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幼稚化し、責任感・情熱・洞察力を失った日本の政治指導層 (森田実)
http://www.asyura2.com/0502/senkyo8/msg/600.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 09 日 18:55:57: ogcGl0q1DMbpk

(回答先: 国会職員、議員のお相手で緊張!? “お疲れ”手当6億7500万円 (産経新聞) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 09 日 13:24:06)

2005.2.8
2005年森田実政治日誌[34]
幼稚化し、責任感・情熱・洞察力を失った日本の政治指導層

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

「人間は一人一人を見ると、利口で分別ありげだが、集団をなせば、たちまち馬鹿になる」(シラー)


[最近、日本の政治指導者のあり方について雑誌の取材を受けました。以下は、その際の発言です]

 いま、政治家も官僚も学者も、テレビや新聞の報道に動かされています。もう少し丁寧に言いましょう。マスコミの情報に一般国民が従い、空気ができる。その空気に乗っていれば自分の身は安全だ、と考えているのです。政治権力はマスコミを敵に回したら大変だということがわかっていますから、長年努力を重ね、マスコミを完全に味方にしました。ところがそれだけでは満足しません。絶えず気になります。裏切られないか心配なのです。自分たちの味方にしたはずのマスコミの報道に自分たちが支配されている、という状態になっています。これが意味することは、自分の信念や哲学を確立していない幼稚な人間が、その場その場でこう動けば損をしない、利益が得られるという思いで動いている、ということなのです。マスコミでほめられたり、少なくともけなされたくないというエゴイズムで動いているのです。

 わが国の政治家は、ある時期から、西欧でいうところの人気主義、ポピュリズムになってしまったのだと思います。信念がないからそうなるのです。

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コドモ化したリーダー

  第一次世界大戦と第二次世界大戦の二つの戦争を経験した明治世代のリーダーたちは、きびしい体験を通じて、自己を確立していました。そして、自分が社会に対してすべきことは何かを常に考える社会的責任感をもっていました。洞察力と情熱をもっていました。ところが、明治世代がこの世を去った80年代頃から、日本の指導者の力が急速に弱まりました。それでも80年代はまだ明治世代の生き方を規範として生きようとしていた大正世代の指導者がいました。大正世代は第二次世界大戦を経験していました。明治世代に比べてひとまわり小型化したとはいえオトナでした。しかし、90年代に明治・大正世代が世を去るとともにさらに小型化しました。

 日本においては政界も学界も経営者もメディアのリーダー層は、自己の確固たる信念をもたず、ただ空気に流され、空気を利用していかに自分が得をするか、ということのみを考えるような凡庸な人々の集団になってしまったのです。

 1990年代初め、アメリカのクリントン大統領が出てきました。彼は非常に利口な人で、損か得かで相手を利用し尽くす人間です。ここで、日本の指導者たちはアメリカに完全に押さえられてしまいました。アメリカの指導者は利口です。そのうえ欲が深い。弱いものとみれば飛びかかって食べてしまいます。アメリカは日本の政治・行政だけでなく日本のマスメディアまで支配してしまいました。つまり社会の空気まで押さえてしまいました。こうして、日本の指導者たちは、外交はアメリカの顔色を見て、アメリカに叱られないように決め、内政はメディアによる空気で決めるようになりました。アメリカ政府とマスコミに叱られまいと周りをきょろきょろ見渡しながら生きるようになってきました。この生き方は幼児と同じです。親や、先生に文句を言われないように、という子供の生き方と同じです。つまり、90年代以後、わが国のリーダーが完全にコドモ化したのです。

 それから15年間コドモリーダーのもとでやってきて、いま日本はどん底に落ちてしまいました。このコドモ政治家の代表が、橋本・小渕・森の各元首相であり、小泉首相なのです。小泉首相こそ、コドモ化した政治指導者の典型です。ここに、今日の日本の深刻な低迷の原因があります。

