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私は読売新聞の購読やめました〜「読売・世紀の誤報」と報道機関としての良心 2007/11/09
愛読していた読売新聞
私はここ何年か、読売新聞を愛読していた。読売新聞の報道スタンスにここ数年間、疑問を持ったことはなかった。
現在、長期連載中の「環境ルネサンス」は、私の特に大好きなシリーズだった。すでに連載回数は、160回(11月7日)を数えている。緻密な取材と分かり易い文体で、「眼から鱗が落ちる」ような事実に遭遇することも度々である。特に気に入ったものについては、ストックブックに綴じて参考にさせてもらっているほどだ。しかし、私は今月限りで、この新聞を当分読まないと決意してしまった。
現行の読売新聞については、販売店のサービスも親切で、何の不満もない。朝刊は早朝の4時前には、ポストに投函されているなど、大変な努力をしている姿に尊敬の念すら持ったこともある。
読売新聞不買の決断とその理由
そんな信頼をもって講読していた「読売新聞」を取らないことに決めたのである。このことは、特に誰に触発されて決めたことではなかった。実は、2日前(11月6日)に、契約の延長ということで、販売店の人物が来た時、妙な気持がこみ上げてきて、とっさに決めたことだった。
不読・不買の理由は、今回の「自民党と民主党の大連立というドタバタ劇」での読売新聞並びに、読売新聞会長で主筆を務める渡辺恒雄氏の果たしたフィクサー的役割についての素朴な憤りからだった。
そしてついに私は目の前の読売新聞の販売店の人にこう言ってしまった。
「あのー、大変心苦しいんだけど、今回読売新聞さんとは、契約をしません。いやできません。それは最近の、読売新聞のトップ渡辺恒雄さんのフィクサーの如き行動やそれを支えるような読売の政治記事の意図的な記事内容には、腹を据えかねるものがあるからです。
今回【連立は小沢さんから】と見出しにまでしているが、これは世紀の誤報ですよ。このことね。是非本社の方にも、ちゃんと伝えてもらって結構です。『読売新聞が、渡辺さんのような古い戦時中の体質をもった人物に牛耳られているようでは明日はないですよ』とね。どうか一日も早く、ジャーナリズム本来のあるべき姿を取り戻してください。そしたらこちらから必ず電話しますよ」
相手はびっくりしたようだった。少しして、がっかりしたように首をうなだれ、サービス品の洗剤の箱を小脇に抱えて戻って行った。少々情が移っていることもあり、かわいそうな気がしたが、今回の渡辺氏と読売新聞が行った行動については、たとえ、ねじれ国会の状況を憂いて行ったこととは言え、自民党政権の究極の延命策そのものを、読売新聞のトップと新聞社が一体になって、推進しようと世論操作まで行った疑いが濃い事件であり、到底許されるべきものではない。
そこで私は、抗議をする意志を込めて、「読売不買」を決めたのである。
ジャーナリズムとは何か!?
さて、読売新聞に限らず、ジャーナリズムとはいったい何であるのか。それは社会の不正を暴き、政治や経済があらぬ方法に暴走をしないための安全弁の役割を果たす「公器」である。
ジャーナリズムの意味をよく表している「ペンは剣よりも強し」という言葉がある。これは、イギリスの政治家にして小説家であったE.G.B・リットンの戯曲のセリフだ。この言葉の意味は、時にジャーナリストが発する言葉というものは、世論を動かし、戦争や社会的不正を抑止するほど強いものだということにあるかもしれない。日本には「言霊」という言い回しがあるが、これも人が発する言葉には、魂が宿るとされているものだ。
今回、読売新聞の不買を決めてから、色々とジャーナリズムについて考えさせられた。
確かに、日本のジャーナリズムには、苦い思い出がある。それは日中戦争が泥沼化する1940年10月に大政翼賛会が生まれ、それ以後、次々に言論機関である新聞社は弾圧されてしまった歴史だ。その結果、ジャーナリズムは政府の統制下に再編され、国家の不正と暴走を抑えるという本来の機能を完全に失ってしまったのである。
俗に言う「大本営発表」というあの響きを私たち日本人は、もう一度思い起こさなければならない。たったひとつ「大本営」が発表する一方的でねつ造された報道によって、日本人のほとんどは負け戦を連戦連勝の戦果を上げていると、ある時期まで信じ切っていたのである。
健全なジャーナリズムがない社会に未来はない。その意味で、読売新聞が再び内発的な自浄努力によって、日本社会において、読売を読まなければ、世界情勢も日本も見えて来ないと言われる本来の「読売新聞」に戻ってもらいたいと願うものである。
(平山通)
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