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(回答先: 好調欧州銀の死角前期決算から(上) 「投資家はこれ以上、何を望むのか」。 【日経金融新聞】 投稿者 hou 日時 2007 年 4 月 02 日 22:16:40)
好調欧州銀の死角前期決算から(中)独・スイス――富裕層の資産運用、追い風。2007/03/19, 日経金融新聞, 9ページ, 有, 1447文字
日経金融新聞
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https://www.nikkei4946.com/sub/np_p/F0110Subscribe.aspx?c=0N4V&bt=0
新興国頼みにリスクも
「二〇〇六年はすばらしい年だった。今年の成長にも自信がある」
ドイツ銀行のヨゼフ・アッカーマン頭取は〇六年の決算会見で、最高益となった業績についてにこやかに説明した。
ドイツ銀のほか、前期はコメルツ銀行、クレディ・スイスが最高益を更新。UBSは部門売却の影響で純利益が一三%減ったが、継続性のある金融事業をみると一九%増益となった。
市場取引が貢献
トレーディング、新興富裕層、リテール――。ドイツやスイスの主要行の前期決算は三つのキーワードに集約できる。
昨年の株式相場は五月以降に調整したが、ドイツ株式指数(DAX)は一年で二割強、ロンドンのFTSE百種総合指数は約一割、それぞれ上昇した。追い風を受けてUBSのトレーディング収益は七割伸び、手数料収入の増加と合わせて増益に貢献した。
新興市場国を中心とする富裕顧客層の増大も収益拡大を後押しした。“新興のお金持ち”がプライベートバンク業務で有名なドイツやスイスの大手銀行に続々と運用を委託しているのだ。
例えば、ドイツ銀の運用部門が前期に中国やインドなどアジア太平洋地域の顧客から受託した新規資金は約八十億ユーロ。新規の流入としては本国ドイツに次ぐ規模で「アジア太平洋地域が最も強い成長を示した」(アッカーマン頭取)という。
新興国の富裕資産を取り込むため、UBSやクレディ・スイスはブラジルなど中南米で買収戦略を進める。UBSのペーター・ウフリ最高経営責任者(CEO)はブラジルや中国、ロシア、インドについて「非常に魅力的な市場」と指摘。成長の原動力として期待していることを隠さない。
リテール激戦
地元ドイツやスイスのリテール(個人向け)業務も順調だ。コメルツ銀は新たにスタートした手数料不要口座などを通じて「昨年十月以降だけで九万人を獲得した」(クラウスペーター・ミュラー頭取)。〇九年までに八十万人を獲得する考え。ドイツ銀もノーリスバンクを買収し、一〇年までに顧客百万人の開拓をもくろむ。
ただ、競争も激化してきた。手数料無料化の動きに同調する銀行が出ているうえ、コメルツ銀が土曜営業の試行に動くなど、コスト負担増の影が忍び寄る。
世界的なマーケット環境の変化もリスク要因になりかねない。昨年五月の株式相場調整時には、投資家が株式売買を手控え、その影響が秋口まで残って七―九月期業績の重しとなった。新興市場国からの新規資金流入は細りつつあるともいわれる。
今年二月末から三月初めにかけての世界同時株安など最近の市場混乱がこうしたマネーフローに大きく影響するようなら、〇七年の業績の足を引っ張る可能性も否定できない。
新興市場国の経済成長への依存度が高まっている分、ドイツやスイスの銀行が抱える潜在的なリスクは高まっている。成長を維持するためのハードルは、経営陣が思うほど簡単にはクリアできないかもしれない。
(フランクフルト
=石井一乗)
【表】スイス・独主要銀の06年純利益
(カッコ内は増減率、%▲は減)
▽スイス(百万スイスフラン)
○UBS 12,257 ( ▲13 )
(うち金融の継続事 業) 11,249 ( 19 )
○クレディ・スイス 11,327 ( 94 )
▽ドイツ(百万ユーロ)
○ドイツ銀 5,986 ( 70 )
○コメルツ銀 1,597 ( 35 )
○ドレスナー銀 870 ( 90 )