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ソニー 初の外国人トップ
ストリンガー副会長昇格へ
ソニーは七日、出井伸之会長兼グループ最高経営責任者=CEO=(67)と安藤国威社長(63)が退任し、出井氏の後任にハワード・ストリンガー副会長兼最高執行責任者=COO=(63)、社長に中鉢良治副社長(57)を昇格させる人事を決め、発表した。六月の株主総会後の取締役会で正式決定する。ソニー創業以来、外国人のトップは初めて。中鉢氏はエレクトロニクスCEOも兼務する。
■出井会長、安藤社長が退任
ソニーは二〇〇三年に取締役人事などを決める委員会等設置会社に移行しており、社外取締役が過半数を占める指名委員会が選考過程で影響力を行使した可能性もある。ソニー幹部は「出井氏がストリンガー氏を推薦し、指名委が人事案を作成した」としている。
社長候補のひとりとみられていた久多良木健副社長(54)は、取締役を外れ新設する「グループ役員」として引き続きゲームを担当する。
ストリンガー氏は英国出身。米CBS放送を経て入社。映画や音楽などを担当するとともに米国ソニーの会長兼CEOを務め、米映画大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の買収を手掛けた。中鉢氏は技術系でエレクトロニクスや製造部門を担当している。
ソニーはエレクトロニクス部門の不調やライバル勢との競争激化で業績が伸び悩んでおり、出井氏は業績悪化を受け退任。ソフトとハードをつなぐ米・日のトップ人事で活性化を図る。出井会長はパソコン事業への貢献などから一九九五年に社長に就任。その後は安藤氏が社長になり、出井氏はCEOとしてソニーグループ全体を統括していた。
出井氏は「コンテンツ(情報の内容)重視の姿勢を強めたが、ソニーの原点だった魅力あるものづくりの力も弱まった」(業界他社)との指摘もある。
デジタル化による家電市場への参入障壁の低下と製品価格の下落も重なり、二〇〇三年一−三月期に赤字転落。株価が急落する「ソニーショック」が発生した。
■解説 米日連携で復権狙う
ソニーが、米国法人会長と日本の幹部エンジニアの二人三脚による新経営体制を選ぶのは、米国のハリウッドを軸に展開する映画や音楽というソフト部門と、日本が持つ機器製造のハード技術を戦略的に融合させる「米日連携」(同社関係者)の布陣といえる。
音楽市場では、ライバルの米アップルコンピュータが、携帯音楽プレーヤーとパソコン経由の音楽配信を組み合わせ、これまでのソニーの牙城を切り崩している。
ソニー初の外国人トップとなるストリンガー氏は、世界的な音楽企業BMGとの合弁設立に貢献。映画ではメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)買収に大きな役割を果たすなど、エンターテインメント部門を強力に指揮している。
競争が激化している次世代DVDもハリウッドの意向が左右するといわれ、ソニー陣営の「ブルーレイディスク」売り込みも、米映画界に人脈を持つストリンガー氏の力を頼みにしている。
ハード面では、携帯ゲーム機や携帯電話へのコンテンツ配信充実でアップルに対抗する構想もあり、ソフトとハードを強固に連動させることがソニー復権への鍵となる。
ただ、ソニーの収益を支えてきたテレビゲーム「プレイステーション」シリーズ開発の立役者で、久多良木健副社長が取締役を外れる。創造的な開発力で知られる同氏の影響力低下を懸念する声もある。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20050307/eve_____kei_____003.shtml