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□【パナマで被害相次ぐ】中国産毒性物質、風邪薬として売られていた [朝鮮日報]
記事入力 : 2007/05/07 11:24:18
中国産毒性物質、風邪薬として売られていた
パナマで被害相次ぐ
昨年9月、パナマシティーの公衆病院に特異な症状の患者らが押し寄せた。この患者らは、身体の一部の機能が停止または麻痺し、呼吸困難に陥った患者までいた。死亡者も続出したが、はっきりとした病気の原因は分からないままだった。
唯一の手がかりは、患者らが風邪シロップを飲んだ後に特異な症状を見せ始めたという点。ついに米国の医療陣までもが急きょ派遣され、1カ月余りの調査の末判明した原因は、風邪シロップに含まれていた「ディエチレン・グリコール」だった。産業用に幅広く使用されているこの化学物質は、食用が禁止されている毒性物質。現在までに申告された死亡者数は365人で、このうち当局の調査で確認された死亡者数は100人余りに達し、大部分の被害者は母親が与えたシロップを飲んだ幼い子供たちだった。
さらに問題の風邪薬は、政府が配布したものだっただけに大きな衝撃が走っている。昨年5月、パナマ保険当局は長期にわたる雨期を控え、26万本の風邪シロップを製造・配布した。
ところで、政府が配布した医薬品に毒性物質が混入するなどということが、なぜ起きたのだろうか。
その最大の原因は中国で製造された偽造薬。米紙ニューヨーク・タイムズは6日付で、中国で製造された毒性物質が、どのようにして地球の裏側のパナマに風邪薬と偽って流通したかについて、そのルートを追跡、報道した。
当初、パナマ当局が風邪薬の材料を調達する際、シロップビンに記されていたのは、せき止め薬や解熱剤によく遣われる「グリセリン」だった。しかし、グリセリンは価格が高いため、一部の悪徳業者らは、価格が半分程度の産業用「ディエチレン・グリコール」を使用することがあるという。
こうした毒性シロップは、これまでにもハイチやバングラデシュ、アルゼンチン、ナイジェリア、インドなど、世界各地で発生した多くの毒物・劇物集団死亡事件の原因として推定されてきた。しかし、毒性物質の出どころは現在まで謎に包まれていた。
ニューヨーク・タイムズは、パナマ事件に関連する書類と役人らの証言を通じ、この毒性薬品の出どころを逆追跡して行った。その結果、パナマ・コロン港を通じて輸入された偽造の「99.5%純粋グリセリン」薬ビンが、北京の貿易会社とスペイン・バルセロナの貿易会社を経て輸入されていたことが判明した。偽造シロップは、アジア、欧州、中米の3大陸を経て売買されたが、この間書類だけを交わし、誰も薬の内容をきちんと確認していなかったことも明らかになった。
そして、この偽造薬を製造したのは、上海近郊の恒cに位置するある化学薬品工場だった。工場が位置する揚子江三角州工業団地では、無許可の偽造薬品製造工場らとブローカーらが公然と活動している、とニューヨーク・タイムズは暴露した。
ニューヨーク・タイムズは、今回のケースが▲中国製商品が世界市場で占める比重に比べ、安全に関する規制がどれほど遅れているか、▲国家間の通関・検疫手続きが偽造薬品の流通にどれほど無力なのかを示す代表的なケースと指摘した。
全炳根(チョン・ビョングン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS