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(回答先: Re: 米貿易と財政ふたごの大赤字なのに、FRBの利率引上げはなぜなんでしょう? 投稿者 ジャック・どんどん 日時 2004 年 12 月 15 日 08:47:30)
ジャック・どんどんさん、どうもです。
■ 米国の利上げについて
まず、貿易赤字や財政赤字と名目金利の関係はないわけではありませんが、名目金利が上昇すると貿易赤字や財政赤字が増加するといった関係にあるわけではありません。
名目金利が上昇しても物価水準が上昇すれば実質金利は同等ですから、名目金利の変動がもたらす経済活動の変化から異なる軌跡をたどるとしても、実質金利の同等性が認識されるようになれば名目金利の変動は帳消しされるかたちで収まることになります。
そして、今年立て続けに実施されている米国の金利引き上げはFF金利(短期の銀行向け金利)であり、今のところ、それが長期金利(米国債及び企業・家計向け貸し出しの金利)の上昇にはつながっていません。(米国債10年物は4%ほど、住宅ローンも7%をやや下回る程度で上下し、FF金利の動きには連動していません)
FRBとしては、FF金利の引き上げを通じて長期金利も上昇させたいと思っているはずですが、そのような効果は得ていないと言えます。
FRBが長期金利を引き上げたいと考えている理由を推測すると、次のようになります。
● 緩やかなインフレが続いているので、債券購入を含む貸し出し利得の確保をはかる。
2001年から2002年にかけてFF金利が引き下げられ長期金利も下がりました。それにつれ物価水準も下落すれば、実質金利は同等ですから貸し出し利得のレベルは確保されたことになりますが、金利だけ下がり物価水準は従来通りであれば、その分貸し出しを通じて得られる利益が減少してしまいます。
● ドル安傾向が続くので、ドル建て金融資産の実質価値を維持したい。
米国の金融家(多国籍企業を含む)は、ドルをベースにワールドワイドに金融活動を行っています。
ご存知のように、ドルは他の主要通貨に対して下落傾向にあります。このような傾向は、ドルを貸し出して得る利益を実質的に減少させることを意味します。
(10万ドルの利益が1000万円に相当していたのに800万円にしかならなくなる状況を想定するとわかりやすい。金利差が少なければ、ドルで貸し出しするよりも、円での貸し出しがたとえ利益ゼロでも円に転換して保有しているほうが得ということになります)
● 貿易赤字や財政赤字を外国からのドル還流(投資)でできるだけ補填したい。
すぐ上の説明論理を非米国民に当てはまると、ドル安傾向下で低金利なら、わざわざドル建て金融資産に転換して保有するよりも、ユーロや円の金融資産を保有しているほうが得ということになります。
外国の投資家(金融機関や金持ち)がドル建て資産にそっぽを向くことで急激に金利が上昇する事態になるよりも、外国の投資家がドル建て資産にそこそこ魅力を感じる金利状況を生み出したほうが総体的に利があると判断している可能性があります。
貿易赤字や財政赤字をスムーズに補填する目的であるのなら、金利引き上げは“合理的”と言えます。
※ 巷間言われている、“インフレ退治”としての金利引き上げ説は嘘っぱちです。
■ 「郵貯・簡保の株を完全民営化までに完全売却」について
読売新聞の記事はアドバルーン的なものだと見ていますが、“外圧”としてそのような要求があるのなら、アブナい話です。
郵便と金融で分ける分社化そのものが、女性が夜中に若い男の部屋に行くような危険な政策です。郵便事業という“重石”を乗せておくことで金融資産というおいしいとこだけを掠め取ろうという“不埒者”を封じることができます。
株式の処分問題は10年以上先まで続く話であり、株式をすべて放出すると公式に決めてしまえば、売却時には日本人に余裕資金がなく外資が安値で取得してしまう事態も考えられます。
(たとえば、400兆円の金融資産を1千億円の投資で支配できるかもしれません。“悪気”がある連中であれば、預かり金を外国のお仲間に貸し出ししたりお仲間の債券を買って焦げ付かせてしまうことも考えられます。それで郵政金融会社は破綻ですが、投資した1千億円がパアになっても、100兆円を吸い上げることができるのなら安いものです。相手が悪いとか不測の事態などと説明して刑事罰は逃れるでしょう(笑))
そんなバカなことはないと思っている人は、身ぐるみ剥がれても気がつかないような人だと思いますよ。