 今国会では、はじめから本会議の議論が止まってしまうという異常な事態が起きました。原因は小泉首相の不誠実な態度にありました。小泉首相は「すでに答えたからもう答える必要はない」という態度をとり、誠実に答弁しようとしませんでした。まさに子供です。怒った民主党は本会議場から退出しました。そしてまたすぐ戻りました。これもコドモ同然です。わが国では、権力を握った指導者の精神構造が幼児と同じ精神構造になっているのです。

 幼稚な人間の発想法の特徴の一つは、まるごと人を信じるか、まるごと信じないか、という選択しかないことです。人間というのは半ば信じられて半ば信じられないものなのです。そこで、努力して信じられる部分を拡大し、不信の種をなくしていく。これがオトナが行う政治のやり方です。外交も同じです。ところが日本の政治家も学者もマスコミも官僚も、アメリカ政府の言うことは一から十まで信じる。しかし、他の国は信用しない。中国は信じない。とくに北朝鮮は信じない。小泉首相が北朝鮮問題に取り組む姿勢は「人気取り」です。だから、北朝鮮との交渉はうまく進まない。北朝鮮と話し合うのは小泉首相だけです。他の政治家はまったく話し合わないのです。小泉首相はこれをやれば人気を取れると考えてやっているように見えます。小泉首相のやることは何もかも人気のためです。こんなバカな話はありません。本気で北朝鮮問題を解決する意思があるならもっと徹底的に話し合うべきです。ジャーナリストも政治家もさまざまな人が北朝鮮へ行って、平和的な関係のために話し合うべきです。いま、そうしたことをすべてやめてしまっています。そしてその状況に誰も疑問をもたない。

 アメリカを信じるのか信じないのか、といった小泉首相の発言も、まったく子供の発想です。アメリカも、いかに日本を利用するかを考えて日本とつきあっているのです。現実の世界では完全な性善説も性悪説も成り立たないのです。小泉首相ら日本の指導者にはその根本の認識がないのです。

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日米安保条約で独立精神を棄てた

  有史以来、日本は独立国として生きてきました。独立国でなくなったのは1945年です。第二次世界大戦で敗北した結果でした。愚かな軍国主義者のために日本はかけがえのない「独立」を失ったのです。しかし、戦争に負けただけで「独立精神」を棄てたわけではありません。戦後、吉田茂の時代、鳩山一郎、石橋湛山の時代までは、日本の政界に「独立精神」はありました。自ら独立精神を棄てた政治指導者は岸信介でした。岸首相が強行した日米安保条約の締結によって、日本は自ら独立を棄てたのです。

 日本の政治の幼稚化の根本的背景にあるのは、60年に岸内閣のもとで締結された日米安保条約です。ここで、自分の国は自分で守っていくのだという根本精神を棄て、アメリカに依存する道をとり、民族自決の精神を放棄してしまったのです。

 たしかに、日本は敗戦によって、日本的精神まですべて放棄してしまったことは事実です。ミリタリズムへの反省は当然ですが、日本人が本来立脚すべき、公のために働く、というような精神まで捨て去り、エゴイズムに走りました。戦後の日本は経済国家になり、高度経済成長に成功しました。政治的にも経済的にもアメリカの路線とぴったり合わせてきました。このために、日本ではとくに指導層の間では、エゴイズムがすばらしいものになってしまったのです。公的精神は失われました。大いなるものに自分自身を照らし、人間の至らなさを常に反省するような謙虚さを失いました。

 21世紀の日本の指導層は公的精神、独立精神を失いました。アメリカ的エゴイズムの信奉者ばかりになってしまいました。その先頭に小泉首相がいるのです。謙虚さを失い傲慢となった小泉首相ら指導者にこうした謙虚さに立ち返ることを期待しても無理かもしれません。いまの自民党の政治家の多くは2世、3世です。あまり努力もせずに生きてきた人がほとんどです。威張ることしか知らない幕末のバカ殿様のような政治家が多いのです。

 こうした政治家たちを選挙で篩(ふるい)にかけて政治家を入れ替えなくてはだめなのです。小泉政権を倒さなければなりません。小泉政権の打倒が日本再生の第一歩なのです。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

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