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(回答先: Re: れんだいこのカンテラ時評354【日本左派運動再生へ向けてのれんだいこ提言2 投稿者 こげぱん 日時 2008 年 1 月 18 日 23:47:56)
れんだいこのカンテラ時評356 れんだいこ 2008/01/17 11:01
【提言3、国有化経済理論を否定し、戦後日本に結実した市場性社会主義経済論に転換せよ】
日本左派運動に対する「提言1」で、民族主義的土着型運動を指針させ、「提言2」で、戦後憲法及びその法秩序の評価の理論的見直しにより、護持成育発展を指針させたが、「提言3」として、「国有化経済理論を否定し、市場性社会主義経済論に転換せよ」を指針させる。これも議論を呼ぶところであろう。
日本左派運動は明治維新過程の自由民権運動の失速以降マルクス主義を導入し、今日まで長らく理論的主柱としてきた。マルクス主義の功罪の総合的研究はさて置き、ここでは次のことを指摘しておく。俗流派が拝戴し教条としてきた国有化理論をマルクス主義のミスリードと認め、これを否定すべきではなかろうか。マルクス主義的経済体理論は本来、国有化論を本質としておらずく、正しくは社会化理論であったと理解すべきではなかろうか。
これを夙に早くより指摘していたのは広西元信氏であった。広西氏は、1966.12.1日初版で「資本論の誤訳」(こぶし書房、2002.3.30日再初版)を世に問うている。同書で、所有と占有概念の違いを識別し次のように指摘している。概容「マルクスは、占有概念で社会主義社会を透視していた。マルクスの言説の中に国有化概念は無く、むしろ資本主義的株式会社を労働者の生産管理的方向(アソシエーション)へ発展させる必要を遠望していたこと。その限りで、ロシアのスターリニズム的国有化政策指導は何らマルクス主義的でないどころか、反対物である」。。(もう少し詳しくくは「市場性社会主義論について」
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/jinsei/marxismco/marxism_shijyokanriron.htm
で言及している)
この広西見解は長らく無視されてきた。しかし、ソ連邦が崩壊し、「市場主義的社会主義論」が生み出されつつある折柄にあってはその先見の明を高く評価されねばならない、とれんだいこは考える。レーニンが晩年に気づき指針したネップ理論は大いに検証されねばならないと考える。れんだいこは、広西氏のアソシエーション理論は「市場主義的社会主義論」の一形態とみなすが、最近はしゃいでいる日共不破の「レーニンと市場経済」で見せた市場主義的社会主義もどき論となるとどうだろうか。単なる現下資本主義の修正主義でしかない。
不破理論の特質はいつでも、問題の在り処を探る才には長けているものの、その考究と称して幅広い知識を提供するところは良い。しかし結局は、マルクス、エンゲルス、レーニンらの言説を捻じ曲げつつ有害無益な右派的理論に到達させてしまうのがいつもの遣り方である。従って、不破理論に対しては、知識を得るところと見解を押し付けられるところとの境目をはっきりさせ、知識を検討し不破見解は却下させねばならない。不破見解を鵜呑みにするとあらぬところへ誘導される。彼はこの手のマジシャンである。
国有化論的全産業、業種の生産及び流通結社の国有化は俗流マルクス主義政策であり、正しくは官民棲み分け及び重要産業に於ける基幹的官営企業による官的采配とそれを取り巻く民営企業との正しい連携こそ、本来の社会主義的経済体理論であったと窺うべきではなかろうか。
興味深いことに、戦後憲法秩序に於ける重要産業及び分野に於ける親方日の丸企業とその衛星的民間企業、その他産業及び分野に於ける民営化こそが、本来の社会主義的経済対理論であり、戦後経済秩序はこれを地で執り行っていた素晴らしい制度であった事になる。そういう意味で、最近の親方日の丸企業の徒な民営化は逆行であると云わねばならぬ。中曽根−小泉的民営化路線は、この観点からも批判されねばならないところだろう。
以上より、「日本左派運動は、切り開く社会像として社会主義的国有化理論を否定し、戦後日本に結実した市場性社会主義経済論に転換せよ。これを第三指針とする。これを第一指針の民族主義的土着型運動、第二指針の戦後憲法秩序をプレ社会主義のそれと認識し護持成育せしめる運動と結びつけよ」を指針する。これを「第三提言」としておく。
2008.1.17日 れんだいこ拝
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