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旧皇族から養子検討 皇室典範有識者会議 「男系継承」探る
政府は二十二日、女性天皇を認めるかどうかなど皇位継承のあり方について議論する小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」で、戦後に皇族の地位を失った旧皇族の男系男子を天皇や皇族の「養子」とすることを認める養子制度容認案を検討する方針を固めた。「男系男子による皇位継承」という皇室の伝統維持、男子継承者のない現宮家の存続などの意味があり、関係者によると、「皇族の中にもこの案を支持する方がいる」という。
戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の意向などで「皇籍離脱」して皇族の地位を失った旧十一宮家をみると、東久邇家、久邇家、朝香家、竹田家などに「(養子の対象となりやすい)二十−三十代の独身男子が計十数人いる」(宮内庁関係者)とされる。
皇室研究者によると、旧宮家の中には皇族の身分への復帰について「断る理由がない」「受けてもいい」などと前向きな人も複数いるという。
このため、政府は有識者会議で、旧十一宮家の男系男子子孫について、個人の意向を尊重した上で(1)天皇または皇族への養子(婿養子を含む)を容認する(2)皇族に復帰してもらい、新たに宮家を創設する−などの案を検討する考えだ。
具体的には、天皇・皇族の養子を禁じた皇室典範九条のほか、同一五条(皇族の範囲)の「皇族以外の者は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない」との条文改正の必要がある。
有識者会議は二十五日に官邸で初会合を開き、皇室典範改正に向けた本格的な論議を始める。
現在の皇室には、昭和四十年にお生まれになった秋篠宮さまより若い男子皇族はいない。政府は「皇位継承の安定的な維持」(細田博之官房長官)の観点から、女性天皇実現に道を開くかなどが主要検討課題となる。ただ、女性天皇を認め、その子供を皇位継承者とした場合、「皇統が男系から女系へと代わり、万世一系といえなくなる」(閣僚経験者)などの問題が指摘されている。
各種世論調査などで国民の多くは女性天皇を容認している。女性天皇や女性宮家が実現しても、「配偶者が旧皇族の男系男子であれば、実質的に皇統は保たれる」(与党幹部)との指摘もある。
ただ、有識者会議が「男系継承」を原則とするかどうかは未定で、議論の行方次第で、皇室伝統の歴史的転換となる「女系継承」容認に傾く可能性もある。
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≪高まる「女性天皇」論 「伝統知らぬ」の声も≫
皇位継承者を確保するため、女性天皇を認めるべきだとの論議は、明治憲法と旧皇室典範の策定作業中にもあった。戦後の日本政府とGHQとのやりとりや、国会審議の中でも「男女平等」の観点から取り上げられた。それでも、当時は「皇統の男系の男子がなくなるような心配はない」(昭和二十一年の政府答弁)との楽観論が支配的だった。
しかし、昭和四十年の秋篠宮さま以降、皇族には男子は誕生していない。女性天皇や養子を認めない現行皇室典範のままでは、宮家はすべて断絶し、皇室は存続できなくなるとの懸念が政府や関係者の間で出ていた。
そうした中で、平成十三年十二月、皇太子ご夫妻の長女、愛子さまが誕生、国民も女性天皇を現実の課題として意識するようになる。
その後、中山太郎・衆院憲法調査会長が十五年末、産経新聞のインタビューに「最終報告書で女性天皇を認める方向だ」との考えを表明し、論議が再燃した。小泉純一郎首相も「女性天皇でもいいんじゃないかと思う」と発言。欧州の君主国十カ国中、英国、デンマーク、オランダが女王であるのも女性天皇容認論を後押ししているようだ。
ただ、こうした風潮に皇室研究者ら識者からは「男系が続く皇室の伝統を知らない政府関係者や国会議員が多すぎる」などと“安易さ”を懸念する声も出ている。
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【男系男子】皇位の継承順など皇室のあり方について規定し、国会が制定する皇室典範では第1条に「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めている。男系とは父方の系統を意味し、皇位継承資格は古来、父方の血統に天皇を持つ男系であることを大原則としている。
歴史上10代8人いる女性天皇はいずれも皇后だった未亡人か独身の皇女。即位後に子供を出産し、その子供が即位した例はなく、「臨時措置的な役割」(皇室研究者)を終えると皇位は男系に戻っている。
現存する「世界最古の王家」である皇室にとって、皇位継承の危機は過去に何度もあった。いったんは臣籍降下(皇籍離脱)しながら皇族に復帰して即位した例(宇多天皇)もあるが、男系継承は守られ、「万世一系を保ってきた」(昭和天皇)のは間違いない。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/23iti001.htm