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(回答先: リーマンブラザーズに話を付け、大島と組ませたのは誰か、ズバリ言おう、ソフトバンクの北尾吉孝取締役である。 投稿者 TORA 日時 2005 年 3 月 26 日 13:13:20)
『フジVSライブドア』参戦ソフトバンク
孫氏 『放送』への夢
フジサンケイグループとライブドアの“劇場型買収”の舞台に、新たな役者が登場した。ソフトバンク系企業のソフトバンク・インベストメント(SBI)だ。ソフトバンクといえば、孫正義社長が一九九六年、世界のメディア王、ルパート・マードック氏とテレビ朝日株の買収を演じ、一敗地にまみれた。今回はまさに正義の「ホワイトナイト(白馬の騎士)」として系列企業が登場したが、その狙いは−。
今回、フジテレビの筆頭株主に躍り出たSBIは、ソフトバンクの100%子会社ソフトバンク・ファイナンスが38・9%の株を持つ、事実上の子会社だ。となると、間接的にだがソフトバンクがフジテレビに大きな影響力を持つことになる。
SBIの北尾吉孝最高経営責任者(CEO)は二十四日の記者会見で、「孫さんには連絡を取ったが、不在だった」と、その意向を受けた動きではないと強調した。が、一方で「(孫社長とは)以心伝心の世界だ」とも付け加えた。
■SBI単独か判然とせぬが
今回の動きの背景に孫氏の関与は、また、捲土重来(けんどちょうらい)の狙いはないのか。
「SBI単独の動きなのか、孫氏がバックにいるのか判然としない。SBIは近年、ソフトバンク本体とは距離を置いてきたからだ」と首をひねるのは、IT業界に詳しいジャーナリスト佐々木俊尚氏だ。「ヤフーBBを運営し、日本テレコムを傘下に収めたソフトバンクの本業は、事実上の通信会社となっており、投資会社のSBIとは性格が異なる」との見方だ。
■「また買収」の批判嫌って?
一方で、孫氏の関与は大いにあり得る、とみる関係者は多い。昨年六月、「ソフトバンクの3年後を読む!」を出版した上海交通大学客員教授の八木勤氏は「親会社子会社の関係からして孫、北尾両氏の間で話ができていないはずがない」と断言。孫氏が前面に出ないのは、「また買収なのか」という批判をかわし、テレビ朝日買収騒動の二の舞はしたくないという考えではないか、と推測する。
孫氏は九六年、マードック氏と組んで、旺文社が所有していたテレビ朝日株21%を買収し、メディア関係者を驚愕(きょうがく)させた。結局、朝日新聞が「敵対的M&A」として全株を買い取り、孫氏はメディア参入の夢を絶たれたが、マードック氏との交渉や、その後、衛星デジタル放送会社「JスカイB」にフジやソニーが参画する際、中心で動いたのが今回と同じ北尾氏だった。
■融合がネット進化の最終形
それにしても、ソフトバンクを含むIT系企業は、なぜ、インターネットにあきたらず、既存メディアに執着するのか。
前出の佐々木氏は「テレビとネットでは視聴者など最終ユーザーへの到達率が全然違う。ネットでは、最大のポータルサイト(総合サイト)であるヤフーBBでさえ、日本国民の10%前後しか見ていない。だが、放送局ならば系列局を通しての到達率は100%に近い」と強調する。到達率の高い媒体の方が広告収入などの面で有利なのは当然だ。
さらに「ネット業界では、到達率の高いテレビを通してポータルサイトに視聴者を誘導し、さまざまなネット決済、証券などの商売をするというネットの放送の融合モデルが、ネットの進化の最終形としていつも語られている」という。
政界、官界にも顔の広い芸能プロダクション関係者は「ライブドアにせよ、ソフトバンクにせよ、新たなメディアのあり方を追求するというより、公共的な放送局を握ることで企業買収のための集金力を高めるのが狙い」と断言する。
「ソフトバンクの資金力を考えると、(フジとの)業務提携の形にしかならないだろうが、バブル時代、土地自体より土地の担保価値が重視されたのと同じで、放送局の信用力がカネを融通する力になる。これが真の狙いだろう」
これに対し、「ソフトバンクがほしいのはテレビ局の巨大な放送インフラ。ヤフーBBを使ってケーブルテレビのような『放送』を行っているが、おそらく両方ほしい、というのが本音だろう」と話すのは、インターネット情報調査センター代表の森一矢氏だ。
「インターネットの情報発信は匿名性などの問題があり、テレビ、新聞などの既存メディアほどの信用性を持つことは当分ないだろう。孫氏もそうしたネットの限界を見切っていると思う。ネットは人間対バーチャル人間の空間。だが、人間対人間の場所でしかビジネスは成立しない」
そんな中、今回のシナリオについて「ソフトバンクが出てきたことは想定外のように映るが、実は想定内。これは今回の騒ぎの初期から兜町では常識のように語られている話」と話すのは、証券アナリストだ。
■次の一手『落としどころ』
にわかには信じ難いが、ライブドアとソフトバンクが当初から、水面下で役割分担をしているという説が流れていたという。
「昨年の球界再編と同じ構図。まず、堀江さんが殴り込みをかけ、その後、高校の先輩でもある孫さんが出てきて実を取る。球界ではそれがダイエー。孫さんはテレビ朝日買収騒動で『外圧』と受け取られ、失敗した。今回は嫌われ者から一転して助け舟役。九六年の教訓が生かされている」
今後、まだ波乱はありそうだが、どうなるのか。
前出の八木氏は「今回のSBIの動きは、東京高裁でニッポン放送敗訴の決定が出た後に、短時間でできるぎりぎりの対応策であって、今後、ソフトバンク側やフジ側がどんなシナリオを描くかはまだ決まっていないだろう」と指摘。ただ、このままフジ、ライブドアがニッポン放送株を持ち続けると、東京証券取引所の規制で上場廃止となるため、「今後、ソフトバンク側は早い段階でフジ、ライブドアとの間で話し合い、落としどころとなる次の一手を打つだろう」と読む。
一方で、「孫氏の狙いはフジテレビとの業務提携という狭い枠ではとらえられない」と指摘するのは、孫氏をテーマにした著作があるノンフィクション作家の吉田司氏だ。
「昨年の球界再編から登場してきた企業はいずれもITブームの生き残り。これらの企業は日本では“虚業”“マネーゲーム”とたたかれてきた。世界富豪ランキングに名を連ねた孫氏ですらだ。(球団やテレビ局など)実業の姿を持たないと生き残れないし、さらに、その実業を基盤にして虚業と非難されたビジネスを社会に認めさせたいという思いが一連の動きの底にはあるのだろう」
それに加え、吉田氏は孫氏の狙いを「彼はホークスのオーナーとして、米メジャーも含めた世界一決定戦の開催などを提案したが、他球団からは時期尚早といさめられた。でも、世界ビジネスの標準では、この発想は自然で現実的。彼は西武の一族支配に代表される崩壊しつつある日本の企業社会に、世界標準を持ち込もうとしている」とみる。
「その実現のため、今回、彼はあたかも“正義”の味方として登場した。この機会は貴重。これで財界やフジサンケイグループに肩入れする保守派政治潮流にも貸しがつくれた。フジがどうの、ということを超えてこれを今後、さらなる力にしていくだろう」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050326/mng_____tokuho__000.shtml