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(回答先: 小泉「改革」による国民負担と大企業優遇 投稿者 外野 日時 2005 年 6 月 11 日 05:37:27)
『週刊エコノミスト』 2005.05.31号の”娘、息子の悲惨な職場 この10年で拡大した「格差」”より抜粋
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92年から02年までの10年間に正社員が358万人減少する一方、非正社員が487万人増加した(総務省「就業構造基本調査」)。その原因となった企業の人件費削減は、デフレ経済と低成長によるところが大きいが、人件費を削減でき、柔軟な雇用調整も行える労働者の非正社員化は企業の合理的な行動ともいえる。通常、企業が正社員を1人雇おうとすると、毎月の給料に加えて賞与、福利厚生費、退職金などさまざまなコストがかかる。しかも、年功的な賃金体系を維持している企業では、社員の年齢構成が高齢化するに伴って人件費が右肩上がりで増えていく宿命を負っている。
従業員の高齢化や、厳しい競争環境、株主の圧力などを受けて、経営者はコストを引き下げることが重要な課題となっている。企業業績の改善によってリストラは一服しているものの、コスト削減姿勢は変わらず、労働者の非正社員化の流れは止まらないだろう。
冒頭で見たように、一般的にパート・アルバイトなど非正社員の仕事は単純作業が多く、専門知識をあまり必要としないため賃金水準は低く、また、短期的な需要の変動に応じて労働時間や時給が柔軟に調整されるため収入は不安定である。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」で正社員と非正社員の平均年収の推移を見ると、正社員は比較的高水準の年収を維持しているのに対して、非正社員は水準が大きく切り下がっているうえに、年ごとの変動も大きい(図1)。いまや、非正社員の人件費は原材料や部品などと同じ「変動費」になってきている。
非正社員を増やす理由として、人件費削減や雇用調整の容易さを挙げる企業の割合は圧倒的に多い。ゆえに、企業側から見ると、基本的に非正社員化は人件費削減を目的としている。ゆえに、今後も、非正社員の待遇が良くなることはあまり期待できないのではないか。
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信金中央金庫総合研究所が05年4月にまとめた雇用動向調査を見てみると、企業の雇用の非正規化が進んでいることが分かる。この調査では、将来的に人手不足が生じた時の対応につき、大企業を除く1万4045社から得た回答をまとめている。
「パート・アルバイトや派遣社員を優先して採用する」と答えた企業が半数を超える55・3%。「正社員を採用する」は、わずか21・4%であった。調査対象が中小企業とはいえ、人手不足になっても、非正社員で対応する流れは変わらないようだ。
バブル経済崩壊後の急激な採用絞り込みの反動で、このところ、大手企業は採用数を増やしているが、あくまで「絞り込みの修正」である。景気がよくなったからといって、誰もが正社員になれる道は、確実に狭まっているのだ。
あるメーカーの人事部長はこう言い切った。「派遣を入れるのは、人件費が安いからに決まっている。それ以外に、理由なんてない。若い社員なら、なおさら安く雇いやすい」。また、ある証券アナリストは企業の人件費について、こんな見方をする。「投資家にとっては利益がすべて。上場企業にはまず、人件費削減を要求する。正社員比率を下げた企業は、リポートでも評価する。株価を上げたい経営陣は、人件費削減にすぐ反応する」。
厳しい扉をこじ開け、何とか正社員になったとしても、生活が明るくなるとは限らない。継続的なリストラで多くの職場は「少数精鋭」。少数正社員の長時間労働が当たり前になっている。
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