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(回答先: 1999年6月18日国内初の臨界事故隠し(バケツ臨界の3ヶ月も前)志賀原発1号機、保安院が停止指示 投稿者 へなちょこ 日時 2007 年 3 月 16 日 09:08:07)
<志賀原発臨界事故>重大ミス重なる
3月16日3時5分配信 毎日新聞
北陸電力志賀原発1号機で、臨界事故隠しが発覚した。事故そのものが「想定外で重大」(経済産業省原子力安全・保安院)な上に、隠ぺい行為が重なっている。どんな事故で、なぜ起きたのか。そして、隠ぺいの背景にある、北陸電力の社内風土はどうだったのか。【高木昭午、大島秀利、河内敏康】
◇マニュアルも誤記
事故は核反応のブレーキ役である制御棒が抜け落ちたことで起きた。
1号機には89本の制御棒があり、それぞれ水圧による駆動装置がついている。事故直前はすべての制御棒が炉に挿入され、核反応は完全に止まっていたが、事故時は、制御棒の試験の準備のため、各駆動装置に2個ずつ計178個ついた弁を、次々に閉める操作をしていた。
しかし閉める順序に問題があり水圧のバランスが崩れ、駆動装置が異常に働いて、制御棒3本が抜けた。事前に別の弁を開けておけばバランスを保てたが、作業マニュアルはこの弁を「閉める」と誤った記述をしていた。
さらに緊急停止装置も働かなかった。緊急停止装置は制御棒を窒素の圧力で炉に挿入する。しかし、この日は以前に実施した制御棒の別の試験のため、各制御棒用の窒素をすべて抜いてあった。
同社は「すべての制御棒の窒素を抜いて、緊急停止装置を無力化するのは現在は規則違反になる。JCOの臨界事故後に明文化された規則だが、当時でもやるべき行為ではなかった」と説明する。
志賀原発1号機など沸騰水型原発は、もともと制御棒が「泣きどころ」と指摘されてきた。加圧水型原発の制御棒が上から下へ入れる構造になっているのに対し、沸騰水型は重力に逆らって下から上へ向かって差し込むためだ。
制御棒の抜け落ち、緊急停止装置の無力化に加え、今回は放射能を封じ込める二つの「ふた」が開いていた。原発では、核燃料は鋼鉄製の原子炉圧力容器に納められ、さらに外側には鋼鉄製の原子炉格納容器がある。その二つの容器のふたが開いた状態だった。
今回の事故では、中性子を遮へいする効果がある水が原子炉内に満たされ、放射能の漏出もなかったとされる。しかし、二重の閉じ込め機能がなかった条件下で、京都大原子炉実験所の小出裕章助手(原子核工学)はもっと深刻な事態になっていた可能性を指摘する。具体的には、(1)核燃料のピンホール(小さな穴)などの破損がもともとあった場合(2)引き抜かれた制御棒がもっと多数で核反応が盛んになった場合(3)制御棒の手動による挿入がもっと遅れた場合――を挙げ、「核分裂に伴い生成する放射性ガスが漏れ出たり、核燃料が溶融して大事故につながることも考えられる」と説明している。
◇臨界 原子核の分裂が連続して起こる状態。原発の燃料のウラン235は中性子が衝突すると核分裂し、新たに複数の中性子を放出する。それが周辺のウランとぶつかって連鎖反応をもたらし、大きなエネルギーを出す。原発では原子炉内で生成される中性子を制御棒に吸収させて臨界を制御し、出力を調整する。臨界事故は、この制御が利かなくなった状態。
これまで確認されている臨界事故は99年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で発生した。高速増殖炉実験炉「常陽」に使う高濃縮ウランを製造していた際、作業員がバケツでウラン溶液を大量に沈殿槽に注ぎ込んだのが原因で、2人の作業員が被ばくで亡くなった。
◇所長ら会議で隠ぺい…社内調査で発覚
事故発生時、1号機の中央制御室に緊急停止信号を示す警報音が「カーン、カーン」と甲高く響き、赤ランプが光った。だが、停止装置は働かない。当直長は全館放送で、弁の操作をしていた作業員の名を呼び「(開いた)弁を元に戻せ」と指示した。作業員は弁を閉め、炉は、警報から15分後に止まった。
同社の調査によると、事故直後の未明、発電所長らが会議を開き、事故を報告しないことを決めた。隠ぺいの動機について同社は「4日前に同じ1号機で非常用ディーゼル発電機のひび割れが発覚、その対処で所員は疲労困ぱいしていた。トラブル続きだと地元の信頼を損なうと考えたのが一因」と説明する。
一方、永原功社長は15日の会見で「発電所内だけで処理し、上には黙っていようという雰囲気があったのではないか。原子力の技術者は、素人の上司に相談しても分からない、という意識があるようだ」と話した。
今回の臨界事故の隠ぺいは、技術系社員数百人を対象にしたアンケートでの一社員の指摘から発覚した。また、原子炉で核分裂が起こっていることを示す中性子量の上昇を記録したモニターに社員が手書きで「点検」と書き、臨界事故を隠そうとしていた証拠があったこともわかった。
国の電力各社への指示に基づき、同社が今年1〜2月、改ざんなどについてアンケートしたところ、1人の社員がこの秘密を告白。関係者からの聴取などで今月11日ごろ、問題が発覚した。
◇保安規定違反で運転停止処分も
原発をめぐっては、東京電力で2件、東北電力で1件、原子炉の緊急停止を国に報告せず、隠ぺいしていたことが発覚するなど、トラブル隠しが次々に明らかになっている。保安院が昨年11月、各社に不祥事を過去にさかのぼって、報告するよう指示したからだ。
原子炉等規制法に基づく報告義務違反の時効は3年で、緊急停止隠しそのものは時効だが、臨界事故隠しは、報告義務違反のほか、同法に基づく保安規定に違反する可能性がある。
保安規定は緊急停止後の原因調査や停止後の再起動に発電所長の承認を得ることを求めている。しかし北陸電力は今回、いずれも行っていなかった。保安規定違反は行政処分の対象で時効はない。保安院が、安全確保を目的とした原子炉の運転停止処分を科すことも可能だという。【池内敬芳、花牟礼紀仁】
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