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大規模集団洗脳の現場報告(1)3.11判事、涙の名演技:被害者が加害者に作りかえられる瞬間
私は、対イスラムテロ戦争が進行中の、「イスラムテロリスト」と「反ユダヤ主義」に対する『異端審問』『魔女狩り』が本格化しようとするヨーロッパで、ニュースに接するたびに身の毛のよだつ思いを禁じえません。この現状を少しでも多くの日本人に知ってもらいたく、以後、『大規模集団洗脳の現場報告』というシリーズを阿修羅に投稿し続けたいと思います。
このシリーズの命名は今までの私の投稿をご覧の方はピンと来られるでしょう。「なんと大げさな!」「何たる妄想!」と笑う人は、どうぞご自由にお笑いください。将来にその笑い顔が引きつっていく姿が目に浮かびます。(ただしもしその人が多少とも自分の目で見て自分の頭で考える力のある人なら、ですが。)
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(1)3.11判事、涙の名演技:被害者が加害者に作りかえられる瞬間
●まずは2005年2月3日付のエル・ムンド紙(電子版)の記事からである。3・11事件担当判事フアン・デル・オルモは「3・11被害者の会」と直接の対話をした。この記事の主要部分を翻訳してお伝えしよう。(無論、TVニュースでも取り上げられた出来事である。)
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http://www.elmundo.es/elmundo/2005/02/03/espana/1107445406.html
『デル・オルモ判事、3.11被害者の前で感涙、「裁判所が多くのことに対して返答するだろう」』(エル・ムンド:2005年2月3日付)
マドリッド : 「ラウラ、裁判所は多くのことについて返答するでしょう。このことについてあなたに疑問を抱かせないように。我々が個人的に、ではなく、総力を挙げてやり遂げるつもりです。あなたのために、そして未だ苦しんでいるすべての人のために。」ここで3・11事件捜査主任判事フアン・デル・オルモは声を詰まらせた。あの虐殺事件の被害者の一人に対して、イスラムテロについての討論会での発言の最中に、である。
車椅子に座ったラウラ・ヒメネスに加え、そのときには大勢の人々が判事の話を聞いた。その中には同様にこのテロ攻撃の犯行責任の解明を行う裁判担当の判事オルガ・サンチェスがいた。
判事はこみ上げる思いのために数秒間話を中断せざるを得なかった。そして次のように続けた。「我々は感情的になることに耐えなければなりません。そして続けなければなりません。(…)スペインのシステムは3・11の前も後も機能していました。同じ方法と専門家で、そして同じ法と裁判のシステムでです。かつても機能していたし今も機能中です。我々は保障を与え法を適用します。好むと好まざるとに関わらず、法を適用しこれを行い続ける準備ができています。」
【後略】
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身の毛のよだつ瞬間である。「可愛そうな人たちの味方」ほど強いものはいない。こうやって「被害者の味方」が『9・11=3・11=イスラム・テロ』の「聖なる方程式」の守護者となっていく。こうやって被害者が、でっち上げられた「イスラム・テロリスト」と何も知らない下層イスラム教徒に対する加害者に、変身していく。
情報の力によって「イスラム・テロ」「イスラム・テロ」の刷り込みが何百回、何千回となく人々の脳みそに施されていく。それに疑問を持つ者には「可愛そうな人たちの味方」によって「可愛そうな人たち」の敵対者というレッテルが遠慮容赦なく貼られていくだろう。この3・11担当主任判事フアン・デル・オルモの打った「涙の名演技」は、司法・捜査当局をスペインの絶対権力者に仕立て上げていくだろう。
数年前アスナール国民党の下で「テロ被害者の会」が結成された。これは主としてETAのテロで傷ついた人々と死亡した人々の家族によって構成されるものである。今までのテロ被害者には国家から見舞金が支給されたが、その中にはフランコ独裁政権を長年にわたって支えたカレロ・ブランコも含まれる。もちろんのことだが、国家(ゴンサレス社労党政権と諜報機関)が組織した反ETA組織GALによって殺されたETAメンバーは含まれていない。
これに加えて「3・11被害者の会」が結成され、一応「テロ被害者の会」には属しているが、ここでは社会労働者党の側が主導権を握る。左右両派が「被害者」を味方につけるのに懸命なのだ。「被害者の味方」が水戸黄門の御印籠にも等しい絶対的な力で論争相手を説き伏せる武器になることを知っているからである。
『金力・権力・情報力』の三位一体神は、あらゆる嘘とデタラメを本物で聖なる『神話』に作り変える。この『神話』がまず「被害者」を囲い込み、それを通してその他の人間集団を理性も観察力も失った羊の群れとして動かす万能の武器となる。まさに現代の錬金術、現代の黒魔術に他ならない。
●19人(あるいはそれ以上)の武器を持ったテロリストがあらゆる検査を潜り抜けて一人もチェックされること無く飛行機に乗り込んで乗っ取りに成功し、飛行機操縦免許取立てのド素人が大型旅客機を極微小の標的に3機たて続けに命中させ、ニューヨーク上空はおろか国防総省上空すら防空体制が空っぽになり、高層ビルの鉄骨を破壊するまでに高温になったはずのWTCビルの残骸から発見された「テロリストのパスポート」が証拠として採用された、あの9・11。
満員の駅で十数名の大きなカバンを持った男を目撃した者がほぼ誰もおらず監視カメラにも映らず、「携帯電話起爆装置」についての捜査当局の説明はコロコロ変わり、『証拠見せびらかしの一軒家』が「犯人」が出た後になって捜索され、爆死事件で「実行犯」がすべて抹消されて口が封じられ、「もう一つの盗難車」「3年前の密告テープ」などの捜査当局の都合が悪くなったときに「偶然に」新たな『証拠』が登場する、などなど、通常の刑事事件なら捜査当局への告発と疑問が続出するはずの3・11。
そしてこの2つのインチキ事件をつなぐ一本の筋が「イスラム・テロ」なのだ! その裏でつながる筋は石油利権と「一つの世界秩序」へ向けての社会再編成の意図である!
