岸なんか前から随分とやってます)、メジャがこの男将来危険だから今の内に総理大臣の座からひきずりおろしてしまえと謀略をたくらんでロキード事件のような事件を起こしますか。起こしたいと思ったとして起こせますか。大体どうやるんですか。ロッキード社をたきつけて田中に金を握らせるところからやるわけでしょうか。
(中略)
田中角栄なんてほんの一部です。事件全体のスケールはもっと大きいんです。あの事件は世界中数カ国にまたがるとてつもない広がりを持っ]前代未聞の航空機商戦の汚職疑惑なんです。国はイタリア、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、スエーデン、インドネシア、フィリピン、トルコ、イラン、メキシコ、コロンビア、ナイジェリア、サウディアラビア、などにまたがりひっかかった人間の中には、イタリアのアンドレオッチ元首相、オランダのユリアナ女王の父君、ドイツのシュトラウス元国防省、スエーデンの空軍司令官といった人まで含まれています。角栄の資源外交をつぶすためにそれだけのスケルの大きな事件を謀略としておこすなど不可能ということは、あの事件をグローバルに捉える目を持っている人には疑問の余地なくわかる事です。その関連でキッシンジャを持ち出すのも間違いです。キッシンジャは、日本への資料提供に抵抗する側にまわっているんです。それは、その当時それをちゃんと証拠立てる文書を入手して「週刊文春1976年5月20日号」が極秘文書発見「高官名公表を控えられたし」キッシンジャ国務長官よりレビ司法長官宛』として報道していることです。
(後略)この後立花氏は、田中氏の資源外交」なるものがガセネタでありその起源に言及している。通産出身の首相秘書小長啓一氏が「通産が主導する資源外交」が費えた事に腹を縦、悔し紛れにあることない事を言ったのだとしている。
=====以上引用終わり
投稿者のコメント:(1)立花氏が援用する資料は二つとも文藝春秋社発行の出版物であり他出版社による出版物での検証がされていない。
(2) 立花氏が言う、大掛かりな国際的航空機汚職にかかわった人間で一番の大物は、立花氏がどう小物に描こうとも現職総理大臣である田中氏であることは間違いない。
(3)委員会の当事者に「田中首相を葬れ」といった議論のありやなしやを問うたとのことであるが、当事者が「そういう議論をした」なぞという回答をするとは想像しがたい。
(4)レビ司法長官への極秘文書があるとのことである。内容が重大な内容のしかし、短くて済む連絡を文書でやり取りするとは思えない。そもそも、レビという名前はユダヤ十二部族の一つレビ族を連想させる。キッシンッジャ氏のお仲間ではないのか?