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(回答先: 屈折している「リチャード・ヴェルナー」評 投稿者 仁王像 日時 2007 年 7 月 22 日 18:03:32)
私もリチャード・ヴェルナー氏には興味を持って著作を読みました。事実かどうかは不明ですが、「円の支配者」で80年代後半まで窓口指導を行っていたなど興味深い記述もありましたが、氏は肝心の個所をぼやかしているなど不明瞭な点があり、理論的にも日銀などのそれとも、主流金融論のそれとも相容れないものであり、「トンデモ」といわれても仕方がないように思われます。
以前にも投稿したのですが、
http://www.asyura2.com/07/hasan50/msg/274.html
現代の中央銀行の経済全体に対する影響力を過大評価する方が多いように思います。確かに初期のイングランド銀行のように、企業に対して直接貸し出しも行っていた時代の中央銀行や、発展途上国で国債等を引き受けさせられている中央銀行などは絶大な影響力があることは確かでしょう。日銀も終戦後から1970年代まではかなりの影響力がありました(一万田総裁の『ぺんぺん草発言』といったものもありました)。しかし現在日本の市中銀行は全行預金超過ですし、金融調節の手段も短期金融市場でのコールレートをある金利に誘導するように信用供与したり引き上げたりする、先進国の中央銀行では標準的な市場型の方法を採用しているわけで、以前のような影響力は持っていません。
最終的に企業なり個人に貸し出しするかを決定するのは、日銀ではないのです。
※何も中央銀行のように目立つ(多くの金融市場参加者や世界中に中央銀行ウォッチャーがいる)ところで陰謀めいたオペレーションをやるより、自由な市場で金融テクニック(金融詐欺ともいえる)を駆使した方がばれにくいじゃないですか。いつまでも大昔のイメージにこだわっていると、いま起こっているより重要なことを見落とすのではないでしょうか。