3・11マドリッド列車爆破事件は、9・11「連続テロ事件」を『対イスラム・テロ十字軍神話』として定着させるために仕掛けられた、大規模国際謀略に他ならない。9・11の「完結編」、『金力・権力・情報力』を総動員した大量集団洗脳に他ならない。この点については、昨年来私が阿修羅投稿を通して具体的にその経過をお知らせしてきたとおりであり、いまここで一つ一つを繰り返すことはしない。
しかしこのような理性的な筋道は、心情的に「テロ憎し」に凝り固まった被害者の多数派に受け入れられることはあるまい。そして「テロ」の恐怖におびえるばかりの無知で従順な人間たちの関心を引くことはあるまい。人間は自分が信じたいことを信じるのだ。恐怖と怒りを刷り込まされ心を閉ざした人間たちにとっての唯一の救いは、その恐怖から逃れさせてくれる、と信じさせてくれる「権威ある人々」を信じることだけである。その「テロ」の正体が何であれ、その「権威ある人々」の正体が何であれ。
洗脳は、恐怖・怒り(義憤を含む)・欲望(救いを求める願望を含む)・無知をベースにして、実行されていく。洗脳された人間がどれほど知的な装いをみせていようと、その根底にあるのは、恐怖・怒り・欲望・無知に他ならない。
フアン・デル・オルモの「涙の名演技」は、これらの人々にとってまさに「救世主」の姿として映ったはずだ。「何があっても裁判所を信じる」「イスラム・テロ憎し以外は受け付けない」強烈な信念が、こうやって被害者の中に形作られていく。
そして、恐怖からか義憤からか欲望からか、その「被害者」の味方をすることによって自らを権威付け、真実を排斥し、「イスラム・テロ」を否定する人間を「被害者の敵」として、現代の異端者・魔女として狩っていく人間集団もまた同時に形作られる。
このようにして『9・11=3・11=イスラム・テロ』の方程式が、『現代の神話』として確立されていくのだ。私はいまその現場に立っている。
●スペインにはもう一人、バルタサル・ガルソンという名物判事がいる。2001年の9・11直後からスペイン(例のモハメド・アタが、3・11の「司令塔」とされるアメル・アズィズィやラムズィ・ビナルシブと「最終打ち合わせ」をしたと言われる場所)での「イスラム過激派狩り」に狂奔してきた現代の異端審問官である。
ガルソンは同時に、ETAのテロリスト、およびその周辺の人物を次々と逮捕・起訴し、常に「テロ」と戦い続ける現代スペイン最大の英雄なのだ。
そのガルソンがこの2月4日に自らの「ETAとの闘い」の歴史を著した『恐怖の無い世界』(原文"Un mundo sin miedo")を出版し、すべてのマスコミ総動員で宣伝を始めた。ところがこれに判事の一人エドゥアルド・フンガリニョが「最高裁判所の秘守事項を明らかにしてしまっている」とクレームをつけた。すると間髪いれずに国家判事総長のコンデ-プンピドが「根も葉もないこと」と激しくフンガリニョを叱責し、口を封じてしまったのである。
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http://www.elmundo.es/elmundo/2005/02/04/espana/1107524637.html
『コンデ-プンピドは、ガルソンに対して秘守事項を暴露したと非難したフンガリニョの権威を失墜させる』(2005年2月5日付、エル・ムンド電子版)
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このような大切なことは通常なら2、3日でもかけて調査してから結論を出すべきことと思うが、英雄ガルソンに対する批判は一切許されない。このコンデ-プンピドという判事局最高責任者こそ、現代欧州社会の深奥につながる人物である。(スペイン語でコンデとは伯爵を意味する。欧州社会を裏で支配する貴族階級の一員かもしれない。)
ガルソンは元々社労党筋の人間である。そしてゴンサレス政権の終盤に、ゴンサレスに自分を法務長官にするように(将来の首相の地位を狙う野望もあったと思われる)自己推薦したのだが、ゴンサレスに冷たくあしらわれて古巣の判事局に戻った。そして、ゴンサレス政権が諜報機関や国家防衛隊と組んで右派テロリスト組織GALを作り操っていたことを暴露した。これが、経済政策の失敗などで国民の支持を失いつつあった社労党政権の命取りになった。
