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ヤンゴンの武力弾圧徹底、デモは最盛期の10分の1以下に【読売】
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070928i114.htm?from=navr
ヤンゴン市内の街頭で鉄条網を張り、デモの警戒にあたる治安部隊=AP 【バンコク=田原徳容】ミャンマー軍事政権は28日も反政府デモに対する武力弾圧を徹底し、最大都市ヤンゴンの市民によるデモは数千人程度と最盛期の10分の1以下にまで激減し、一気に鎮静化に向かった。
軍政は部隊を追加投入して態勢固めを進めており、事態を完全に収束させる構え。僧侶は表舞台から消え、市民だけでは統率がとれず、デモが再び盛り上がる気配は薄れてきた。軍政は、国際的な批判にもかかわらず、支配力を強めている。
在ヤンゴンの消息筋などによると、連日のデモ拠点となっているスーレ・パゴダ付近では、2000〜3000人規模で市民が集結したが、盛り上がりを欠いたまま同日夕までに解散した。発砲や警棒による殴打などは引き続き行われ、数十人が負傷した模様だが、弾圧開始以来最少にとどまる見込み。ゴム弾など新たな武器類の使用も見られた。
ヤンゴンでは、デモの拠点となったパゴダ(仏塔)や主要道路など市民の集結拠点がほぼすべて封鎖され、一方で、辺境地の部隊が続々と市内に配備された。拘束された僧侶らは市中心部から北に離れたグラウンドなどで監視下に置かれているとされ、付近の道路は厳戒態勢がしかれた。在ヤンゴンの外交筋は、「警備を強化し続けることで都市機能を支配し、デモの機運を完全にそぐつもりだ」とみている。
ほとんどの一般市民は、オフィス街で午後6時の帰宅を強制され、武装兵士による住宅街の頻繁な巡回に神経をすり減らしている。さらに、インターネットの遮断など軍政のメディア規制の徹底で十分な情報も得られず、「200人以上が殺された」など不安感をあおる情報に惑わされ、「行動が消極的になりつつある」(外交筋)という。
また、軍政は、街宣車で「デモ参加者は出頭を」と呼びかけ、かくまった人も処罰する姿勢を示すなど、デモを完全に根絶やしにするため不満分子を一掃する強硬策も進めており、民主化はさらに遠のきそうだ。
デモで主導的役割を果たしてきた僧侶は、27日までの一斉拘束で完全に封じ込められ、24、25日に10万人規模となったデモの再現を果たす機会を失った。ヤンゴンを中心に各地の僧院は破壊または軍部に包囲され、機能停止に陥った。軍政に次ぐネットワークを持つとされる僧侶の力が低下する可能性もある。
(2007年9月28日21時54分 読売新聞)