現在地 HOME > 国家破産39 > 189.html ★阿修羅♪ |
|
三共、第一薬が10月に経営統合、売上高9000億円−再編に弾み(4) (ブルームバーグ)
http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/mn_jbntext.html?id=25bloomberg32aIP17NeGkhVo
2005年2月25日(金)19時08分
2月25日(ブルームバーグ):国内製薬業界2位の三共と、同6位の第
一製薬は25日、10月1日付で経営統合することで基本合意したと発表した。
実現すれば、金融業界を除く日本国内のM&A(企業の合併・買収)では、NK
Kと川崎製鉄の合併で2001年に誕生したJFEに次ぐ規模の大型合併となる。
外資系医薬品メーカーが日本市場で攻勢を強めるなかで、国内営業基盤の増強が
急務だと判断した。
今回の経営統合は、持ち株会社を新たに設立して両社が傘下に入る方式を
採用する。新会社名は「第一三共株式会社」。2007年4月をめどに持ち株会社
の傘下にある両社医療用医薬品事業を統合、一般用医薬品事業や非医薬品事業の
についても検討する。社長には三共の庄田隆社長(56)、会長には第一薬の森
田清社長(65)がそれぞれ就任する。
東京都内のホテルで同日会見した森田社長は、「三共、第一薬ともにそれ
ぞれの歴史があるうえ、各事業部門別の課題もある。統合スピードを上げるには
持ち株会社方式が最善の方法だと判断した」と説明。庄田社長も「日本国内にお
ける過去の合併事例をみると、合併はしたけれど、人事制度や情報システムが2
つ並存するという例も多かった。これを避けるために、2年間で人事制度や情報
システムの統合を完了したい」と述べた。
第一薬にプレミアム
株式移転に伴い、両社の株式に割り当てられる共同持ち株会社の株式は、
第一薬1株に対して持ち株会社株式1.159、三共1株に対して持ち株会社1株
を割り当てる。
日興シティーグループ証券の山口秀丸シニアアナリストは、株式移転比率
について「三共は第一薬側に対してプレミアムを払いすぎている」と指摘、JP
モルガン証券の近江光雄シニアアナリストも「第一薬の株主にとっては喜ばしい
比率だ」と述べ、ともに驚きだったとみている。近江氏は事前に統合比率を1:
1と予想していた。
記者会見でも株式移転比率に関する質疑が出たが、庄田社長が「第一薬と
の組み合わせがベストだと判断した」と答えるにとどまり、移転比率算出の根拠
などは明らかにしなかった。
山口アナリストは、会社側の説明を踏まえ、「まだ何も決まっていないと
の印象を持った」と指摘。近江アナリストも「合併シナジーをどうやって出して
いくのか明確なメッセージがない」と厳しい見方を示した。
今後のスケジュール
両社は25日の取締役会で経営統合基本合意書を承認、基本合意書を締結
した。3月に統合準備委員会を発足、5月には確定契約書を締結する予定で、6
月に共同株式移転承認の株主総会を開催する計画だ。
統合新会社の業容
統合新会社の売上高を単純合算すると、05年3月期予想ベースで9110億
円に上る。国内第2位にとどまるものの、国内トップの武田薬品工業(売上高1
兆1000億円)との格差が縮まる。海外売上高も3000億円超に達する見通しで、
米国事業で先行するエーザイや藤沢薬品工業を抜き去り、2位につける公算が大
きい。
世界での売上高ランキングでは16−18位前後になる見通しだ。研究開発
費は約1500億円になると見込まれ、三共が強みを持つ代謝系疾患や、第一薬が
得意とする感染症領域での一段の研究開発進展が見込まれる。25日の終値で試
算すると、両社の株式時価総額は合計で約1兆7886億円になる。
金融アドバイザーは、三共側が野村ホールディングス、第一薬側がメリル
リンチ日本法人が務める。
立て続けに合従連衡
国内医薬品業界の再編をめぐっては、01年10月の三菱ウェルファーマの
誕生(旧三菱東京製薬・旧ウェルファイド)を皮切りに、大正製薬による富山化
学工業のグループ化(02年9月)、中外製薬のスイス医薬品大手ロシュに傘下
入り(02年10月)など、立て続けに企業間の合従連衡が進んでいる。
04年2月には、山之内製薬と藤沢薬品工業が経営を統合することで基本合
意。05年4月に統合新会社「アステラス製薬」が誕生する予定だ。2社の今期
売上高を合算すると8500億円程度にとどまる見通しで、三共・第一薬連合に若
干及ばない。
ただ、アステラス薬は「いずれは世界で10位以内に入りたい」(青木初
夫藤沢薬社長)との方針を表明。08年3月期までに医薬品売上高で1兆円、営
業利益で2500億円に引き上げる計画だ。武田薬を含めれば、売上高1兆円規模
の国内医薬品企業が3社になる見込み。
株価は上昇、市場の見方は2分
19日付の日本経済新聞朝刊が三共と第一薬の経営統合を伝えたのを受けて、
21日以降の株式市場では、国内医薬品企業の再編期待から、医薬品株が軒並み
上昇。18日終値と比較すると、三共は5営業日で4.5%、第一薬は同1.4%そ
れぞれ上昇した。
両社の合併について、株式市場関係者は「アステラスのようなベストカッ
プルとは言えないが、攻めにつながる良縁だ」(UFJつばさ証券エクイティ調
査部の椙田和久部長)との見方が多く、歓迎するムードが広がっている。
ただ、東京海上アセットマネジメント投信の後藤伸樹・投資調査部長は
「両社ともジリ貧の状態。M&A報道にやみくもに飛びつくのではなく、個々の
ケースの見極めが必要だ」との厳しい見方もある。同部長は「単に、コスト削減
を目指すようなものであれば、従業員のモラルも下がってしまい、逆効果」と指
摘している。
三共株の25日終値は前日比50円(2.1%)高の2450円、第一薬が同
10円(0.4%)高の2485円。
■医薬品企業の再編影響
(1)主要経営指標(05年3月期見通し、単位:億円)
企業名 連結売上高 連結営業利益 研究開発費 時価総額
武田薬 11100 4000 1300 44730
三共・第一 9110 1295 1500 17886
アステラス 8490 1650 1400 22030
エーザイ 5300 870 760 10469
出所:ブルームバーグ・プロフェッショナル
(2)販売会社レベルの日本市場での売上高ランキング(04年3月期実績)
企業名 売上高 前年比 シェア
三共・第一 5545 ▲2.2 7.8%
アステラス 5544 +4.7 7.8%
1、武田薬 5215 +2.3 7.3%
2、山之内 3540 +3.3 5.0%
3、三共 3079 ▲6.4 4.3%
4、中外薬 2960 +24.8 4.2%
5、ファイザー 2824 +35.3 4.0%
住友・大日本 2743 +0.2 3.9%
6、ノバルティス 2570 +12.9 3.6%
7、第一薬 2466 +3.6 3.5%
8、エーザイ 2319 +5.3 3.3%
9、万有薬 2150 ▲0.3 3.0%
10、三菱ウェル 2030 ▲1.2 2.9%
出所:04年5月28日付、日刊薬業
IMSジャパン
記事に関する記者への問い合わせ先:
東京 鷺池秀樹 Hideki Sagiike hsagiike@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:
東京 谷合 謙三 Kenzo Taniai ktaniai@bloomberg.net
Peter Hannam phannam@bloomberg.net