そのガルソンが再び左派の支持を得た(とは言わないまでも少なくとも敵意を消した)のは、1998年の「ピノチェット起訴」において、である。しかもヘンリー・キッシンジャーを参考人として要請する、という離れ業までやってのけたのだ。なお、いったん英国政府の「超法規的処置」で帰国を許されたピノチェットは、現在チリで過去の悪業を裁かれようとしている。アルゼンチンのビデラにしても同様だが、しかしこれがトカゲの尻尾切り、茶番に過ぎないことは、本物の極悪人であるキッシンジャー、ニクソン、サッチャー、オプス・デイが決して起訴されないことを見ればすぐに分かることだろう。いい加減ボケのきたピノチェットの頭では自分の傀儡子を暴露するだけの知恵も浮かぶまい。このガルソンによる「ピノチェット起訴」が彼らの許可を得て行われたことは言うまでもないことだろう。
ガルソンとデル・オルモのいる判事局こそ、現在のスペインの英雄であり『神話』の主人公なのだ。そしてサパテロがそのチンドン屋を務め、アスナールが珍妙な「自作自演テロ」説で道化役として側面援助に励んでいる。
●その一方で逮捕された「テロ容疑者」たちは、グアンタナモにも勝るとも劣らない悲惨な境遇に置かれている。自らの弁護士を呼ぶことはおろか、当局に割り当てられた国選弁護人に接見することすら許されない。劣悪な環境の下で肉体的・精神的に追い詰められる。次の新聞記事の見出しだけでも見てもらいたい。
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http://www.elmundo.es/elmundo/2005/01/29/espana/1106994846.html
『2002年から2004年に、スペインで118名の囚人が自殺』(2004年1月29日付、エル・ムンド電子版)
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弁護士を呼ぶことが可能な一般犯罪での囚人ですらこの状態である。昨年11月に9・11で最初の判決を受けた16才の少年がどれほどの精神的拷問と洗脳を受けたのか、知りようも無いが、この子供を一切の正当な裁判手続きを省略して判決第一号に選び、その後に続く他の逮捕者の裁判の結論を早々と決定づけた狡猾で残忍な知恵が、この事件の奥深さをよく表している。
2005年に入っても3・11関連の逮捕ラッシュはとどまる気配を知らない。2月1日にはブリュッセルで指名手配中の「欧州アルカイダのスポークスマン」ユーセフ・ベルハジ(Youssef Belhadj)が逮捕された。同じ日にマドリッド近郊レガネス市でモロッコ人一家四人が逮捕された。うち子供二人が拘置所に送られている。翌日の2月2日にはマドリッドで新たなモロッコ人ラチド・ベンドウダ(Rachid Bendouda)が逮捕された。そして3日にはアフリカ大陸にあるスペインの都市メリリャで市内に住むモロッコ人ラチド・モハメド・カッドゥル(Rachid Mohamed Kaddur)が逮捕されたのだが、警察発表によると、彼は3・11の前日に先ほどのラチド・ベンドウダと一緒にマドリッド市内で、レガネス市で爆死した「実行犯」の一人アブデンナビ・コウンジャア(Abdennabi Kounjaa)と会合を開いた、ということである。
それにしても、いつものことではあるが、逃げも隠れもせずにのんびりと「犯行現場」近くに住み続けるノーテンキな「テロリスト」もいたものである。ラチド・モハメド・カッドゥルなどマドリッドからメリリャ市の実家に帰って住んでいたところ「逃亡を図った」として逮捕されたのだ。「テロリスト」を逮捕するのではない。逮捕されたから「テロリスト」とされるのである。
●繰り返す。『金力、権力、情報力の三位一体神』は、あらゆる嘘とデタラメを「真実」に作り変える。まず戦争やテロ事件や騒乱等々を引き起こして「被害者」を作り、「被害者」を囲い込むことによって、世界中の愚か者たちが、恐怖と怒りと欲に突き動かされて、情報メディアの指示するままに、集団的に洗脳されていく。「ホロコースト」しかり、湾岸戦争しかり、バルカン紛争しかり、9・11しかり、3・11しかり。
私は今後、バルセロナから日本に向けてこの大規模集団洗脳の進行状況を実況中継し続けよう。日本が同じ運命をたどらないように。