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「科学的」を掲げる『911解明』にはうかつに信用できない例があるのでご注意を!
Rense.com誌に次のような記事へのリンクがありました。
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http://www.ditrianum.org/Artikelen/artikel33en.htm
Scientific Evidence that Official 9/11 Story is a Lie
911の公式見解が嘘である科学的な証拠
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これは少し前にBellaciao誌でも紹介されていたものですが、私はこれを阿修羅には紹介しませんでした。ちょっと問題が多いのです。しかしRense.com誌にまで載ったとなると大勢の人の目に触れますので、私の気付いた点だけでも指摘しておきます。
この記事は英語で書かれていますが、ホームページはどうやらオランダ語のサイトのようです。これには確かに科学的な説明がさまざまに為されています。ただそこに、数字の書き間違いの箇所もありますが、内容的に明らかに誤っている、あるいは読む者を誤誘導しかねないと思われる点が見られます。
そのうちの代表的なものを指摘しておきます。少々難しい話も入りますが、「科学的」を標榜しているからといってうかつに全面的な信用はしない方が良い、という実例として取り上げましょう。
●まず地震計の振れ方から、放出されたエネルギーの量を計算できるのですが、説明では「リヒター・スケール(マグニチュード)で0.1の差がエネルギーでは10倍の差となる」というように書かれていますが、これは明らかに「リヒター・スケールで1の差は」の書き損じです。ただこの程度なら「ああミスったな」で済む話ですが、
(参考)
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec1.2.htm
1.2 マグニチュード
次の地震計の記録はコロンビア大学の地震観測所によるもので、リヒター・スケール(マグニチュード)も同大学によるものです。(コロンビア大学のレポートでさえ最後のグラフでWTC1の倒壊開始時間を書き間違っている。)『911の公式見解が嘘である科学的な証拠』ではマグニチュードの数字から放出エネルギーを計算しているようです。(もし下のUrlでつながらなければ、上の元記事をご覧ください。)
【グラフ:地震計記録】
http://www.ditrianum.org/Graphics/911_seismic_records.jpg
(コロンビア大学作成の元資料:Seismic Waves Generated by Aircraft Impacts and Building Collapses at World Trade Center, New York City:pdfファイル)
http://www.ldeo.columbia.edu/LCSN/Eq/20010911_WTC/WTC_LDEO_KIM.pdf
【表:マグニチュードとTNT換算のエネルギー】
http://www.ditrianum.org/Graphics/Towers_TNT.jpg
この記事では、WTCの第1ビル(北タワー)と第2ビル(南タワー)で、地震を起こしたエネルギーに大きな差があるからいわゆる「パンケーキ崩壊」ではなく爆破である、という言い方をしていますが、これには問題があります。
この地震記録の大切なポイントはむしろ、9時59分04秒と10時28分31秒に、極めて短時間の顕著な変化(スパイク)が現れており、これが「パンケーキ崩壊」論では全く説明が付かない、という点です。少なくともこれだけは間違いないでしょう。もちろん「公式見解」ではこの地震記録は無視されています。
しかしこの地震記録が何を意味しているのかについての評価は、波の形や振動数、速度、継続時間などを元にして、専門の研究家によるもう少し突っ込んだ分析が必要であるように思います。マグニチュードの数字をエネルギーに単純に換算するだけで良いのか、またそれに「大きな差がある」、ということが何を意味しているのか、これが誤差の範囲なのか、この地震が地下での爆発によるものならどうしてわざわざ差をつけたのか、あるいは何らかの原因で差がついたのか、あるいは他の原因による地震なのか、素人によるこの評価の即決は行うべきではないでしょう。
●次には、WTCタワーから「放物線状に瓦礫が放り出されている」ように解説され、次の写真で、斜め上方向に向かって瓦礫が発射されたかのような印象を与えている点です。これはちょっと問題です。
【写真:吹きだした塵埃の放物線】
http://www.ditrianum.org/Graphics/911_ejection_debris_momentum.jpg
確かに写真で見ますとそのような印象を受けてしまうのですが、
(参照)
http://911research.wtc7.net/wtc/evidence/photos/collapses.html
Photographic Evidence of the Twin Towers' Destruction
しかし外側に飛び散る塵埃をビデオで見るとこの観察がおかしいことがわかります。
(参照:様々なツイン・タワー倒壊のビデオがあります。)
http://911research.wtc7.net/wtc/evidence/videos/index.html
Video Evidence of the Twin Towers and Building 7 Collapses
タワーから噴出した物質は、中には斜め上なのかなと思えるものもありますが、その多くは破壊の瞬間にはおおよそ水平方向の運動を開始しているように見えます。破壊の箇所からは短時間に多量の物質がほとんど塵埃の状態で激しく吹きだしているのですが、空気の抵抗を受けにくい鋼鉄材を見ると上方向の速度ベクトルを持つものは少ないように思えます。そして水平方向の速度と重力加速度によってほぼ放物線上に落ちて行っているようです。
(参照)
http://asyura2.com/0510/bd42/msg/1038.html
AMLは911で『超科学・オカルト信奉者』にリードされてブッシュ弁護に狂奔!?
