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(回答先: Re: なにゆゑに田中角榮は總理大臣と成つたのか。サクラメンテの怪會談と云ふ謎 投稿者 凡人 日時 2007 年 1 月 31 日 12:13:53)
(1)左翼に信頼の厚い五十嵐仁氏は標記著作を「我が意を得たり」と手放しでほめている。新潟県出身の進歩的知識人たるもの断じて角栄なぞを評価できないということか?
*****引用はじめ*****
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
大変、興味深い本を読みました。徳本栄一郎さんの書かれた『角栄失脚−歪められた真実』(光文社、2004年12月20日)という、ロッキード事件をとりあげた本です。
帰省中の1月2日、上越市のジャスコに初売りの福袋を買いに行きました。もちろん、私の趣味ではなく、姉の好みです。
途中、娘に乞われて、店内の本屋に行きました。文庫や新書、雑誌やコミックなどが中心で、単行本はほとんどありません。
店の入口に平積みされているのは、郷土に関連する本や謙信ものなどです。その一角に、田中角栄に関連する本も置かれていました。「角さん」の人気は未だ衰えず、というところでしょうか。
このとき、何冊かの角栄本を買いました。その一冊が、まだ刊行されたばかりだった徳本さんの本です。
目次を見て、中をパラパラめくったとき、「ああ、あの人か」と思いました。徳本さんは元ロイター通信の記者で、その後独立したジャーナリストです。
私がその名前を思い出したのは、拙著『戦後政治の実像』で、彼がティム・シャロックさんと一緒に書いた論攷「ロッキード事件無罪論を一蹴する機密資料! 『角栄の犯罪』25年目の新事実」(『文藝春秋』2001年8月号)を利用させていただいたからです。本書にもその一部が出てきます。
「総理大臣の犯罪」を暴き、田中逮捕に結びついたロッキード事件はあまりにも有名ですが、それが発覚した端緒はチャーチ委員会(米多国籍企業委員会)に ロッキード社の秘密資料が誤って配達されたからだという「誤配説」が唱えられてきました。このような「誤配」は通常では考えられず、田中角栄を失脚させる ために意識的になされたのだというのが、ロッキード事件アメリカ謀略説になります。
徳本さんらの論攷は、この説を完全に否定するものでした。大変説得力のあるもので、これを読んだときは是非本にしてもらいたいと思ったものです。
それが、ようやく本になったというわけです。一読して、「謀略説」は木っ端微塵に粉砕されたと思いました。
私自身は、すでに拙著第5章の3「ロッキード事件アメリカ『謀略説』の虚妄」で、このような「俗説」への反論を書いています。私が「虚妄」だと考えるに至ったのにはさまざまな理由がありますが、徳本さんらの論攷を読んだこともその一つになっています。
本書の冒頭で、徳本さんは次のように書いています。
本文をお読みいただく前に、現在、日本で流布しているロッキード事件陰謀説conspiracy theoryの主なものを紹介しておく。
●石油をはじめとする田中角栄の独自の資源外交が米国政府を刺激した
●同じくユダヤ系多国籍企業(ロックフェラー)の怒りを買った
●田中角栄の新中国・反米政策が米国を刺激した
●陰謀を発案したのは、ヘンリー・キッシンジャー国務長官らである
●陰謀を実行したのはCIAである
●陰謀の第1歩は、田中角栄を辞任に追い込んだ雑誌『文藝春秋』の田中金脈追及の記事である
結論から言えば、こうした陰謀説すべてが虚構だったというのが、筆者の結論である。(前掲書、19頁)
「そんなバカな、と思われる読者も多いだろう。だが、本書を読んでいただければ、この結論に至った理由を納得してもらえると思う」と、徳本さんは、自信 たっぷりに書いています。確かに、本書には最高機密とされる米政府の秘密文書などが豊富に用いられ、巻末には9点の重要文書が付録として掲載されるなど、 極めて説得力溢れるものとなっています。
本書によって、ロッキード事件アメリカ謀略説は最終的に否定されたと言って良いでしょう。このような説が生まれてきた背景についても、また、このような説によっていかなる否定的影響が残ったのかという点についても、本書は詳細に明らかにしています。
しかし、本書の意義はそれだけではありません。この点について、改めてもう少しコメントさせていただくことにしましょう。
引用終わり*****
(2)上記を鋭く批判するのは、たすけい党・党首「れんだいこ」氏(どういう経歴の方なのか不知)である。本論と直接の関係はないが氏の宮本顕冶論は、真のサヨを志す者の必読文献であろう。
*****以下引用
http://www.gameou.com/~rendaico/kakuei/rokiido_zikennomikata.htm
【徳本栄一郎ー五十嵐仁の御用漫談考】
元ロイター通信の記者の現在独立ジャーナリスト・徳本栄一郎氏は、ティム・シャロック氏との共著「ロッキード事件無罪論を一蹴する機密資料! 『角栄の犯罪』25年目の新事実」(文藝春秋、2001.8月号)に続いて、新たに「角栄失脚歪められた真実」(光文社 ペーパーバックス、2004.12.20日)を刊行した。
徳本氏は、本書の中で、これを否定する為に書いているのだが、「角栄失脚事件後遺症」に関して次のように記している。
「 なぜ日本の政治家 politicians は口をそろえて『アメリカに逆らったら、田中角栄みたいに潰される』と言うのだろうか? なぜ『CIAにスキャンダルを握られたらおしまい』と言うのだろうか? 1974年、金脈追及で退陣した角栄は、その2年後、米上院 Senate の小委員会で発覚したロッキード事件Lockheed Scandal で葬り去られた。この戦後日本最大のスキャンダル以降、『角栄はアメリカの逆鱗に触れた』という“アメリカ陰謀説”が流布 widespreadすることとなった。最初にこの説を唱えた田原総一朗から、石原慎太郎や中曽根康弘などの政治家に至るまで、今でもこの説を信じきっている。これが、現在の日本の対米追従の原因となっているのだ」。
(私論.私見) 「徳本氏の逆さま疑問」について 徳本氏は、冒頭で「ロッキード事件はアメリカの陰謀だったのか? 今、30年間の封印を解く。初公開の米外交機密文書、関係者インタビューを通して、『角栄失脚後30年のトラウマ』を解き明かす!」と述べ、末尾で「これは真実 the truth なのだろうか? 膨大な米外交機密文書と徹底した現地取材を基に、今、 その真実に迫る」として上記見解の否定に向っている。要するに、れんだいことは逆さまに疑問を持つ御仁らしい。 末尾の「最初にこの説を唱えた田原総一朗から、石原慎太郎や中曽根康弘などの政治家に至るまで、今でもこの説を信じきっている」とは、粗雑な見解だ。田 原総一朗はともかくも、石原慎太郎、中曽根康弘が「今でもこの説を信じきっている」様子を聞かせて見てくれ。れんだいこに云わせれば、田原はヌエ的な論評 をしており、石原、中曽根は角栄とは反目だ。まともな疑問を提起する訳が無かろうに。 2005.6.19日再編集 れんだいこ拝