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議論とは対等の立場で行なうものだからでしょうか。
その宿命的な帰結は何時の世も平行線です。
あくまで仮定の話として。
答えは既に出ているはずです。どこかで。
そうであるとして、それを如何に見出すか。
それは少なくとも対等を超えた未知の次元にあるからこそ、「答え」な訳です。
言葉の密度、速度、周波数からして噛み合わないほどの高次元かも知れません。
そこに向けたチューニングの焦点が偶然合って、その言葉を聞いたとしてもそれでは理解不能でしょう。
ですから議論では辿り着けない地点にあるとも言えます。
だからこそその高みを目差す前にすべき事があります。
勝てずとも負けない、自らの足場を確立すること。
敵に殺されては、師匠に合う事は出来ない。だから敗れるな。
これを肝に銘じた若き日に、花鳥風月に代えて詠った句があります。
「音も消し闇の地走る粉雪に吾生涯の仇敵見たり」
降雪の少ない地域では、前触れも無く降り始める夜更けからの粉雪というものは、翌朝意表を突く世界を出現させます。
雨戸を閉じた皆の深い眠りに付け込み、密やかに景色を白一色に塗り替えて行くその様と、隷属支配のための洗脳とがダブって見えたある朝。
こんな雪ひとつにすら気付かずに、彼らに敵うはずも無いと、情けない無力感に襲われました。
決して騙されぬ、洗脳されぬ、透徹した精神をまずは確保せねばならぬ。
正体も知れぬその敵の、どんな巧妙な罠が仕掛けられていようとも、敗れないためには?
何も解らないので、とりあえずは「この雪」に焦点を合わせてみたのです。
何ヶ月か経った頃、眠りの夢の中で、現実に降る雪に気付くようになり、四、五年はこの能力を維持していました。
この能力をシュミレーションとして達成したその次の課題。