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http://www.asahi.com/national/update/0113/014.html
NHK番組の放送前に、自民党の有力政治家がNHK幹部と面談し、番組内容がその後、大幅に改変された問題で、内部告発をしていたNHKの幹部職員が13日午前、東京都内のホテルで記者会見した。内部告発者が実名を明かして会見するのはきわめて異例。この幹部は「放送現場への政治介入を許した海老沢勝二会長らの責任は重大」と訴えた。
会見をしたのは、番組制作局教育番組センターのチーフ・プロデューサー長井暁さん(42)。問題の番組は、旧日本軍慰安婦問題の責任者を裁く市民団体開催の民衆法廷を取り上げたもの。01年1月30日に放送され、長井さんは同番組の担当デスクだった。
長井さんによると、番組を企画した下請け会社の視点が主催団体に近かったことから、「戦争を裁くことの難しさ」への認識や歴史的な位置づけ、客観性を強調して現場を取りまとめてきたという。事前に右翼団体などから「放送中止」の要請はあったが、放送2日前の夜には通常の編集作業を終え、番組はほぼ完成していた。
しかし、放送前日、NHK幹部が中川昭一経産相と安倍晋三・自民党幹事長代理に面談。その後、幹部から番組内容を改変するよう指示されたという。「これまでの現場の議論とはまったく違う指示。現場の意向を無視していた。政治家の圧力を背景にしたものだったことは間違いない」と長井さんは述べた。
また、「この数日前にもNHKの国会担当役員らが中川氏らに呼び出されて、ガンガンやられた」とも話した。
さらに長井さんは「海老沢会長はすべて了承していた。国会議員に会ったことなど具体的な中身は逐一、書面で報告されていた」と説明した。その上で、「制作現場への政治介入を許してしまった海老沢会長や役員、幹部の責任は重大です」と訴えた。
長井さんは、NHKの「コンプライアンス(法令順守)通報制度」に基づき、昨年12月9日に内部告発した。だが「通報から1カ月以上たった今日にいたっても、聞き取り調査さえなされていない」と話した。
長井さんは87年に入局。ディレクター時代はNHKスペシャル「朝鮮戦争」「張学良がいま語る」「毛沢東とその時代」などの企画・制作を担当。デスクになってからはNHKスペシャルの大型シリーズ「街道をゆく」「日本人はるかな旅」「文明の道」などを手がけてきた。
中川経産相と安倍幹事長代理は「偏った内容だ。公正な番組にするように」などと指摘したことは認めているが、安倍氏は「NHK側を呼びつけた事実はない。番組の中止などは求めていない」としている。
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〈NHKのコンプライアンス(法令順守)通報制度〉 放送法などの法令やNHK倫理・行動憲章などの内部規範に違反または違反しそうな事実があるとき、職員らが通報できるようNHKが04年9月から整備した内部告発制度。一連の不祥事を受けて整備された。通報窓口は外部の法律事務所に置かれている。通報があるとNHKの専門部署がその内容を調査し、必要な場合には不正行為の停止を命じることができる。職員は調査に協力する義務を負い、通報者に不利益な取り扱いは行わないとの規定がある。
(01/13 11:47)