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社説
12月22日付
■イラク選挙――魔法のランプではない
来月30日の投票に向けて、イラク暫定国民議会の選挙戦がたけなわだ。国連決議通りにいけば、次に新憲法の国民投票、議会選挙、新政権の発足へと進むことになる。イラク人によるイラクの再建、その皮切りとなる選挙の成功を祈らぬ人はいまい。
だが、現実は楽観できない。現地のテレビ報道は、候補者の顔を映さないことが多い。誰もが選挙の妨害を狙う集団による暗殺を恐れているからだ。
日曜日には、イスラム教シーア派の聖地で大規模な自爆テロが起きた。多数の人口を占めるシーア派が実権を握ることを恐れるスンニ派勢力の仕業なのか、両派の対立をあおり立てようという国際テロ集団の犯行なのか分からない。
米政権は米軍を侵攻以来最大の15万人に増強して対処しようとしているが、妨害をおさえ込むことは難しいだろう。
ファルージャでの掃討戦も、米軍が誇るほどの効果があったとは思えない。多くの「テロリスト」を殺したが、スンニ派の反米感情を一段と高めてしまった。そのスンニ派には選挙をボイコットしようとする動きさえある。
果たしてまともな選挙になるのか。クルド人やシーア派の地域で順調でも、スンニ派地域で混乱したら結果は正当と言えるのか。かえって国内が分断されないか。様々な不安が前途を覆っている。
しかし、この選挙は予定通り行われなければならない。人々がようやく手にした貴重な意思表明の機会だからというだけではない。米国の戦争と占領は、余りに多くの犠牲と苦難をイラクの人々に強いている。そんな状況が一朝一夕に変わることはないにしても、イラクをイラク人自身が統治する方向に少しずつでも近づかなければ、事は始まらない。今度の選挙はそのための第一歩なのだ。
大事なのは、イラクの人々が選挙を米国の「押しつけ」と受け止めるような事態にしてはならないということだ。
ブッシュ大統領は「イラクを中東民主化のモデルに」と強調する。だが、米軍が実質的な占領軍として居座ったまま選挙が行われることを、人々は心から歓迎しているわけではない。暫定政府のアラウィ首相でさえ、選挙への出馬表明で「外国駐留軍の早期撤退と、イラク軍組織の強化」を公約に掲げている。
国連決議に基づくイラク再建のプロセスを進めるために、米軍が表舞台に立つ。そのことのおかしさをブッシュ氏は分かっていない。限られた数ではあるが、国連も選挙の専門家を送り、約6千人のイラク人に選挙管理の訓練をした。選挙の警備もイラク人に委ねることだ。
何より、選挙によって米軍の撤退が早まると、人々が実感できるようにすることである。周辺諸国の支援や協力も要る。米国が中東和平に本腰を入れれば、イラクの雰囲気も変わるだろう。
「民主化」を呪文のように唱えてうまくいくほど、現実は甘くない。選挙はアラジンの魔法のランプではない。
http://www.asahi.com/paper/editorial20041222.html
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「まともな選挙ではないが、予定通り行え」?
社説子の頭の中もイラク状態。