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タイル張りの大浴場のようなところがあって、
たぶん「女」のほうに通じているんだろうなと思った。
すると「女」側の壁際‥‥これは仕切りとしては天井に届かない高さしかないのだが‥‥
そこでは向こう側にあるらしい台の上に女達が並んで上半身を出していた。(註2)
男たちはそちらへと一斉に(駈け)寄り、
つまり、(脱衣するや?)大浴場にぞろぞろと入り、それぞれ自分の彼女のほうへと、
そそくさと向かっていったのである。
そしてこちら側にも踏み台があって、
それを登って漸く「御対面」という寸法なのだ(今別れたところだが、何しろ夢なのである)
その女というのは、よく顔を見ていなかったのだが、
少女といってもいいくらいの若い女である。
顔立ちとしては痩せた感じで逆三角っぽいのだが
“少女漫画”のように、際立ってパッチりと、異様に大きな目をしていて、
それがまた不自然な感じを与えないのであった。
視野いっぱいほどに大きく顔を見ていると、
微妙に複雑な憂いを浮かべ、
それはもう芸能人離れした美しさだったのである。
(しかしだ‥‥既にその顔は「動く模様」に変化していたかも)
最初、自分が向かっていったこの女でいいのかが分からなく(美人すぎるし?)、
斜め後ろの子のほうも見やったのだが、
もう一人の女は、メッシュというか、白系の頭で縦筋があった。
自分は迷ってしまったわけだが、
悲しいかな彼女のほうも口を開いたのは
一瞬間が有ってからだった。(註1)
そして彼女は‥‥
今日は遅く帰れるように言ってあるので一緒に帰ろ、というのであった。
ところで、もう一人のほうの女(最初こっちの子かと思った相手)なのだが。
その白系の女の頭は、間違いなく、稲川君の口髭だった‥‥と気づいた。
そしていま“現実”として自分は、生まれて初めてぐらいに、長い「髭」を生やし、それが気になっているわけであって、
しかし、シュワシュワと肌に領域的に伝わってくる静電気のようなものには、悪くはない心地がするのである。