現在地 HOME > 政治・選挙8 > 740.html ★阿修羅♪ |
|
自民新憲法起草委、本格始動 自衛隊「軍」に位置付け
象徴天皇「元首」明記で賛否
自民党新憲法起草委員会(委員長・森喜朗元首相)の「安保・非常事態」小委員会が十六日、初会合を開き、最大の焦点である憲法九条の検討に着手した。これで十ある小委員会のうち「前文」「天皇」「国民の権利・義務」「司法」など五小委がスタート。起草委は三月中のたたき台取りまとめに向け、作業を本格化させている。
◇
【前文】「世界平和研究所の憲法改正試案の前文は、わが国の伝統・歴史・文化をよく書き込んでいる」
十四日に早くも二回目の会合を開いた「前文」小委で、委員長の中曽根康弘元首相がまとめた平和研試案を評価する声が相次いだ。昭和二十年代からの改憲派である中曽根氏は並々ならぬ意気込みを示す。
日本の「国柄」のほか積極的平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を盛り込む方向だ。さらに急浮上しているのが教育基本法とのかかわり。「愛国心」をめぐる公明党の反発で改正案の今国会提出が見送られた同基本法には「憲法の精神にのっとり」とあり、「基本法と憲法前文の議論は密接不可分」(河村建夫前文部科学相)との指摘が出ている。
【天皇】委員長に宮沢喜一、同代理に橋本龍太郎両元首相をあてる重厚な布陣となったのが「天皇」小委。十五日の初会合で「天皇」を現憲法と同じ第一章で規定し、「象徴天皇」を維持することで一致。国事行為は文言の微修正にとどめる。「象徴」と同時に「元首」と明記するかでは賛否が分かれた。「女性天皇」は憲法に規定せず皇室典範改正で対応し、首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」の議論を見守る方針だ。
【国民の権利・義務】船田元・元経済企画庁長官が久々の表舞台で委員長を務める。これまで党や衆院の憲法調査会に欠かさず出席してきた船田氏は十日の初会合で、「国防の責務」などを盛り込んだ改正試案をさっそく提示した。
新たにどのような義務、責務、権利を盛り込むかが焦点。試案の「責務」は「義務」よりも緩やかな努力規定のようなもので、国防を義務でなく責務としていいのか議論を呼びそうだ。「家庭、家族の保護の責務」の是非も検討する。
閣僚、首長らの靖国神社参拝、玉ぐし料支出などを念頭に、社会的儀礼の範囲内で政府・自治体が宗教関連行事に参加するのを認める「政教分離」の緩和も検討する。
【司法】森山眞弓元法相が委員長の「司法」小委は十四日の第二回会合で、保岡興治党憲法調査会長がまとめた昨年十一月の党憲法改正大綱原案に盛り込まれた「憲法裁判所」について「現行の最高裁による違憲立法審査を充実させた方がよい」と見送る方針を固めた。実態にそぐわない「裁判官報酬の減額禁止」規定の削除など最低限の見直しにとどまりそうだ。
【安保・非常事態】委員長の福田康夫元官房長官はこの日の初会合で、「安全保障・非常事態」小委が「国の根幹」を扱う重要な役目を負っていることを強調。幹事に舛添要一委員長代理、石破茂前防衛庁長官ら四人を指名した。起草委員長の森氏も出席し、「この小委はとりわけ重要で、国民、世界各国が注目している」と述べた。
自由討議では(1)自衛隊を「自衛軍」や「国防軍」として軍と位置付ける(2)現在、政府解釈で禁じられている「集団的自衛権の行使」を容認する(3)侵略戦争だけを禁止した九条一項は残す(4)国際平和協力に言及する−などの意見が大勢だった。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/17pol001.htm