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□どうして知事が相次いで逮捕? [NHK週刊こどもニュース]
http://www.nhk.or.jp/kdns/_hatena/06/1209.html
どうして知事が相次いで逮捕?
'06/12/09 放送
宮崎県の知事だった、安藤忠恕(あんどう ただひろ)容疑者が、談合(だんごう)に関係していた疑(うたが)いで、きのう逮捕されました。
談合にからんで逮捕された知事は、福島県、和歌山県に続いて、これで3人目です。
どうしてこんなに知事が相次(あいつ)いで逮捕されるのか。きょうは、これについて考えます。
まず、談合についておさらいをしておきましょう。
たとえば、県が橋などを作るとき、県はその仕事はできないので、会社に頼みます。
工事にかかるお金は私たちが納める税金。だから県は、なるべく安い値段で仕事をしてくれる会社にしたいと思います。
そこで県は、「いくらでできるか」といって、会社どうしで競(きそ)わせます。会社は工事をしたいと思うので、なるべく安くしようと努力しますよね。
その結果、県は、一番安い値段で、ちゃんとした仕事をできる会社に工事を頼むのです。たとえば、工事は2億円できました。
こうしたやり方を入札といいます。
ところが、会社どうしがこっそり相談してズルをすることがあります。入札をじゃまするのです。これが談合です。
たとえば、会社どうしで話し合って、「今回はA社が3億円で工事を引き受けることにしよう」と決めます。入札の結果は、話し合ったとおりです。実際は2億円でできる工事なのに、これだとA社が1億円もうかりますね。
同じように次はB社が、その次はC社と自分たちだけがもうかる仕組みです。工事に余計にお金がかかるわけですから、これは税金のムダづかい、法律違反(ほうりつ いはん)なのです。
* *
この談合に知事が関係している事件が相次いでいます。
宮崎の安藤前知事の場合は、選挙を応援(おうえん)してくれたお礼に、ヤマト設計という会社を談合のメンバーに加え、ほかの会社には「ヤマト設計に仕事をさせるよう」指示(しじ)した、という疑いがもたれています。
知事というのは都道府県の役所のトップ。大きな力を持っています。
最近は地方分権(ちほう ぶんけん)といって、国の仕事を県などが行うことが増え、さらに力が強くなっています。
だから、知事のいうことは、だれも反対できません。都道府県のトップが言ってくるので、これを「天の声」といったりします。
3人の知事が相次いで逮捕されましたが、この他にも全国で市長や町長などが、談合事件で次々に逮捕されています。
どうしていま談合事件が続いているのでしょう。
実はその背景(はいけい)に、独占禁止法(どくせん きんし ほう)という法律が、今年の1月から変わった、ということがあるといわれています。
なぜ変わったかというと、「税金のムダづかいは許さない。そんな法律違反は取りしまってほしい」という国民の声が、最近高まってきたからです。
取りしまるには情報が必要です。でも、談合は仲間同士でやるので、なかなかばれないのです。
談合をチェックする国の役所に、公正取引委員会(こうせい とりひき いいんかい)があります。
これまでは「あやしい」と思っても会社を捜索したり、書類を持ってきたりできませんでした。
また、捜査をして起訴(きそ)、つまり裁判にかけるかどうか決める役所に、地方検察庁(ちほう けんさつちょう)がありますが、ここも談合事件をそんなにやってはいませんでした。
でも、法律がかわってどっちもパワーアップしました。
公正取引委員会は、相手がイヤがっても捜索(そうさ)ができるようになりました。
また地方の検察庁も、公正取引委員会と協力して、捜査ができるようになりました。
* *
さらにこんなこともあります。
談合で工事が決まった会社は、法律違反をしたペナルティーとして、課徴金(かちょうきん)というお金を国に払わなければなりません。法律がかわってこの金額が上げられました。
同時に、こんな制度もできました。
「談合をしました」と一番初めに自首(じしゅ)すると、課徴金は払わなくてもいい、つまりタダになるのです。
2番目でも半分で済みます。3番目は70%を払えばいいのです。
その結果どうなるかというと、「談合を続けているとまずい。早く自首したほうがいい」と考える会社が増えてきました。
仲間同士の結束(けっそく)がばらばらになって、談合の情報が外にもれやすくなりました。役所がパワーアップした上、情報も集まるようになりました。
だから逮捕が相次いでいるのです。
最近談合が増えたのではなく、もともとあった談合が、こうして次々に明るみになっているのですね。
【 2006/12/09 放送(内容は放送時点でのものです) 】
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