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(回答先: 権カに尻尾を振る巨大メディアよ、民主主義を殺すのか 平野貞夫(衆院議員・自由党=注:当時) 投稿者 外野 日時 2005 年 1 月 14 日 23:02:45)
「週刊現代・臨時増刊号」 2003.05.02
断固拒否!「個人情報保護法」の正体暴く より
日本人はこの法案がいかに危険かを知らない
トニー・ラズロ(ジャーナリスト)
この法案ができる以前の問題がまずあります。日本では、朝刊も夕刊も同じ新聞をとっている人が多い。一生同じ新聞という人も、少なくありません。つまり、情報を受けても、それを比較して考えていない人が多いのです。他の国では、たいていそうではありません。たとえば朝刊がA紙なら夕刊はB紙とか、今月はA紙で来月はB紙、といったような買い方をする。だから、いろいろなスタンスの情報を目にしているのです。
私が使っているウェブサイトでは20ヵ国以上のメディアのニュースを見ることができますが、それぞれのメディアによって、スタンスが違います。スタンスの違う情報を多く受けていると、市民としての発見も多い。この、自由に報道ができて、それを誰もが受けとることができるという「情報の多様性」が大切なのは言うまでもない。日本は、いまよりこの自由が広がったほうがいいと思うのです。
ところが日本では、いまこの法案によって「表現の自由」が規制され、奪われかねなくなっている。
もともと情報の受け取り方に偏りがあるのに、ますます不健康な状況になろうとしています。
失って初めて気づく「表現の自由」の価値
「表現の自由」が奪われるということは、人間の歴史上、けっこうありました。ただ、その時点では、なかなか気づかない。だからこそ、そうした事態に警告を発する人は、工夫が必要です。たとえばこれから先、憲法問題が大きくなったとき、情報がより少なくなっていたのでは、議論がよく見えずに改正の是非が決まってしまう。そういう事態が十分に考えられるのです。
情報が規制されるのは危険です。たとえば薬害エイズのような問題が起こったとき、いまより少ない情報で市民が当局を追及できるかといえば、誰もが疑問なはずです。
アメリカのような情報産業の先進国でさえ、「表現の自由」は危うくなっています。数十チャンネルもあるケーブルテレビも、ほとんどアメリカ産。アメリカ以外の番組はイギリスのBBCぐらいです。だから、イラク戦争でも、対立する立場のドイツやフランス、中国、ロシアなどの生の情報は入ってこない。攻撃に反対する国の生の声を聞いて慎重に議論する必要があるのに、アメリカという国家のフィルターを通した情報しか入ってこないため、世論が一定方向につくられてしまう。日本の現状況はそれよりましだが、油断できません。
情報を考える上で「言語」や「地域」単位という概念も重要です。つまり情報のべースになるのは、国家とは限らない。ですが、日本のように国の規制が強まれば、情報は国家の色が強くなり、物事のさまざまな側面が見えにくくなる。
イラク戦争では、イラクから発信された生の情報に世界の注目が集まっています。それを発信しているのは、在野の小メディア。国が”公認”する大メディアではありません。従来のメディアと、そうでない新しいメディアの境はもはや曖昧です。メディアの意味が変わろうとしているのです。ですが、日本の個人情報保護法案は、そうした流れに逆行している面もある。
規制する主体である国家は、この法律は個人を守るものだと言って巧みに市民を説得しています。しかし、その代償として何が奪われるのかを真剣に考えると同時に、それが奪われずにすむ道を探るべきです。欧米では、国や警察、自治体が持つ情報は個別に管理することが重要だと、”市民自身”が考えている国が多い。そうした意識が日本には足りない。いまこそ気づかねばなりません。