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フジテレビは先日その報道番組で英紙タイムズの記事を嬉々として紹介した。
それは高級紙タイムズが社説で「中国政府が反日デモを野放しにしているが暴徒の心理を助長するとその場合最終的には敗者は中国政府となる」と中国政府に警告したものであった。
実はこの記事が日本に紹介されたのは時事通信配信であり、フジテレビ以外のメディアにも取り上げられてはいた。しかしフジテレビの報道はそれら他のメディアとは大違い、たかが新聞紙面の紹介としては異常とも思える、まるで鬼の首をとったかのような報道姿勢であった。事情を知らない方の目にはそれはフジテレビが自らの右翼偏向の報道姿勢を補強する材料をやっとみつけたとの狂喜乱舞と映ったかもしれない。
だが多くの日本国民には知らされていないが、英紙タイムズの記事はフジテレビが大喜びできる内容ではなかったのだ。
フジテレビだけでなく日本のほとんどのメディアが紹介しなかったがタイムズの四月十一日付社説には下記の記述もあったのである。
「小泉首相は靖国神社とは異なる戦没者追悼の施設を考案し、さらに歴史教科書問題にも終止符を打つことで真の改革者との証明を行わなければならない」と。
すなわち靖国神社参拝ではない戦没者の追悼方法を考案しなければならないこと、さらに歴史教科書での近隣諸国との歩み寄りを図れとの主張も行っていたのである。
これだけ重要な指摘を紹介しないフジテレビらは意図的に情報操作を行っているとしかいいようがない。自らに都合の良い情報を一部だけピックアップし大々的に反中国キャンペーンに使っていたのである。
しかもフジテレビらが覆い隠したタイムズの報道はそれだけではない。実は共産党機関紙赤旗の四月八日付報道によると、タイムズは六日付で以下のような記事を東京発で書いていたのだ。
「戦争の歴史の書き換えで日本は抗議の嵐に直面している」
「中国と韓国は怒りを込めて抗議し、日本が軍国主義の過去を覆い隠していると告発している」
「すべての教科書が従軍慰安婦についての記事を削除し、南京大虐殺の死亡者数を少なく見積もっている。強制連行に関する記述も簡略化した」
「日本の教科書は過去何十年とアジアの人々の怒りをひきおこしてきた。過去についてあまりに無批判な見方を提供しているとも批判されている」
つまりタイムズは今回の反日行動の原因となったのは「歴史の書き換えである」ということにも言及していたのである。しかも詳細に。
ところがフジテレビは、問題となった歴史教科書を出版する会社の関連企業という立場からかこれらについてもまったく触れていなかったのである。
タイムズの中国批判だけを大々的に取り上げ、自らが行った右翼偏向歴史教科書の出版についての批判的報道および靖国参拝への批判はまったく触れないとは、まさにNHKも真っ青な「公平・中立」な報道姿勢と言えるだろう。
尚、最後に蛇足かもしれないが付け加えるとタイムズはイラク戦争を煽ったあのルパード・マードック支配の英高級紙で保守的論調で知られている。また日本の読売新聞とも提携している、フジテレビとは同じ穴の狢である。そういう同じ狢からみても今回の騒ぎは扶桑社の歴史教科書が問題となっているということである。ということは口を開けば「国益」と唱えるフジサンケイグループの行動が、今回中国、韓国での日本のイメージを損なわせ、国益を損なっているということであり、それはまさしく滑稽としか言いようがないであろう。
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