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中会議室よりは広かったと思う。
いままさに、体格のいい、または恰幅のいい男の「演説」を、聴講しているのである。
ただ会場には「大衆旅館の演芸の」寛いだ‥‥だらけた風情があって‥‥これから仕切るのかどうだか客室兼用らしく、
既に一面に布団が敷かれているのである。もう消灯前なのだ‥‥。
僕が寝転ぶと、隣の「席」の女と向き合うことになるのだが、どちらかが許しを得てあえてそこに居るのか、
または偶然の‥‥いままさに出会いの場面なのかは分からない(し、そんなことは吹っ飛んだ世界なのである)。
すこぶる柔らかそうな丸顔で、少し浅黒いが、濃いめの朱の紅で相当に可愛いし、
「そこそこ」若い(まあ、それでも30がらみか?)。
喋り方はハーフというより外国人であり、それなのに口調のはっきりした日本人であったりもする。
(話すときは彫りが深くなる様子で、ここは別の人物が入っているらしい)
背格好は小柄、スレンダーというには微妙にふっくらとして、きゃしゃで‥‥そのうえ締まっているというのか。
必然的に幾許か印度の香りがする(ここで幾つかの記憶が重なる感じ、
いま念頭に置く「意外な人物‥‥というと特定されるかもしれないが‥‥
とつい言ってしまうような」人物もいるが、むろん決定的な違いもあるようだ)。
特徴を思い出すにつけ、体つきまで愛らしく、首も長すぎず、つまりは短か過ぎず、
綺麗と可愛いを兼ね備えた、最も愛される女の「標準形」のような感じがした‥‥。
幾つかのシーンで女とは、具体的に“重要な会話”(ハッと気づかされるような)をしたと思うのだが、
何となくでも思い出せているのはごく一部に過ぎないだろう、しかも台詞としては、いちごんも出てこない‥‥。
当然のように布団の上で軽く抱き合って、体のライン(肉付き)を確かめているわけだから、
この女とも意気投合したのは間違いない(そういう意味で‥‥その意味では、これは彼女の分身だろう)。
そうでないと辻褄が合わないが、悲しいかなこれは夢なのだ(つけたしもあろうが)。
そのあと別の女が布団に入ってきたが、何もしなかった(と思う。そして自然消滅、存在の軽い忘却? まあ夢なのだ)。
僕としては女の静かな乱入を歓迎し、自然なことと受け取ったはずだ。
そうはいっても、この存在は実際の彼女とはちがうかもしれず、
もしかすると掲示板にたまに投稿する人間の心像にも思える。(それはそれで自「他」ともに困惑「すべき」ことなのかもしれない)
ともかく最初の女とは、お互いのことを知ろうなどとはせず、つい趣味‥‥何か理想の話をしているのだ
(相手の素性について情報交換しなかったことを夢の中で意識する場面がある‥‥果たして、それで言及までして、女に詫びたりしたのかどうか‥‥)。
ただ相手にとってはビジネスだ‥‥僕はパートナーではなく、こちらは「客以下」なのである。
そして、それが警戒心の影を落としている。
‥‥例えば商品を入れたビニール袋に1177と書いてある。
許可があるのか提携か、会場で勧誘して申し込んでくれれば、その袋から小さな景品を渡すらしい。
この数字が書き換えられるのを見て‥‥
そのときは、これはアイディアだなと思った、なにぶん夢の中だ‥‥。
それで突っ込んだ質問をぶつけた。
つまり「正」の字みたいなもので3人増えれば「1」を
3つ書くが、6人増えれば1を7に書き換えるわけだ。
‥‥もちろん非常に効率が悪い。
(しかし夢では理解しようと努め、感心してひとしきり眺め、しかるのち袋のことを質問しに彼女の「席」にいくと‥‥もう布団は片付いたのか座席が並んでいる‥‥)
ところがだ‥‥効率どころか、6人になるまでの帳簿まであって、
それを恥ずかしげに‥‥クールな態度を庶民的に潰すかにして‥‥すなわちバツが悪そうに見せてくれるのだった(むろん隠そうとするかのように)。
あれから半日以上ほど経過して、いま「記憶できている」夢の内容は、それだけなのであるが(笑)