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12月17日(月)
日曜のサンデープロジェクトが新聞のテレビ欄で「韓国燃ゆ!大統領選で政権交代か」との予告を出していましたが、これほど盛り上がらない韓国の大統領選挙はかつてありませんでした。少なくとも、国民投票による直接選挙に移行した1987年から2002年までの過去4回の選挙に比べると、内外の関心度は比べものにならないほど低いです。それも当然で、投票を待たずして、ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)候補に決まったも同然だからです。
直前の各紙の世論調査を見ますと、朝鮮日報では李明博候補の支持率が45.4%。2位の与党=大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補が17.5%、続いて無所属の李会昌(イ・フェチャン)候補の13.6%となっています。中央日報では、李明博候補が44.7%、鄭東泳候補が15.7%、李会昌候補が13,1%で、中道候補の李明博候補が圧倒的に有利です。絶対にあり得ないシナリオですが、仮に2位の左派候補と3位の右派候補が連合したとしても、ほど遠く、追いつきません。
李明博氏への支持は、選挙前、それも昨年から続いています。慶尚道出身候補としては全羅道でも過去最高の支持を得ており、また、今回は最大の労働組合の韓国労組からも支持を取り付けています。日本に例えますと、民主党支持母体の連合が自民党支持に回るようなもので、これでは鄭候補に勝ち目はありません。前回、与党候補の盧武鉉大統領を支持した20〜30代も今回は野党候補の李明博候補支持に回っています。
投票日を3日後に控えた昨日、最後のテレビ討論会で他候補は一斉に李明博候補を攻撃していました。李明博氏の株価操作疑惑を追及し、「国民をだまして、どうやって国を導くというのか」(鄭候補)「真っ赤な嘘をつく人がどうして国家指導者になろうとするのか」(李会昌候補)と、李明博氏に立候補辞退を迫っていました。無駄な抵抗のような気がします。
むしろ、これからの関心は、来年2月に発足する李明博政権が政治報復をするかどうかです。韓国は、後任の大統領が前任者を裁くという「慣例」があります。
盧泰愚政権下で盟友の全斗煥前大統領が山寺に追われ、金泳三政権下では盧泰愚前、全斗煥元大統領が逮捕され、無期懲役及び死刑を宣告されました。また、金大中政権下では金泳三前大統領の次男が逮捕され、刑務所に送られました。
来年は、韓国最大財閥サムソングループの不正資金疑惑(サムソングループによる政界・官界ロビー工作疑惑)がマグマのように噴出するかもしれません。すでにサムスングループ不正資金疑惑関連の特別検事も任命されています。
盧武鉉大統領も2002年の大統領選挙資金との関連と「当選祝い金」の疑いがかけられております。賄賂を授受したのかどうか、特別検事が捜査し、真相を解明します。黒ということになれば、逮捕という最悪の事態も想定されます。
また、金大中元大統領にも2000年の南北主脳会談の際に北朝鮮側に支払ったとされる莫大な裏金疑惑があります。
李明博候補を担ぐハンナラ党は「失われた10年」を合言葉に、金大中―盧武鉉と2代続いた左派政権の「不正」を徹底的に暴くと息巻いていますが、来年4月に予定されている総選挙で国会の過半数を占めて、それが初めて可能となります。大統領選挙よりも、注目すべきは、むしろ来年の総選挙のようです。