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米軍再編で横田に司令部統合 グアム空軍「3軍」日本集結
米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)をめぐり、米政府が米軍横田基地(東京都福生市など)の第五空軍司令部にグアムの第十三空軍司令部を統合、横田に司令部機能を集約する方針を固めたことが二十七日、分かった。台湾海峡と朝鮮半島有事に空軍力を機動展開するのが主眼だ。横田の司令部はアジア・太平洋からインド洋までの地域で空軍を一元的に統制する。陸軍第一軍団司令部、海軍第七艦隊と合わせ、陸海空三軍の「司令塔」が日本に集結する見通しとなった。
横田とグアムの司令部の統合では、米側は当初、グアムへの統合を提案。日本側が「北東アジアの抑止力が低下する」と難色を示し、米側は第二案として、二百四十人いる横田の司令部要員のうち六十九人を残し、残りをグアムに移す修正案を提示した。
米側でさらに検討した結果、「欧州の英国と並び、アジア・太平洋の空軍拠点は日本に置くべきだ」(米政府筋)と最終的に判断。グアムの司令部を消滅させ、横田の司令部要員を現状のまま維持してグアムの統制機能も吸収する案をまとめ、日本政府に正式に伝えた。横田に司令部機能を統合する背景には、戦闘機の近代化を進める中国を前線で牽制(けんせい)し、大規模な空軍力が必要になる台湾海峡危機に備えるとともに、北朝鮮への抑止力も維持する狙いがある。先の外務・防衛担当閣僚による「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)で合意した「共通戦略目標」に明記した台湾海峡、北朝鮮という「二正面」ににらみを利かせる。
横田の第五空軍は、中国や北朝鮮への対地攻撃を担うF16戦闘機部隊の第三十五戦闘航空団(三沢基地)、中国空軍の戦闘機に空対空で対処するF15部隊の第十八航空団(嘉手納基地)を擁する。第十三空軍司令部のあるグアムのアンダーセン空軍基地には、B52爆撃機や無人偵察機グローバルホークなどの重点配備が進み、台湾海峡や朝鮮半島有事でグアムから緊急展開する方針で、司令部統合で三沢や嘉手納の戦闘機部隊との一体的な運用も可能になる。
有事での作戦立案はハワイの太平洋空軍司令部が直接行うとみられ、横田の司令部は、前線でこれらの部隊の指揮・統制を統括する。
横田にはC130輸送機を運用する第三百七十四空輸航空団も常駐、米本土やグアム、韓国の米軍基地を結ぶ航空輸送の拠点でもある。航空自衛隊は入間基地(埼玉県)にある第二輸送航空隊を横田に移転させることも検討しており、実現すれば米空軍と空自の連携が強化され、有事での燃料や物資などの集積・輸送機能も向上する。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/28pol001.htm