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新説、BSEの起源はヒトの伝達性海綿状脳症・新説、BSEの起源はヒトの伝達性海綿状脳症(MedWave)
http://www.asyura2.com/0505/gm11/msg/332.html
投稿者 シジミ 日時 2005 年 9 月 06 日 19:15:48: eWn45SEFYZ1R.
 

(回答先: BSEは人間の遺体が感染源?=輸入飼料に混入の可能性−英専門家(yahoo-時事) 投稿者 路傍の石 日時 2005 年 9 月 03 日 09:23:32)

http://medwave.nikkeibp.co.jp/regist/medi_auth.jsp?id=0/mdps/395647

2005.9.6

 牛海綿状脳症(BSE)の起源は謎だ。ヒツジのスクレイピーやウシに散発性に起きた伝染性海綿状脳症(TSE)が候補と考えられているが、それを支持する確実な証拠はまだない。英国Kent大学のAlan CF Colchester氏らは、英国が輸入した動物組織からなる肥料・飼料の原料を介して、ヒトTSEがウシに感染したという新説をLancet誌2005年9月3日号に報告した。

 新説は以下の3つの仮説に基づく。(1)BSEはヒトTSEに由来する。(2)感染は飼料を介して経口的に起きた。飼料には輸入された未処理のほ乳類の組織が含まれており、その一部がヒトの遺体だった。(3)起源はインド亜大陸。大量のほ乳類組織が、該当する期間、英国に向け輸出された。

 1986年に英国でBSEが発見されるまで、ウシTSEの存在は知られていなかった。BSEの流行は、感染ウシの組織が飼料製造工程に混入したために起きたと見られている。が、最初のウシへの感染がどのようにして起きたのかについては議論がある。自然発生的に生じた可能性(内因性説)と、他の種類の動物から感染した可能性(外来性:主としてスクレイピー起源説)がある。しかし、内因性またはスクレイピー起源説を支持する証拠は不十分と考えた著者らは、ヒトTSEに目を向けた。

 1960〜1970年代に、英国は、肥料と飼料の原料として何10万トンものほ乳類組織を輸入した。約50%は、バングラデシュ、インド、パキスタンから運ばれた。それらは英国内で、加工処理されずに肥料として売却されることがあった。動物飼料製造に当たっては、それらは滅菌、加工されるが、未処理の組織が飼料に混入するとはあり得た。

 インドやパキスタンの農民たちは、川などから骨や死体を集めて売ることで副収入を得てきた。その中には、かなりの量のヒトの遺体も含まれていた。ヒンドゥー教徒は遺体を川に流す習慣がある。実際に、インドの肥料・飼料原料の中に遺体が存在したとの報告もある。それらは少なくとも1950年代から輸出されていた。実際に、船の積み荷から見つかったこともある。

 インドにおけるCJD(クロイツフェルト・ヤコブ病:Creutzfeldt-Jakob disease)の発症率については ほとんど情報がない。最初の症例は1965年に見つかった。1968〜1997年に報告された症例数は69例だが、途上国では診断が難しく、未報告症例も多いはずだ。先進国のデータを基に推測すると、インドでは年間150人程度がCJDを発症する。国民の約8割がヒンドゥー教徒であるため、CJDの疑いのある遺体が年間約120体ほど川に流されることになる。それらの一部が英国に運ばれ、加工されずに飼料になった可能性は十分に考えられる。

 ヒトTSEがウシに経口感染するかどうかに関する情報はない。が、ヒトの脳組織をほ乳類の脳内に注入する実験では感染は成立した。また、情報は限られているが、ヒトTSEとBSEの病原体であるプリオンは、この仮説を支持するに十分な類似性を持つと著者らは言う。したがって、この仮説について、さらに研究を進める正当な理由は間違いなくある、と著者らは述べている。

 遺体を含む動物組織の輸出入が、現在も一部の国で行われている可能性はあり、新たなウシTSEの発生が懸念される。輸出国、輸入国が協力してそれを防ぐ必要があり、調整役としては世界保健機関(WHO)が最適だろうと著者らは述べている。

 本論文の原題は「The origin of bovine spongiform encephalopathy: the human prion disease hypothesis」、概要は、こちらhttp://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673605672182/abstractで閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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