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核保有・6か国協議参加は無期限中断…北朝鮮が声明
【ソウル=豊浦潤一】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省は10日、同国の核問題に関する6か国協議について、米ブッシュ政権が北朝鮮への「敵視政策」を変えず、日本もこれに追随しているとして、「参加を無期限中断する」との声明を発表した。
声明はさらに、「我々は自衛のために核兵器を製造した」として、これまで「核抑止力」などの表現で示唆していた核保有を初めて公式に表明。今後も「核兵器庫を増やすための対策を講じる」とした。
これにより米国は今後、国連安全保障理事会での討議を求めることも予想される。日本政府は、拉致問題をめぐり経済制裁を求める世論が広がっているのに加え、安全保障に直結する核問題が重大な局面を迎えたことで、さらに難しい対応を迫られることになった。
6か国協議は昨年6月に第3回協議が開催された後中断状態で、北朝鮮は2期目のブッシュ政権の出方を見守る姿勢を見せていた。
ブッシュ大統領が就任演説で、「世界の圧政を終わらせる」などと述べたことから、北朝鮮は、米国が金正日(キム・ジョンイル)政権を否定的にとらえ、完全核放棄を求めていく姿勢に変化がないと判断。次回6か国協議に参加すれば核放棄の決断を迫られる展開になるとみて、当面、参加を拒否することを表明したと見られる。
外務省声明は、ライス米国務長官が議会での指名承認公聴会で北朝鮮を「圧政の前線基地」と指弾したことにも触れ、「第2期ブッシュ政権の本心は、対朝鮮孤立・圧殺政策をさらに強化すること」と指摘した。
また、日本政府が、拉致被害者の横田めぐみさんをめぐり、北朝鮮が別人の骨を「遺骨」として提出したことに抗議したことを念頭に、日本が「すべて解決した拉致問題に言いがかりをつけ、偽遺骨問題まででっち上げ」たと非難。「日朝平壌宣言を白紙に戻し、国交正常化をしないという日本と、いかにして一堂に会して会談を行えるか」として、日本の姿勢も協議不参加の一因にあげた。
ただ、声明は協議不参加について「会談の結果を期待できる十分な条件と雰囲気がもたらされたと認められる時まで」と条件を付けたほか、「対話と協商(協議)を通じて解決しようとする原則的立場には変わりがない」とし、将来の再開の道までは閉ざさなかった。
米中央情報局(CIA)はこれまで、北朝鮮が1、2個のプルトニウム型核爆弾を保有している可能性を指摘。北朝鮮の李根(リ・グン)外務省米州局副局長は、2003年4月の北京での米中朝3か国協議で、米国代表団に非公式に、核保有を認める発言をしていた。
(読売新聞) - 2月11日1時53分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050210-00000115-yom-int