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中国 「批判と協力」使い分け 企業、大半は利益優先
【北京=伊藤正】中国政府は抗日戦争勝利六十周年の今年、対日批判キャンペーンを強化する一方で、経済に関しては日本との協力関係促進に積極姿勢を継続する方針で、日中貿易の拡大基調は変わらない見通しだ。日中関係筋は、「政治関係の停滞が経済の障害、といった声があるが、取引拡大の必要性は日中双方にある」と述べている。
中国商務省の発表では、昨年の中国の対外貿易は前年比35・7%増の一兆千五百四十七億ドルと初めて一兆ドルを突破、日本を抜いて米国、ドイツに次ぎ世界三位の貿易大国になったのが確実。世界貿易機関(WTO)加盟後の三年で対外貿易は倍増したことになる。
中国の貿易振興策は、一九八〇年代の安い労働力を利用した労働集約型の加工貿易から始まったが、九〇年代には投資環境の整備に伴い外資が急増、「世界のトップ五百企業のうち九割が対中進出し、最高の技術で市場競争を展開している」(清華大学の胡鞍鋼教授)。
二〇〇三年には外資系企業の対外貿易に占める割合は55%だったが、〇四年には60%を超えたとみられている。付加価値の高いハイテク製品で外資系が中国市場を占有、民族系の経営不振が問題になっているが、外資系は経済成長面だけでなく、雇用確保にも不可欠であり、税制面などでの外資優遇策を当面変更する気配はない。
こうした中で、日中貿易は昨年、30%以上伸びた欧州連合(EU)と米国に抜かれ、前年の首位から三位に後退したが、25・7%増の千六百七十八億ドルと史上最高だった。「政治関係が良好ならもっと伸びた」というのは、ごく一部の進出企業。大半は「中国企業は利益優先で、高速鉄道など国家プロジェクト以外では政府が介入する余地はない」という。
中国政府は今年も、国内の調整政策を継続、経済構造の改革と社会矛盾の緩和に取り組む。日本側には、中西部や東北部の開発への協力に積極的な企業もある。日本が総じて欧米に比べ、技術移転に寛大なうえ、環境や省エネなどで最先端技術を持つことも、日中間の経済協力と貿易拡大に有利との見方が、中国側専門家にも少なくない。
◇
【中国経済年表】
1978年12月 党第11期3中総会で「改革・開放路線」を決定
87年11月 第13回党大会で「社会主義初級段階論」を提起
89年6月 天安門事件
92年1月 最高指導者、トウ小平氏が南巡講話
10月 第14回党大会で「社会主義市場経済体制」の確立決定
97年7月 香港返還。2月にはトウ小平氏死去
2000年10月 米が対中最恵国待遇の恒久付与を決定
01年3月 第10次5カ年計画綱要を採択。年平均成長率は7%前後で戦略的に調整
12月 WTO加盟
02年11月 第16回党大会。国内総生産(GDP)を2020年までに00年の4倍達成の目標
03年9月 G7ドバイ会議で人民元切り上げを促す方針を決定
1人当たりGDP(03年)が初めて1000ドルを突破
04年5月 中国人民銀行が金融引き締めの方針を明示
12月 05年のGDP成長率は、8.7%と予測
http://www.sankei.co.jp/news/morning/21iti002.htm