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(回答先: (ケムトレイル電磁波日本ドーム) 全日空機、高度1600m誤り40分間 計器故障のまま 【朝日新聞】 投稿者 愚民党 日時 2005 年 6 月 15 日 06:35:16)
【社会面】2005年06月15日(水曜日)付
多重の安全策、空回り 管制官、把握できず 全日空機ミス
もし、同じ高度を別の航空機が飛んでいたら――。長崎発羽田行き全日空664便が、管制官の指示より1600メートル高い位置を飛行していた。一歩間違えば、他機を巻き込む恐れもあった深刻なミスだった。安全を確保するための何重もの仕組みをかいくぐった管制指示違反は、なぜ起きたのか。空の安全性にまた、黄色信号がともった。
●整備
長崎発羽田行きの全日空664便(ボーイング767型機)は5日午前11時16分ごろ、旋回しながら長崎県大村市上空を上昇していた。操縦席では、二つの高度計に食い違いが生じ始めた。
航空機は、静圧系と動圧系の二つの管を通じて機外の空圧を取り入れ高度を測る。664便は、副操縦士側の計器と機外をつなぐ管の連結部分が外れかけていた。
「今回は高度計と速度計の双方に表示ミスが出ている。自然にそうなるとは考えにくく、整備ミスの恐れは否定できない」。ある整備士は、そう話す。
●ヒューマンエラー
この時、計器担当をしていた機長は、二つの高度計の違いを不審に思い、自席の高度計が接続するコンピューターを別のものに切り替えた。
機長は実在しない三つ目のコンピューターに接続したつもりだったが、実際は、誤った高度を示す副操縦士側のコンピューターに、二つの高度計を接続していた。当然、双方の数値は一致した。
航空評論家の関川栄一郎さんは「『三つ目のコンピューターがある』という機長の思いこみは、あり得ないことではない」と指摘する。例えば85年の日航機事故では、機長は、主翼後端にあるフラップが本当は電気でも動くのに、油圧でしか動かないと思いこんでいたという。
ミスを防ぐ手段は、実はあった。このボーイング767型機には、予備にもう一つのアナログ式高度計が装備されていた。だが、機長は「精度が低い」と気にとめなかったという。元自衛官のある操縦士は「予備をチェックすれば、どちらの高度計が誤っているか分かる。確認しなかったとすれば、基本的なミスだ」と話す。
●地上スタッフ
同11時42分、機長は羽田空港にいる運航支援役の整備士に問い合わせ、接続するコンピューターを切り替えるよう指示された。だが、機長は「(架空の)中央のコンピューターに切り替えると副操縦士の高度計と数値がそろう」と回答し、そのまま誤った高度で約600キロ飛行し、羽田に着陸した。
整備士らは機長からの問い合わせの後、コンピューターが三つないことに気づいたが、機長に正確な状況を確認しないまま、機長の判断を追認してしまったという。機械の解析で、副操縦士側の数値が誤っていたと分かったのは9日朝になってからだった。
管制官の元には航空機の便名や高度、速度などのデータが表示される仕組みにもなっている。だが、関係者によると、こうしたデータは航空機から発信されているものをそのまま表示するだけで、チェックはできないという。
元全日空機長の前根明さんは「機長は判断が短絡的だったのではないか。長崎に戻るか最寄りの空港に緊急着陸するのが常識だ。機器の問題については、機長はより詳しい地上側の整備士の意見を尊重するものだが、どうして飛行を続けるという判断をしたのだろう」と首をかしげる。
http://www.asahi.com/paper/national.html