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ブッシュ政権、金体制の転覆目指さず 北朝鮮に伝達
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ブッシュ米政権は2期目に向けた対北朝鮮政策の基本路線として、金正日体制の転覆を狙うのではなく、現体制の継続を前提に「体制変革(レジーム・トランスフォーメーション)」を目指す方針を固め、すでに北朝鮮や韓国などに伝えた。「攻撃する意図はない」とする従来の立場からさらに一歩踏み込んで、金体制と共存する用意があることを示したものだ。北朝鮮側の警戒感を解いて6者協議を前進させることで、朝鮮半島の非核化と安定化を実現させようという意図が明確になっている。
北朝鮮の核問題をめぐる6者協議で、米国の首席代表を務めるケリー国務次官補をはじめとする複数の米政府関係者が明らかにした。
ケリー次官補は16日、朝日新聞記者に対し、ブッシュ政権が金正日体制の転覆を目指しているとの見方を明確に否定したうえで、むしろ「体制変革」を働きかけ、徐々に対外開放を促していく方針であることを明らかにした。
「自助努力が望ましい」とも述べ、米国や周辺諸国の制裁など強制的な措置に追い込まれる形で踏み切るのではなく、北朝鮮の現体制がみずからの判断で改革を進めることへの期待感を示した。
これとは別に複数の米政府関係者は、ブッシュ政権が、2期目に臨む対北朝鮮政策の主軸として、こうした「体制変革」を据えると決めたことを明らかにした。11月末には、ニューヨークでデトラニ朝鮮半島和平協議担当特使が北朝鮮の韓成烈国連次席大使と会談した際、概略を説明したという。
一方、ケリー次官補は16日、ペンシルベニア州で講演し、「私たちは北朝鮮に敵対する意図がない」と改めて強調した。さらに「扉はいまも開かれている。北朝鮮が正しい方向に進むための決断を下す賢明さを持ち合わせていると信じている」とも述べ、核を放棄することで、国際的孤立や貧困から脱却するという「戦略的決断」に踏み切るよう呼びかけた。
ブッシュ大統領やパウエル国務長官はかねて、北朝鮮が安全の保証を求めてきたのに対し、「北朝鮮を攻撃する意図はない」と繰り返してきた。しかし、その一方で大統領自身や一部の政府高官が、金総書記を「独裁者」と呼ぶなどして北朝鮮側を刺激してきたのも事実だ。今回、金正日体制の存続を前提に、内部変革を求める姿勢を打ち出した背景には、北朝鮮側の「恐怖心」(米政府高官)を和らげ、6者協議への出席を促す狙いがあるとみられる。 (12/18 11:22)
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http://www.asahi.com/international/update/1218/002.html