しかし同時に、破壊の箇所自体が自由落下速度よりやや遅いくらいの加速をつけて下がっており、おそらく砂状か粒子状に破壊されたコンクリートがその破壊箇所から短時間のうちに連続して次々と、平均して水平方向に高速で吐き出されているようです。様々の大きさを持ったこれらの物質は、塊が大きければ空気抵抗の影響は比較的少ないでしょうが、砂状や粉末状になったものは抵抗を受けやすく、さらにそれを包む空気が熱を持っておればその分落ちる速度は緩やかになるでしょう。すると破壊箇所が加速をつけて下がっているため、噴出自体はおよそ水平方向でも、連続するとあたかも放物線を描いているように見えてしまいます。
ですから、次のような塵埃が初めから斜め上方向に飛び出す爆発の様子とは異なります。
(参照:Storax Sedan 104 Kt shallow underground)
http://www.saunalahti.fi/wtc2001/nuke1.jpg
またタワーの中心部付近と思われる場所に、倒壊後も塵埃の「柱」が立っていることが観察されます。おそらくコアのあった付近に粒子状の塵埃が高温の空気の中で落ちることが出来ずにそのまま止まっているものと思えます。これを爆発による上昇気流で出来た「きのこ雲」と同一視することはできません。
(参照:Banberry 10 Kt underground)
http://www.saunalahti.fi/wtc2001/w6.jpg
【もし上の写真が見えないようでしたら次に入ってください。】
http://www.saunalahti.fi/wtc2001/soldier5.htm
View of a Military Expert: Why the Towers of the World Trade Center collapsed
こういった見かけ上の形の相似から、WTCの解体を他の爆発と同一視するようなことは間違いであると思います。むしろ大量の質量が横方向に大きな運動量を持って押し出され、しかもコンクリートがほとんど砂状あるいは粉末状に砕けている事実の方が重要です。これは爆発物による解体以外では説明が付きません。
●次に『911の公式見解が嘘である科学的な証拠』という記事では、火山の火砕流(pyroclastic flows)とタワー崩壊後の塵埃の動きを同一視しているような記述が見られますが、これは大問題です。
【写真:セントヘレンズ火山の火砕流】
http://www.ditrianum.org/Graphics/911_pyroclastic_flows_sthelen.jpg
火砕流では数百度から1000℃に近い岩石が細かく砕けながら大量の水蒸気や硫化水素などの火山性ガスを噴出しながら山の斜面を下っていくもので、岩と火山灰と高温のガスの混合体である「熱雲」が数百度の温度を持つ一種の流体のように動きます。さらに岩石と砂は激しい高熱のガスの噴出によって地面との抵抗が極めて少なくなり、全体として新幹線並みのスピードで移動します。
確かにWTCの塵埃が全体として一種の流体のように動いているのですが、これを火山性の火砕流と同じように見るのは、いくらオランダに火山が無いとはいえ、困ったことです。そして「火山」→「爆発」という連想で爆破解体をイメージしてしまうならば、これは大きな誤解を招くばかりでしょう。WTCの塵埃の「雲」で全身に火傷を負った人が続出した、とは聞いていません。
●先日も「小型水爆を用いた爆破ではないか」といった内容のフィンランドの「軍事専門家」による記事が出ていましたが、これも問題ありです。
(参照)
http://asyura2.com/0601/war78/msg/257.html
「小型水素爆弾」は何が何でもありえないでしょう。
このように、新しく作られた「科学的」に思える情報には、これから先は注意して接する必要があると思います。著者に悪意が無い場合でも読む者を誤誘導させ混乱させることとなります。中には意図的に混乱を招く目的で作られるものも出る可能性があります。
何よりもまず、「公式見解では多くの事実を説明できず事実と決定的に矛盾する」という点、「したがっていわゆる『パンケーキ崩壊論』は即刻破棄されるべきである」という点をしっかりと確認することが第一でしょう。そして「細かい未確認の部分があるにせよ、予め設置された爆発物による計画的解体以外に、少なくとも、実際に起こった現象を合理的に説明しうる仮説は存在しない」こと、事実をよりよく説明しうる他の仮説が存在しない限り「計画的解体による米国ブッシュ政府の内部犯行」と断定せざるを得ないことを、視座にしっかりと据えておくことでしょう。
「計画的解体説」の内部での様々なヴァージョンの違いや説明の違いについては、うかつに飛びつかずに、科学に強い者や専門家に尋ねるかあるいは任せておくべきでしょう。よく解っていないことについて「自分なりの判断」を下そうとすると混乱させられる結果になるだけかもしれません。
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