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(回答先: 相互信頼が骨身に染みついている日本人には欧米人の陰謀の怖さは解らない 投稿者 岩住達郎 日時 2005 年 2 月 09 日 08:36:25)
日本の資本主義「お役様は神様だ」、欧米の資本主義「客からはふんだくれ」
岩住さん、始めまして。私はこちらに住んでまだ10年にはちょっと足りませんが、資本主義というものが要するに「ぶったくり」であることが身に染みました。まだスペインは欧州でも田舎ですので、多少は牧歌的な面もあるのですが、それでも日本社会で消費者として「神様」扱いされることに慣れてきた身にとっては、最初の数年間は脅威驚嘆激怒の連続でした。今では私自身すっかり「いやな性格」になってしまったのかもしれません。人を見たら泥棒と思うことが当たり前になってしまいました。でもこれが世界の現実でしょう。
日本の第2次大戦後の資本主義的発展の基本精神は、やはり松下幸之助の名言「お客様は神様だ」だったような気がします。もちろんこれが文字通り実行された、とは思いませんが、作る側と売る側は客のためを考えて客に尽くす、客もそれを当然のこととして受け取り、それが買う側と売る側の言わずもがなの信頼関係を維持する、こんなことが、たとえ名目上のこととしても、普通のこと(しなければならないこと)として通用するのは、おそらく日本列島の内部だけでしょう。日本列島以外でこんなことを言ったら物笑いの種になるだけです。
岩住さんは私以上にお分かりでしょうから、日本の皆様に申し上げます。
スペインには通信の世界的大手テレフォニカがあるのですが、ここはネオリベラル経済の権化オプス・デイに握られている会社で、街にはテレフォニカの携帯電話の広告が貼りまくられ代理店があふれています。契約料や使用料金は馬鹿高く、例えばADSL回線を使用するのに日本円で1ヶ月7千円以上かかります。携帯電話は中級クラスで日本円で1万5千円から2万円。スペイン人の月収が日本の60%程度ですので、これがいかに高いか、ということです。
これだけなら良いのですが、例えば何かトラブルが起こった場合にはもうどうしようもない。販売代理店はテレフォニカの人間ではなく、全く話をしても無駄、会社の建物はあるのですが社員以外立ち入り禁止で、苦情や問い合わせがあっても客は中に入れない。顧客専用の電話回線があるのですが、通じたためしがない。何かトラブっても文句があっても、訴えたり文句を言ったりする手段が事実上閉ざされているわけです。それでも法的には顧客用の電話を一応設置してあるのでOK。
要するに、買え、買え! 買ったら文句言わずに金払え! ということです。頭にきてインターネットと電話の回線は、事務所に客用の窓口があってせめて直接問い合わせや文句の言える別の通信会社に切り替えたのですが(高いことやアフターサービスの欠けていることはテレフォニカ同様)、テレフォニカは他の通信会社に政治的な圧力で様々に妨害工作をする(テレフォニカのバックであるオプス・デイはスペインの政治をも裏で支配している)ため、いつつぶされるかな、とヒヤヒヤしています。
これでネオリベラル経済がどんなものか、肌で分かりました。ふんだくって投げ捨てるのが当たり前。まあこれが世界的な「スタンダード」というものなのでしょう。これはほんの一つの経験であって、言い出したらきりがありません。実際に何度もひどい目に
会ってみないと分からないことかもしれませんが。
銀行にしても、地方の信用金庫などはまだマシなのですが、スペイン最大で中南米の経済も支配しているサンタンデール銀行など、預金しに銀行に入ると(銀行のドアを押しても開きません。中から顔や身なりを確認して鍵を開けてくれます。強盗が多いせいでもありますが。)「おう、金持ってきたか。よし、預かってやる。」と、まあ、そんなことはモロには言いませんが、態度にありありと出ています。
要するに、客を見たらカモと思え、客からはふんだくれ、が、基本的な資本主義の精神です。資本主義、というよりも、もっと広く言えば、これが世界の基本的なあり方なのでしょう。騙すのが当たり前なのです。馬鹿は騙されるだけなのです。
だから、こちらも騙されないように思想武装するしかない。お分かりでしょうか。
親しくしている外国勤務の長いある日本の大会社のエライさんが、9・11の直後に私にボソリと語ってくれました。「イヤー、何せ軍需産業の連中が戦争したくてしょうがないのでねぇ。」よく世界の現実を分かっていますね。まあ。こんな人は少数派なのでしょうけど。
資本はそれが本性なのだから、こっちもさまざまな対抗手段を編み出すしかないのですが、最も腹に据えかねるのは、それを理想世界のごとく言いつらう、あるいはペテンを真実のごとく言いふらす多くの知識人の存在です。こいつらは許せない。こいつらはそれで自分の社会的立場と収入を作り、それを維持するために、ますます多くの人間をだましにかかる。
どの国にもこんなヤツはいます。一人でも多くの人に、こんな卑劣漢の犠牲者にだけはなるな、と叫びたいわけです。