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(回答先: 全日空機、高度計狂ったまま飛行…ニアミスの恐れ 投稿者 てんさい(い) 日時 2005 年 6 月 15 日 01:51:07)
【総合面】2005年06月15日(水曜日)付
全日空機、高度1600m誤り40分間 計器故障のまま
航空航路概念図
全日空の長崎発羽田行き664便(ボーイング767型機、乗客・乗員計96人)が今月5日、管制官の指示より約1600メートル高い高度のまま約40分間にわたって飛行を続けていたことがわかった。機長が機体の高度計の異常に気づいたものの、適切な処置をしなかったという複合的な要因によるものとみられる。当時、周囲に他の飛行機はいなかったが、空中衝突防止警報装置(TCAS)も正常に作動しない可能性が高く、管制官も実際の高度を把握していなかった。国土交通省はニアミス(異常接近)につながる恐れがあったとして、同社を厳重注意した。
全日空が14日、明らかにした。664便は5日午前11時すぎに長崎空港を離陸。約10分後、機長は高度3千メートルの上空を上昇中、機長席の高度計と副操縦士席の高度計にずれが生じ、機長席の高度計が高く表示されていることに気づいた。
この際、機長席の高度計を、機長席のコンピューターから副操縦士席のコンピューターに接続し直したところ、数値が副操縦士の高度計と一致したため、機長席のコンピューターが故障していたと誤解して、飛行を続けたという。
この結果、同便は大分県上空から静岡県御前崎沖までの41分間、約600キロにわたって水平飛行をした。機長席の高度計は高度8800メートルを表示していたが、実際の高度は1万400メートルだった。
上空8800メートル以上は約600メートルごとに交互通行しており、同便は航路2本を飛び越えて飛行したことになる。
TCASは別の航空機の接近を察知して回避行動を指示する仕組みだ。しかし、今回のように高度計と異なった高度で飛行した場合、高度計のデータをもとに接近状況を判断するため、実際の衝突を回避できない恐れがある。接近してくる他の航空機のTCASも、誤った高度をもとに作動する可能性が高いという。
同便は機長席と副操縦士席にコンピューターがひとつずつあり、高度計などが接続されている。しかし機長は事情聴取に対し、コンピューターが三つあったと勘違いして自分が切り替えたコンピューターがその三つ目と思い込み、副操縦士の高度計表示と合致したため副操縦士の高度計が正しいと判断してしまったと説明しているという。
機長は水平飛行中、羽田空港の整備士に問い合わせたが、整備士も誤りを指摘できなかった。管制官のレーダーにも機長席の誤った高度がそのまま表示されており、管制官は気づかなかったという。羽田空港に着陸後、副操縦士席のコンピューターの配管が故障していたことに気づいた。
全日空は機長(39)と副操縦士(30)を乗務停止、整備士3人も業務から外した。全日空は「別の航空機が接近してもTCASが正常に作動しなかった可能性が高く、あってはならない重大な事象だった」としている。
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