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(回答先: 「首都直下」被害112兆円 阪神大震災級想定 間接的な経済損4割 (産経新聞) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 26 日 05:38:11)
首都直下地震 課題浮き彫り 孤立招く細い道
新幹線・高速道、読めぬ被害/避難所に460万人…食料・耐震性は
日本の人口の四分の一(約三千三百万人)が暮らす首都圏を大型地震が襲ったとき、何が起きるのか。中央防災会議の専門調査会が二十五日まとめた被害想定では、巨額の経済被害のほかに、倒壊家屋で細い路地がふさがれ要救助者の“孤立”を招く問題や、交通機関の被害による死者、最大七百万人とされる避難住民のケアなど、さまざまな課題が浮き彫りになった。「減災対策について国民はどのくらい深刻に受けとめてくれているのか」。専門調査会の伊藤滋座長(73)は問いかける。
≪不燃化も必要≫
被害想定は、地震の際、幅十三メートル未満の細い道路に倒壊家屋のがれきが倒れ込み、救急車や消防車などが入れなくなる「細街路閉塞(へいそく)」の恐れを指摘した。
「古い住宅が密集する江戸川区南部や墨田区の向島、荒川区の南千住から町屋、練馬区の江古田の北部、世田谷区などが危険」と伊藤座長=地図参照。新潟県中越地震で道路が寸断、山古志村が孤立したようなことが、都心の人口密集地で起きるイメージだ。
この日の会合でも委員から「救助すれば生きられたお年寄りが亡くなってしまう」と事前の対策を求める声が上がった。伊藤座長は減災のポイントとして、(1)住宅の耐震化だけでなく不燃化を進める(2)細い街路に面した質の悪い塀や建物の補修(3)細街路のがれき除去対策をあらかじめ立てておく−ことを挙げる。
≪交通被害は?≫
この程度の被害で、本当に済むのか−。専門調査会では、鉄道や高速道路の被害に伴う死者が、予想外に少なく算出されたことに、複数の委員が首をかしげたという。
新幹線やJR在来線、私鉄、地下鉄の脱線による死者は計四百人と推計され、昨年十二月に伊藤滋座長が語った「千人単位の死者が出る」との予想を大幅に下回った。
ただし、今回の想定では、脱線した列車に対向列車や後続列車が衝突するケースは含まれていない。また、新幹線は震度6強の強い揺れが予想される都心部では、時速百キロ程度で走行しているため、脱線するのは一両程度とされている。
さらに、高速道路でハンドルを奪われたりするケースも、「危険を感じたドライバーのうち、事故になるのは0・1%程度」と設定されているため、死者は三十人ほどにとどまった。多数のドライバーが同時に危険を感じるという大地震に特有の現象は、過去に参考になる例がないために推計できないのだ。
専門調査会では、今回の想定に反映されなかったケースについても、可能な限り具体的な対策を提言したいとしている。
≪700万人避難≫
被害想定によれば、地震の一日後の避難者数は最大七百万人。このうち四百六十万人が体育館など避難所で暮らす。首都圏の避難所の収容能力は足りているというが、政府は今後、各自治体が予定している避難所の耐震性や食料など備蓄量のチェックを進める。
個人の備えとして、伊藤座長は「笛、ペットボトル、厚手の靴下を準備して」と呼びかける。お年寄りは首から笛をぶら下げていれば、倒壊家屋の中から助けを求めることができる。五百ミリリットルのペットボトル入りの水を自宅のあちこちに備えることで「誰も助けにこなくても、じっとしていれば三日間は生きられる」(伊藤座長)。割れたガラスの上を歩けるように、枕元には厚手の靴下を用意して眠る。
地域の備えとしては「水質が悪くても井戸を掘っておいてほしい」という。飲み水は支援物資のペットボトルが届くだろうが、水道復旧まで生活用水が確保できないからだ。伊藤座長は「井戸掘りに市区町村が助成できないか」と話す。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/26na1001.htm