現在地 HOME > 地震・天文12 > 198.html ★阿修羅♪ |
|
「首都直下」被害112兆円 阪神大震災級想定 間接的な経済損4割
政府の中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」(座長=伊藤滋・都市防災研究所会長)は二十五日、首都直下地震が起きた場合、経済的な被害が最悪で百十二兆円に上るとの被害想定(最終報告)をまとめた。金融・経済の日本の中枢がダメージを受けるため、生産低下や物流途絶などによる間接的な経済損が全体の四割を占め、国内外に影響が波及する。
経済被害の想定は、東京・江東区沖の東京湾北部を震源とするマグニチュード(M)7・3の地震が発生した場合について、主に阪神大震災(M7・3)のデータを基に算出した。
地震発生から一年間の経済被害は、平成十六年度の国家予算(約八十二兆円)の一・四倍に相当する百十二兆円。このうち建物や公共土木施設、ライフラインの喪失による「直接被害」は60%で、残り四割は生産設備や労働力の喪失、交通寸断による経済活動への「間接被害」となった。生産活動の低下による被害は三十九兆円で、東京都内の十三兆円に対し、東京以外の国内波及分が二十五兆円。海外への影響は六千億円にのぼる。
経済被害のほか、鉄道や道路の被災に伴う人的被害や、避難者数も試算した。交通被害による死者が最も多くなるのは、ラッシュ時の午前八時台に新宿区の都庁直下でM6・9の地震が起きた場合で、新幹線の脱線で二百人、JR在来線・私鉄・地下鉄で二百人と算出された。この結果、昨年十二月に公表された最悪の場合の死者数(都心西部直下)は、最悪一万二千人から一万三千人へ修正された。高速道路は首都圏では阪神大震災以降にほぼ100%耐震化されており、新潟県中越地震(M6・8)で耐震補強ずみの橋梁(きょうりょう)に倒壊など大きな被害がなかったことから、「大被害の発生は想定しない」とした。
一方、震度5弱以上とされる地域の人口三千六百八十万人のうち、地震の一日後に最大で七百万人が避難すると想定。このうち体育館など避難所へ四百六十万人が、残りは親戚(しんせき)宅などへ疎開すると推計。一カ月後でも約二百七十万人が避難所生活を強いられるとした。
この想定を基に、専門調査会は今夏をめどに減災対策を提言。これを受けて政府は「南関東地域直下の地震対策に関する大綱」を十七年度中に見直し、防災体制の充実など対策を本格化させる。
兵庫県の推計によると阪神大震災の直接被害は約九兆九千二百六十八億円。発生一年間の間接被害は、神戸大の豊田利久元教授(計量経済学)の推計では、約七兆二千三百億円だった。
◇
首都直下地震 首都圏で200−300年ごとに起きる関東大震災クラスのマグニチュード(M)8級の地震の合間に、数回発生するとされるM7級の地震。政府の地震調査委は昨夏、発生確率を10年以内で30%、30年以内で70%程度としている。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/26iti001.htm