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(回答先: ヨーロッパ金融大手・・・ 「東」が新たな成長の原動力 【日経ネット】 投稿者 hou 日時 2007 年 4 月 02 日 21:49:07)
好調欧州銀の死角前期決算から(上)仏・スペイン――国外、利益拡大の源泉。2007/03/16, 日経金融新聞, 9ページ, 有, 1317文字
日経金融新聞
¥5,036/1カ月 (内消費税¥239-)
http://www.nikkei.co.jp/ks/
小口激戦、国内は利ざや減
欧州大手銀行の業績が好調に推移している。けん引役は、投資銀行業務や国内外でのリテール業務などで、二〇〇七年も成長持続を予想する声が多い。ただ、金融市場の変調、景気減速の可能性などリスクも目立ち始めた。主要行の実績と課題を点検する。
さえぬ株価
フランスの大手銀行の株価に異変が生じたのは、二月末の世界連鎖株安より前のことだった。最大手BNPパリバの株価は二月十五日の決算発表を境に下げに転じ、現在は高値から一〇%程度低い水準。ソシエテ・ジェネラル(SG)株などでも同様な動きが起こった。
「〇六年十―十二月期の増益幅が事前のアナリスト予想を下回った」(仏ルモンド紙)ことが株安の引き金だ。BNPパリバの場合、十―十二月期の前年同期に比べた増益率は二九%と七―九月期を上回ったが、それでも市場の期待には届かなかった。増配など株主還元策も打ち出したが、市場は反応薄だ。
「投資家はこれ以上、何を望むのか」。同行のプロ最高経営責任者(CEO)はぼやくが、決算の中身に目をこらせば心配の種は確かにある。おひざ元の国内で利ざやが縮小しているからだ。
SGの十―十二月期の預貸金利ざやは七―九月期比〇・一ポイント低い二・七二%で、前年同期比では〇・三三ポイントも下がった。住宅ローンなどの融資拡大で金利収入の総額は増勢を維持しているが「競争激化で調達金利の上昇をそのまま貸出金利に転嫁できない」(経理担当)という。
リテール業務の変調は各行の純利益の伸び鈍化につながっている。十―十二月期の純利益の伸び率が七―九月期を上回ったのはBNPパリバだけで、ほかの仏、スペイン大手五行はいずれも伸び率が低下した。仏では住宅市況にすでに一服感が出ており、住宅融資の増加も早晩、減速は必至だ。
スペインでは高水準の住宅建設が経済を引っ張っているが「いずれ不動産バブルが崩壊する」(大手米銀)との声が多い。
住宅頼み懸念
投資家が懸念を強めているのは、環境変化にもかかわらず、各行が不動産事業への傾斜を強めようとしている点にある。「他国より低い成長に甘んじる仏で利益を上げるには工夫が必要」(SGのブトン会長)というが、不動産関連企業の買収、系列の消費者金融を通じた住宅ローンの供給多様化など各行の戦術にそう大きな差はない。
こうしたなか、成長エンジンとしてなお力強さを見せているのが国外事業だ。
スペイン大手銀ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)の〇六年の純利益の地域別内訳は「メキシコ・米国」が三五%で、「本国(スペイン・ポルトガル)」の三〇%を上回った。「その他南米」部門を合わせると利益の半分近くを米州のリテール業務で稼ぎ出した計算だ。
BNPパリバでは昨年傘下に収めたBNL(旧イタリア国立銀行)が〇六年十―十二月期の税引き前利益ベースで二億ユーロの利益を計上した。
国外業務が利益貢献する間に、競争が激しさを増す国内の収益力をどう高めるのか。タイミングよく成長エンジンのバトンタッチができるかどうかが今年の課題だ。
(パリ=野見山祐史)
【図・写真】仏銀は国内リテールの収益力強化が課題(パリのクレディ・アグリコル支店)