現在地 HOME > 戦争66 > 976.html ★阿修羅♪ |
|
国連「ダルフールでジェノサイドは無かったが人類に対する罪はあった(!)」(エル・ムンド)
またしても座布団10枚ものの「お笑い」なのですが、2月1日付エル・ムンド紙(電子版)は次のように伝えています。(要点をまとめて和訳します。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
http://www.elmundo.es/elmundo/2005/02/01/internacional/1107224351.html
『国連は、ダルフールではジェノサイドは無かったが人類に対する罪はあった、と結論付ける』
ニューヨーク(米国)
国連の国際調査委員会は、スーダンではジェノサイドの政策は無かったが政府軍と武装勢力による人権に対する激しい侵害はあった、と結論付けた。
同委員会はダルフール地区での人権侵害が国際司法裁判所に提訴される可能性を示した。
この結論は、スーダン政府軍あるいは武装勢力の一部によるジェノサイドの意図はあったがそこにハルツームの政策意図は無かったことを示した。
同委員会は、165万人が強制的に立ち退かされて20万人がチャドに逃れたダルフールの状況について調査してきた。
同時にダルフールにおける市民の殺害、性的虐待、住民に対する略奪といった激しい破壊行為に注目してきた。
同委員会は、スーダン政府とヤナウイド武装勢力が人権と国際的な権利の侵害に責任があることを確認した。
【訳出終わり】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そもそも「人類に対する罪」というのは、確か、ニュルンベルグ裁判で、ナチスによるジェノサイド(特にユダヤ人虐殺)に対して付けられた名前じゃなかったのかな、と思います。この新聞の見出し『ジェノサイドは無かったが人類に対する罪はあった(no ha habido genocidio, pero sí crímenes contra la humanidad)』は、もう、意味論もヘッタクレも無いですね。
そもそもスーダンで「ジェノサイドがあった」と非難したのはアフリカの石油利権に目の無い米国(その手先のUSAIDやHuman Rights Watchなど)であり、性的虐待に関しても報道機関によるでっち上げ(阿修羅で見た記憶があるのですがUrlを知っている人がいたら教えてください)がばれたそうで、例のボスニアヘルツェゴビナでのでっち上げジェノサイドといい勝負でしょう。(そういえばミロセビッチ裁判のことが全く聞こえてこないのですが、何か情報があれば教えてください。)
まあ、この国連の発表の裏には、石油利権に関して主に中国と米国の駆け引き、イラクに精一杯で今の所スーダンにまで手を出す余裕の無い米国の事情などがあるのでしょうが、「民主主義」と「人権」を表看板に出されると立ちすくんでしまう間抜けな知識人が多いことが、このような大国によるアフリカの資源収奪の跳梁を許している一つの原因でしょうね。ベネズエラでもそうです。現在ウゴ・チャベスは敵に揚げ足を取られないように実に慎重に隣国コロンビアやブラジル、アルゼンチンなどの南米各国と根回しをしているようです。
「ジェノサイド」「人類に対する罪」か! まあ、実に便利な言葉だ。ただしヒロシマとナガサキには使われていないようですが。