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□[紀子さまご出産]「皇室の男子ご誕生を喜びたい」|読売新聞・社説
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060906ig90.htm
9月7日付・読売社説
[紀子さまご出産]「皇室の男子ご誕生を喜びたい」
秋篠宮妃紀子さまが、帝王切開の手術で男のお子さまを出産された。お子さまはすこぶるお元気だという。紀子さまも術後の経過は順調だという。
無事に出産を終えられ、本当によかった。天皇ご一家には、何にもまさる慶事である。心よりお祝いを申し上げたい。
秋篠宮ご夫妻にとっては、長女眞子さま、二女佳子さまに続く3人目のお子さまだ。天皇、皇后両陛下には、皇太子ご夫妻の長女愛子さまに次ぐ、4人目のお孫さんとなる。
しかも、皇室にとっては待ち望まれた男子のご誕生でもある。
皇室では、皇太子さま、秋篠宮さまの後、9人連続で女子が誕生していた。男子の誕生は実に41年ぶりとなる。
天皇、皇后両陛下は、訪問先の札幌市でご誕生の知らせを受けられた。両陛下にも初めての男のお孫さんである。格別の感慨がおありだろう。
皇室典範は、天皇の地位について「皇統に属する男系男子が継承する」と定めている。お子さまは皇太子さま、秋篠宮さまに次いで、第3位の皇位継承者となる。平成の時代に初めて誕生された、新しい世代の皇位継承者だ。
しかし、秋篠宮ご夫妻には、元気な産声を聞くまでは、さぞご心配だっただろう。
医師団は、紀子さまは胎盤の一部が子宮口をふさぐ「部分前置胎盤」で、「突然の出血や、それに伴う早産のおそれもある」と説明していた。比較的ご高齢での出産ということもあった。
このため、天皇ご一家の出産としては初めて、宮内庁病院ではなく、最新の設備が整っている東京都内の民間病院を使われた。「安静に過ごされるのが望ましい」と、先月中旬に入院され、出産に備えられていた。
不安もあった中で、大役を果たされた紀子さまは、ほっと胸をなで下ろしておられることだろう。秋篠宮さまも、さぞかしお喜びのことだろう。
宮内庁などの関係者が、前例にとらわれず万全の医療体制を整えたことも、適切な対応だった。
紀子さまのご懐妊がわかったのは2月のことだ。小泉首相の私的諮問機関である皇室典範有識者会議が昨年11月にまとめた報告書をめぐり、与党議員の間でも賛否が鋭く対立していた時だった。
報告書は「皇位の安定的な継承を維持するために女性天皇と女系天皇を認めるべきだ」と指摘したが、「一貫して続いてきた男系継承を維持すべきだ」とする反対論も相次いでいた。
継承順位についても、天皇の子である兄弟姉妹間では長子優先とした報告書案に対して、男子を優先すべきだとする意見が出ていた。
紀子さまのご懐妊で、「拙速は避けるべきだ」という慎重論が一気に広がったのも当然だ。小泉首相は、先の通常国会に報告書にそった皇室典範改正案を提出する意欲を見せていたが、断念した。
それだけに、誕生する子の性別は、国民的にも大きな関心事だった。
秋篠宮ご夫妻にとっては、ご出産の不安とは別の、心理的な負担もおありだったのではないだろうか。
宮内庁の皇室医務主管はご懐妊の発表の際、秋篠宮ご夫妻は、「生まれるまで性別などは一切知りたくないというお考えです」と説明していた。男女の産み分けなど、「特別に何かやったということではない」とも話していた。
男女にかかわらず、授かったいとしい命である。それは、親としてのごく自然な思いでもあられただろう。
有識者会議の報告書は小泉首相に提出されたものだ。その小泉首相は近く退陣し、新首相が誕生する。
次期首相が有力視されている安倍官房長官は報告書の扱いについて、先の通常国会で「検討結果は新大臣の下でも活用されるのが通例だが、別途、検討を始めることができないわけではない」と発言している。
依然として女性・女系天皇を認めるべきだという意見もあれば、皇室典範を見直す必要はなくなったとする立場もあるだろう。そう結論を急ぐ必要はなくなったが、積みかさねてきた論議をうち切ってはなるまい。
いまの制度では、女性皇族である愛子さまや眞子さま、佳子さまは結婚されると皇族の身分を離れる。皇室の方々が将来的に少なくなっていくことは、はっきりしている。このような問題にどう対応するかという課題もある。
どのような皇位継承の在り方が望ましいか。また国民の共感を得られるか。政府・国会の責任として、冷静に、しっかりと考えていってもらいたい。
皇室は、日本の文化と伝統の象徴である。多くの国民に敬愛されている。皇室の制度を危うくさせてはならない。
誕生したお子さまのお名前は、生後7日目の12日に行われる「命名の儀」で決まる。眞子さまと佳子さまのお名前は秋篠宮ご夫妻が決められた。今度も、そうされるのだろうか。
お子さまには健やかに成長していっていただきたい。新時代の親王として、どのような少年に、そして青年になられていくか、いまから楽しみである。
(2006年9月7日1時52分読売新聞)
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