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役割論は”実態”を生みますが、”実態”は役割論をほとんど生まない
http://www.asyura2.com/0502/senkyo8/msg/1153.html
投稿者 外野 日時 2005 年 3 月 26 日 16:07:43: XZP4hFjFHTtWY

(回答先: 当局御用評論に騙されるな!「ジャーナリズム本来」は、そんなに立派な仕事か 投稿者 木村愛二 日時 2005 年 3 月 26 日 14:22:55)

 ※図は『週刊エコノミスト』2005.03.29号──”許認可産業の「甘え」”から


「ジャーナリズムの本来の役割(歴史経緯ではなく理念)」と現今の「ジャーナリズムの実態」はこういう場合別にすべきです。

現今の日本のジャーナリズムについては次のように同じところで書きました。
///////////////////////////////////////////////////

昔の新聞は取り上げているニュースが新聞社によってまちまちで、今の紙面から考えると、これはみんな同じ日の新聞なのか?と不安になるくらいの違いがありました。
今の新聞の記事の80%は記者クラブ発のいわゆる「たれ流し記事」「官報」です。それ故、どの新聞でも大差のないようなものが並んでいます。だいたいが記者クラブで配布するプレス・リリースを広報の者が記事にしやすいように、あるいはそのままで記事になるような体裁で出したりし、記者から好評を博しているなんてことも聞かれるくらいです。
一方、そういう横並び記事から自社だけはずれることを「特オチ」と言い、これを記者たちは非常におそれます。
それでも、そういう記事のなかにも細部で各社の違いが出ていることはありますし、独自取材の記事なんかだと結構各社とも違う思想面などが出てくるようですね。あと故意に或る記事を載せないということもあるようです。
ただ、入社した時点で、各社の記者にどれだけの思想や感性面での違いがあるのか僕なんか疑問に思っています。そうそう人間というのは各社の紙面にあるように、同じような考え方に統率されるものだろうかと不思議にさえ思います。
「○○新聞」らしさを各自が”演じている”ということでしょうか。そしてそれがそのうち演技ではなくなってくるということなのでしょうか。

『週刊ポスト』2004/10/22号で、アメリカの経済誌『フォーブス』のアジア太平洋支局長ベンジャミン・フルフォード氏が面白いことを言っています。ほんとは笑い事なんかではないんですが。
----------------(引用始め)----------------------------------

調教された日本の新聞−−B・フルフォード(『フォーブス』アジア太平洋支局長)http://www.weeklypost.com/jp/041022jp/index/index1.html

 新聞側は、記者クラブで発表されることを書かなければ、“村”から排除されます。懇談会や懇親会に呼ばれず、特オチ(他の新聞社が揃って書いている記事を、一社だけ書けないこと)になってしまう。それが嫌だから、嘘の情報でもみんな書くのです。うまく調教されている。
 日本の権力は、新聞、テレビは信用できるが、クラブに所属していない週刊誌や夕刊紙は信用できないという偏見を広めてきました。私にいわせれば、日本で信用できるメディアは週刊誌、夕刊紙、それに右翼の街宣車(笑い)。最後に新聞です。
----------------(引用終わり)----------------------------------

彼は『日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日―最後の社会主義国家はいつ崩壊するのか?』などの著者としても有名ですが、1996年まで日経新聞にいました。しかし、彼が書いた記事に圧力がかかったり、「もうこの問題についての記事は書かないでほしい」と編集局長から宣告されたりして日経新聞を辞めています。彼はそのときのことをこう言っています。
「問題の本質を書かないで、ただ起こったことだけを書く。背景にはふれない。また、取材もしてはいけないとなれば、私はなにを書けばいいのだろう。このとき、私の希望は完全に崩れ去った。そして、この国に抱いていた思いも裏切られたような気がして…」

僕の日本の現在のマスメディア観に一番近いのは、『朝日と読売の火ダルマ時代』藤原肇(1997.11.01刊)にある次の一節です。参考になる文献ゆえ、長いですがあえて紹介しておきます。
----------------(引用始め)----------------------------------
W 朝日新聞の首脳陣の腐敗を指摘して、あなたはそれを堕落だと嘆いておられる。だが、新聞を商品として作ることを目指したり、今のように販売部数の拡大を競う限りでは、そんなものを新聞だと考えるのが間違いで、日本のジャーナリズムに対しての幻想です。自力で取材もせずに記者クラブに安住したり、相手が反撃しないと分かってから批判記事を書くし、新聞は自分や仲間の不祥事は報道しません。
 これが新聞を含めた日本のメディアの正体であり、私は一生をビジネスに費やして来たお陰で、表に出ないそんな世界を目撃しました。朝日や毎日は新聞として大阪で始まったのに、東京に進出して肥大症の病気にかかり、実力より学歴や学閥を重んじたせいで、お役所みたいに硬直して巨大化しました。だが、商売のコツをすっかり忘れてしまい、商売を広げ過ぎると屏風と同じであり、広がって倒れることが分からなくなって、売り上げは伸びても利益の少ないことばかりします。

F 新聞社が発行部数の大きさを競い合って、記事の質を軽視しているのは情けないが、そこまで決めつけられると身も蓋もなくなり、東京の人間として話が続けられなくなります。日本の週刊誌を見れば明かなことだが、あれだけ低俗で扇情的な内容の記事と、あられもない裸の写真や劇画を売り物にし、それを商売にして経済大国が成立している。これは悪あがきをしている姿だと思うが、新聞は週刊誌やテレビほど堕落しておらず、未だ救いがあるし希望が持てると思うのです。

W お気の毒だが日本の現状に無知なために、あなたは幻覚に支配されているのであり、そんな綺麗ごとを言って済まないほど、日本の現実は汚れ果てているのです。
 田中角栄のロッキード事件に始まり、リクルート事件やイトマン事件を経て、佐川急便事件や証券スキャンダルに至ったが、一連の疑惑が納得できる形で解決したとか、巨悪が捕まったということがありましたか。ないでしょう。
 権力者と言われている者だけでなく、メディアが共犯であるために、問題は何ひとつ明らかになりません。それはロッキード事件の頃から同じでして、そこで私は全ての分野から身を引き、何にも関与しないことにしたのです。
----------------(引用終わり)----------------------------------

けれども、今はネットもあります。希望は捨てる必要はないのかもしれません。
//////////////////////////////////////////////////////////////

風俗系の記事などは別として、今、世の中の問題の把握に役立つのは、どう見ても新聞・テレビよりも雑誌のほうです。比較的…ですが。


以下参考まで。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~NKSUCKS/Mynewsintro_2.html より。

      ※
「発表モノ」って、なんで面白くないんでしょう?同じ発表モノでも、たとえば「戦争反対」とか「差別撤廃」を目指す市民団体とか、環境主義を訴えるNGOとかが発表したことを伝える記事なら、少しは身近に感じられてマシですよね?

 でも、そういうのはごく少数。どこが発表した情報かを分析すると、この84.2%に対して、実に80.8%が、政治家や政党(政)、お役所や警察(官)、企業や業界団体(業)といった、いわゆる「鉄の三角形」によるものだったのです。
       ※

 ●新聞記事の配分比率(数字はパーセント)

《ニュース記事》
発表モノ 46.9
──企業や業界団体(業) 30.1/ お役所や警察(官) 8.7 / 政治家や政党(政) 6.3 = 80.8──ニュースでの比率 84.2

独自ニュース 8.8

《その他》
解説・論文 15.9
紹介 11.0
企画・傾向モノ 9.7
連載企画 5.3
ルポ 1.9
調査報道 0.5

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